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松茸騒動

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秋の味覚の代表=松茸
自分で採ってきたのではなく、人からお裾分けしてもらったものです・・・。

お盆以降雨ばかりだったことが幸いしたのか、今年は松茸が豊作らしい。
つい先日のことだけど、伊那にあるグリーンファーム(雑多なものが無秩序に売られている直売所のようなところ)には松茸が1トンも持ち込まれたとか。採れすぎて、卸値は5,000円/kgまで下がっていると聞いた。

長野県は全国有数の松茸の産地。中でも南信の伊那谷は有数の産地である。
このあたりの人たちは、9月も中旬を過ぎてキノコのシーズンに突入すると、なんとなくそわそわしはじめる。どこからともなくそんな空気が伝わってくる。
キノコの話題が自然と多くなり、そのうち競うようにして山に踏み入ってゆく。
まさに松茸騒動といってもいいような雰囲気に、広い谷全体が満たされる。

特に男どもの目の色が変わる。
いついつ山に行っただの、どれだけ採れただの採れないだの・・・お互い和やかに笑顔で話してはいるものの、その実は情報の探り合い。人が採ってきたなんて話を聞くと、内心は穏やかでなさそうである。小学生かよ!(笑)
自分が仕事を手伝っている人なども、山に行きたくてうずうずしている様子があからさまにわかる。見ていてちょっとおもしろい、というか微笑ましい。

が、百姓だから、現実は忙しくてそうそう山にも行っておれないわけです。
収穫や出荷など、ちょうどいろいろ重なる時季でもあるし、基本的には土日も関係ないし。あわよく休みであっても、地区のことなどがあれこれあったりする。
で、結局山へ行けるのは平日の仕事前の早朝ということに。3:00頃から出かけていってキノコを採ってくる。もっとも、土日なんて人が多くて行くもんじゃないと本人は言って(強がって)いるけど・・・。
ま、松茸のシロ(松茸がポコポコ生えているコロニー)の場所を知っているからこそなせる業ですね。

先日、その人が今年一発目に山に入った時の成果を見せてもらった。
おぉぉこりゃすごい!スマホで撮った写真には、大小とりまぜて軽く100本以上の松茸が写っていた・・・ちょっとした衝撃!松茸ってこんなに採れるのか・・・。
ちなみに、このあたりでは松茸が何本採れたというちんけな言い方はせず、何キロ採れたという言い方をします(笑)。

日本全国、秋になるとたくさんの人があちこちへキノコ狩りに出かけると思うけど、このあたりのおもしろいところは、出かける先がすぐ近所ということ。
ほとんどが村の中だけで事足り、おそらく家から車ですぐの場所である。わざわざ「キノコ狩り」に遠征するというイメージはまるでなく、ちょっとその辺まで行ってくるという感じだ。
それこそ山が地区の共有林であったり、自分の山であったりする場合もある。

いずれにしても、おそらく昔からの縄張りがそれぞれにあって、暗黙の了解でうまくすみわけをしているのだと思う。
ちなみに普通、シロの場所は誰にも教えません。家族にも教えない(笑)。
それでも、「早く行かないと採られちゃうなぁ・・・」などと心配しているから、他にも知っている人がいるのかもしれない。

松茸というのは、養分の少ない比較的乾燥した場所を好む。そして何よりもまず、アカマツがないことにははじまらない。
乾燥していて(雨、雪ともに少ない)、アカマツがふんだんにある伊那谷で松茸がたくさん採れるのは、そういった理由による。

それでも、80過ぎのお年寄りの話では、「昔と比べると採れなくなった」という。
その理由は、まずはマツクイムシによる松枯れ。そして、松の葉や枝を燃料や肥料として利用しなくなったことによる松林の林床の富栄養化(林床が腐葉土のようになると、松茸の生息環境としては不適となる)。

ときに、日本人と松茸とのかかわりは非常に古く、早くも万葉集に松茸のことが詠まれているらしい。
個人的に、松茸ってどうしてこんなに高いのだろうと昔も今も思っているのだけれど(正直に言うと、どうしてこんなものに(スミマセン)そんなにお金を出すのだろうと常々思っている)、それは希少性のほかに、きっと日本人の松茸への愛着から来ているのでしょうね。
秋に松茸を食べる、食べなければならないというのは、もはや執念のようなものですね。冷静に考えれば、そこまで美味しいものではないと思うけど・・・。
ちなみに、個人的には松茸ご飯にしていただくのが一番ではないかと思う。

これからあちこちへキノコ狩りに出かける人も多いと思いますが、くれぐれも現地の人とトラブルになりませんように・・・。

【おまけ】
松茸以外にも食べられるキノコは星の数ほどありますが、キノコはちょっと怖いですよね。
名人と呼ばれるような人でも時どきキノコにあたることがあるし、下手をすると死んでしまいますから・・・。

このあたりでもっとも身近なのは、「ズボウ」。
これは一般には「虚無僧茸」と言われているキノコですが(坊主茸やショウゲンジとも言われる)、ここらでは「ズボウ」と呼ばれる。
これといったクセはなく、可もなく不可もなくといった感じの、いわゆるキノコらしいキノコです。
ズボウも買うと高いんですね・・・ビックリしました。

それから香茸(コウタケ)。
こちらは独特の風味がある。人によって松茸以上と言う人もいるし(言いすぎだと思う・・・)、個人的には美味しいと思うけれど、好き嫌いの分かれそうなクセのあるキノコ。
ちなみに、香茸は乾燥させてから調理するのが一般的で、生で食べると吐き気を催すなどの中毒症状が出ることがあるとのこと。
食べ方を知らない人は手を出さないほうが無難です。
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