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シラカバとテッポウムシ(恐るべし・・・)

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5月の中旬に、庭のシラカバの木が折れた・・・(涙)。上三分の一くらいがポッキリ。
少々風の強かった日があり(ここは年中風が強いわけだけれど・・・)、気付いた日の午前中か、もしくは前の晩に折れたらしい。

木が折れた直接の原因は風であるけれど、そこまで強かったわけではないし、これまでの風で折れなかったわけであるから、根本的な原因は別にある。
・・・テッポウムシだ。

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折れたシラカバの断面

「テッポウムシ」と通称されるムシをご存知だろうか。
カミキリムシの幼虫です。
木の内部に入り込んでトンネルを掘り、羽化する際に、木の表面に鉄砲の弾が打ち込まれたような丸い穴を開けることからそう呼ばれます。

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テッポウムシと呼ばれる所以

成虫(カミキリムシ)が幹などに傷をつけて産卵。
孵化した幼虫は、1年~数年にわたって木質部にトンネルを掘りながら食害して成長する。
木の立場からすると、枝や幹の中を食害されるため樹勢が著しく衰え、ある部分の枝が枯れたり、木そのものが枯れたりしてしまう。枯れない場合でも、強風時に折れたりする。
侵入口からおがくず状の虫糞が出るので、木にテッポウムシがいればすぐにわかる。

カミキリムシには多くの種類がおり、その幼虫であるテッポウムシは生木を食べるものもいれば、枯れ木を食べるものもいる。大きさも大小さまざま。
うちで一番よく見かけるカミキリムシは、体長(触角含まず)が20~25mmほどで、黒くてオレンジ色の縁取りのあるもの。なんという種類か不明だが、5月中旬~6月中旬頃にかけて庭のシラカバの木に大量にいる。
こいつの幼虫は見たことないけれど、シラカバの幹や枝に開いている小さな穴はこいつによるものと思われる。

それより大きく、体長が30~40mmほどになり、カミキリムシの代名詞のようになっているのがゴマダラカミキリ。
幼虫も巨大になり、木の幹にφ10ほどのトンネルを掘る。
川原にあるヤナギの木が、φ10ほどの穴でそれこそ蜂の巣状態になっているのを見かけることがあるが(羽化するときの残骸が穴から飛び出て残っている)、それはおそらくゴマダラカミキリの仕業。

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(左)シラカバの中にいたゴマダラカミキリの幼虫      (右)そいつが掘った見事なトンネル(φ10)

ちなみに、日本で最大の種はミヤマカミキリで、体長が60mmほどにもなる。
子どもの頃、クワガタを採りに雑木林などに入るとたまに目にしたが、やはり幼虫は見たことがない。
が、こいつの幼虫はさぞかしデカイことだろう・・・想像しただけでも恐ろしい。

さて、本題。
テッポウムシは樹木を弱らせたり枯らせたりするので、果樹農家やバラを栽培している人などにとっては大変な害虫ということになる。
もっとも、バラの場合はよく知らないが、果樹の場合(このあたりで栽培しているリンゴ、ナシ、カキ、モモ、ブドウなどの場合)は、それほど躍起になって対処はしていないように見える。
というのも、樹木のほうにも防衛手段がないわけではなく、産みつけられた卵や孵化して間もない幼虫などはヤニや樹液で抹殺されてしまうから、テッポウムシとしては樹勢が強いと成育できないわけであり、まずは樹木を健康に保つことのほうが重要、ということだと思う。

先日も仕事を手伝っている人のリンゴ畑で、直径30cmほどの立派なリンゴの古木を何本か伐倒、玉切りしたのだが、幹の中心部付近にφ10ほどの穴がいくつか開いていた。
聞いてみたら、やはりテッポウムシという話。木の中に入られてしまうとどうしようもない、ということだった。
リンゴは年に何度か、適宜、薬剤散布を行うが(消毒と呼ぶ)、木の内部に入ってしまったテッポウムシはこれでは防除できない。

ちなみに、薬剤散布は主にスピード・スプレイヤーという自走式散布機で行われるが、真っ赤なこのマシンは田舎のフェラーリとも呼ばれる。
チキチキマシンのようで、道路を走っている姿が愛らしい。

テッポウムシを駆除するとなったらどうやるか?
おそらくこれはもう、侵入口を見つけて地道に駆除するしかない。
まずは糞を取り除き、侵入口から針金などでつついて中の幼虫を退治するのだが、非常に難しい。手ごたえのあることはほとんどない。
テッポウムシは一直線にトンネルを掘るわけではないし、場合によっては中で迷路のようになっているから、よほど運が良くないと仕留められない。
ちなみに、自分は自転車のシフトワイヤーの切れ端を使っています。

次の段階は薬剤の使用。
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手っ取り早いのは、「キンチョールE」というテッポウムシ専用の殺虫剤があるので、これを使用する。
侵入口からノズルを差し込んで薬剤を噴射するのだが(三方向へ噴射される!)、穴が深かったり迷路のようになっていたりすると、やはり駆除するのは難しいのではないかと思う。

いずれにせよ、無数とも思えるほど穴がある場合は焼け石に水で、とてもやっていられない。
早い話、テッポウムシに対してこれといった有効な手だてはないのではないかと推察する。
自然の為すがままにしておくしかないのではないか・・・そんなふうに悟りつつある今日この頃。
キツツキがガンガン食べてくれるとありがたいのだけれど・・・。

ときに、テッポウムシは見るからにタンパク質の塊で、見ようによってはとても旨そうに見える。
昔は日本でも食べられていたし(仕事を手伝っているその人も昔は食べたと言っていた)、他のアジア諸国などでは今でも重宝されている。
もちろん自然界でもこの上ないくらいのご馳走で、アカゲラなどは喜んで食べている。冬になど、うちのシラカバにもアカゲラがやって来て、一心不乱に木をつついている。
あとでアカゲラのつついたところを見てみると、唖然とするほどの仕事っぷり。その気になれば、彼らは木を倒すことも可能だな・・・。

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アカゲラの作品(2015年2月撮影)

幼虫がヤニや樹液で抹殺されてしまうのを回避するため、カミキリムシの成虫は樹勢の衰えた木に産卵する傾向がある。また、硬い木よりは柔らかい木に多く集まる。
シラカバというのは、材が非常に軟らかい。かつ、ヤニや樹液もほとんど出ない(ように思う)。
つまり、カミキリにとってはこれ以上ない標的なのではあるまいか。
標高の高いところにはカミキリがいないから、山ではシラカバやダケカンバがすくすく育って一大勢力を為しているが、それらが自生しているわけではない場所で育てるのは、かなりハードルの高いことなのかもしれない。

柔らかい木や弱った木にはカミキリが多く集まり、たくさん産卵することになるわけだけれど、当然ながら木が枯れてしまっては彼らにとっても元も子もない。
食害によって木が枯れてしまうと幼虫も生きていけないわけで、実は彼らにとってもそのへんのバランスが難しいのかもしれない。

ちなみに、シラカバは生長が早く、寿命が短いのも特徴です。通常、寿命は20年ほど。
シラカバを含む樺類はパイオニアツリーとも言われ、山火事などで一面禿山となったところに最初に生えてくるのも樺類です。

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伐倒した株から元気にひこばえが生えてきた。今後これを育てていくつもり。
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