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自転車アプローチ登山11 鬼面山(1,890m)

日付: 2015/4/26 日
ルート: 虻川渓谷 ~ 山頂ピストン

ずっと「おにづらやま」と読んでましたが、実は「きめんざん」と読むらしい。
伊那谷は中央アルプスと南アルプスに挟まれた地溝ですが、南アルプスの伊那谷側に、これと並行してもう一列山脈がある。
伊那山地と呼ばれる山脈で、秋葉街道は、伊那山地と南アルプスの間を走っていることになる。また、伊那谷とは、厳密には中央アルプスと伊那山地に挟まれた場所のことを言っている。
鬼面山というのは、この伊那山地の最高峰(1,890m)。豊丘村と、大鹿村及び飯田の上村との境界に位置している。
あとで調べてみたところ、今回登った虻川渓谷からの道以外に、大鹿側の地蔵峠からも道があり、地蔵峠から登るほうが一般的であるらしい。

8:40に自宅を出発。
今日も天気がいい。それは素晴らしいことなのだけれど、ここ何日かの晴天続きで、すべてがカラカラの状態。そろそろ一雨欲しいところです・・・。
竜東線を南下して豊丘村に入り、パルムというスーパーを過ぎるとすぐ、「鬼面山登山口」という案内板がある。
見るたびいつも気になっていて、そのうち行ってみようと思っていた。鬼面山という山があるのを知ったのも、この案内板から。ようやく今回、足を延ばしてみた次第。

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(左)天竜橋の上から  (右)途中にある御手形諏訪神社

竜東線を東へ折れた瞬間から上りが始まる。
2kmほどで一つ目の段丘の上に出て、広い農道を横切る。そこに案内標示がある。
「鬼面山登山口 13.5km」
マジか。この調子で13.5kmも走ったら山頂まで行ってしまうのではなかろうか、というくらいの上りだったので、一瞬めまいが・・・。
でも、一度下ってしまうのでご安心(笑)。二つ目の段丘に上ったところだったか、そこから一度下る。

このあたりまで来ると、早くも人間界からはほぼ脱してしまう感じになる。
林道の両側に、獣避けのフェンスが張り巡らされている。ここらでは珍しい光景ではないが、どちらかというと人間のほうが檻の中で生活している、という気分になる。
そのうち林道自体がフェンスで遮られ(車の通る道ですよ)、これにはちょっと驚いた。フェンスを開けて自転車を通し、すぐにまたフェンスを閉める。

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渓谷沿いの林道をグングン詰める。
いや~春だねぇ・・・。
その昔、四季の中で春が一番嫌いだった。なんとも言えない浮ついた雰囲気、学校や会社におけるこの浮ついた空気がどうにも嫌いだった。
スッキリしない白っ茶けた空も嫌いだったし、山を登るにしてもどうにも中途半端な季節。
すでに雪や氷という感じではないし、かといって沢や岩にはまだちょっと早い。どうにも緊張感のない、間延びした空気に満ちている。
現実から逃避するように、足繁く山に通っていた頃は何をやっていたかと思い返してみると・・・主に雪稜歩きとスキーをやっていたようだ。フリー(クライミング)もボチボチ始動という感じだったろうか。

しばらく時を経て、伊那谷へ越してきた今となってみると、感覚がコロリと変わり、実は春が一番好きかもしれない。
ある程度寒い場所に住んでいるということが大きいのだろうと思う。
春の芽吹きと暖かさが待ち遠しい。春が来て、生き物たちが活動を始めるのを目にすると、幸せを感じる。
ここは雪はそれほど降らないところだけど、これが雪国だったら、なおさらそんな気持ちになるのではなかろうか。「北国の春」に歌われているような気持ちになるに違いない。

虻川渓谷沿いの道を行くと、明神淵があり(帰りに寄ってみた)、野田平キャンプ場があり、途中のT字路を逆に行く必要があるが、新九郎の滝というのもある。もう少し上手く宣伝すれば、多くの人を呼べるのではないかと思えなくもない(それが良いか悪いかは別にして)。
ちなみに、ここらのキャンプ場はえらい山の中にある。距離的には主要道からそれほど中に入り込んでいるわけではないのだが、道が狭く、横の斜面も崩落していたりするから、妙に山奥にいる気分になる。
こんな山奥でも人が来るのだろうかと、余計なお世話ながら、ついつい心配になってしまう。ここまで奥に入るのなら、キャンプ場どころかもうどこでもキャンプ可能じゃないかと、個人的にはそう考えてしまうのだ。きちんと管理されたところでキャンプする、というのが世の中のスタンダードだろうとは思うけど・・・。

最後の2kmほどだけ、ダートになる。
風と木陰が・・・死ぬほど気持ちいい。本当にいい季節になったもんだ。
きちんと間伐された林道横の林も、実に気持ちがいい。

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第2駐車場と案内のあるところに、車三、四台分のスペースがある。
「第2駐車場」とあるが、第1駐車場があるわけではない(笑)。
ここより先は道が荒れていて、車で入るのは不可能。自転車の場合も、安定したこの場所に自転車を置いて歩いたほうが早い。
到着は11:15、自宅から二時間半ほど。写真を撮りつつのんびり走ったとは言え、思いのほか時間がかかった。距離にして26km。
日曜で作業の人もおらず、ここまでほとんど人気がなかったのだが、駐車スペースに富士山ナンバーの車が一台とまっていて、ビックリ。

木に自転車を縛りつけ、靴を替えて、11:40に歩き始めた。
500mほど行くと、登山口の標示がある。登山口の標高が1,129m、山頂まで760mのアップ。

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道は最初、沢沿いを行く。渡渉して右岸を歩いたり、左岸を歩いたりするのだけれど、ところどころ道が明瞭でない。が、テープの目印はそこそこあるので、迷うことはないと思う。
しばらく沢を詰めてから、右岸の尾根に取り付く。けっこうな急登だ。
木々は登山口の辺りがちょうど芽吹き始めたところで、そこから上はまだまだこれからといったところ。ところどころにツツジが可憐な花を咲かせている以外は、まだ殺風景である。

先行者はもうずいぶん前に入山したのだろうと勝手に思っていて、下山してくる先行者とすれ違うのではないかと思っていたのだが、一時間も登らないうちに、尾根の途中で追いついてしまった。人の気配のない山を期待していたので、上で声が聞こえ、まだ同じ方向に歩いていると知ってガッカリ・・・。
先行していたのは、年配者の夫婦?だった。軽く言葉を交わした程度だが、地元の人間もほとんど知らないようなこんなマイナーな山をどうして知り、登ろうと思ったのか・・・感心してしまった。

13:25登頂。
山頂には櫓が建っている。近づいて、上に唐突に櫓が見えたときは、なんでこんなものを作ってしまうのかとげんなりしたが、実は、この櫓は非常にありがたいものであった。
というのも、山頂に立ってもほとんど何も見えないのだ。位置的には、西も東も見晴らせる場所にいるのに、木が邪魔で何も見えない。
櫓は僅か3~4mほどの高さなのだが、その上に立つと意外や意外、まったく別の世界が目の前に広がる。
360°見晴らせるではないか・・・僅か3mほどのことなのに、実に不思議。なんだか手品みたいだ。

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こんな時間でもあるし、白く霞んでいて、特に西の伊那谷、中央アルプスの方面はスッキリ見えないが、こいつは澄んだ青空の下で見たら、なかなかのものに違いない。
南アルプスは真っ黒。今年は雪が少ないと思われる。
北から、塩見、荒川、赤石、聖が聳えている。このあたりは、南へ行くに従って雪の量が増える。一番黒いのは塩見だ。
さらに南も見える。しらびそ峠の建屋が見え、その後ろに光がドーンと鎮座している。光はデカイ。
いやーなかなかの眺めです。伊那谷と中央アルプスも、この方角から見るのはなかなか新鮮。
眼下の山間にポツリと見える集落は、千代になるだろうか・・・まるで平家の落人が住み着いたような、ここから見るとそんな風にも見える。
何時間眺めていても飽きそうにない。スッキリ晴れた日にもう一度登ってみたいものだ。
しらびそ峠のほうから、ハーレー系の爆音が響いてきたときにはげんなりしたけど・・・。

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南アルプス方面

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(左)赤石  (右)聖

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白く霞んだ伊那谷、中央アルプス方面

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(左)たぶん千代の集落  (右)しらびそ峠と、その後ろにドーンと鎮座する光

30分ほどで山頂をあとにし、同じ道を下る。少し下ったところで、先の二人組と出会った。
15:25に自転車のところまで下りてきた。
急登だから歩く距離は短く、標高差のわりに登下降に時間がかからない。

自転車の帰路も、行きと同じ道を辿る。違うのは、上りか下りか。
帰りは死ぬほど楽だ。一度上り返しがあるが、それ以外はまったく漕がずに竜東線まで下りられる。

帰りに明神淵に寄ってみた。
ここ、なかなかオススメのポイントです。見事な釜(滝壺)が見られます。
ここのものは、いわゆるポットホール(甌穴:おうけつ)であるらしい。流水の力で礫(つぶて)が回転し、川床の窪みを掘り込むことによってできたもので、滝壺の内部に、渦流により岩盤を削った丸い石=ドリルストーンが確認できるとか。ポットホールとしては国内でも最大級であるらしい。
もっと大きな釜は、ハッキリ言っていくらでもある。沢登りをやる人には別段珍しくもなんともなかろう。
が、通常そういったものは、山深くまで沢を遡行した先にしか見ることができない。普通の人は見ることができないわけで、これを手軽に見られるこういった場所は、貴重であると思う。
「手軽に」と書いたが、ここではちょっとしたアトラクションが楽しめます。側壁のへつりのアトラクション。
鎖が張られていて、それにつかまりながら壁に打ち込まれた鉄棒の上を歩く。なかなかスリリングでおもしろいですよ。
もっとも、落ちても別にたいしたことはなく、最初から川にジャブジャブ入ってしまえば、へつる必要もないのだけれど・・・。

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へつりのアトラクション

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明神淵のポットホール

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通常こういったものは、山深くまで沢を遡行した先にしか見ることができない

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それを手軽に見られるこういった場所は、貴重であると思う

30分ほど明神淵を楽しんで、17:50に自宅に帰りついた。
行動食が塩むすび三つだけでは、さすがに腹ペコ。
本日の自転車の総走行距離=51km。
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