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キガリ その1

2010/4/8 木
明朝、5:00を過ぎると続々と乗客が集まり出した。満席となって6:00に出発。
カハマまでのバスに比べるとシートが柔らかく、運ちゃんは突起の前でしっかり減速もしてくれるので実に快適だ。客の乗り降りをさせながらバスは順調に進み、10:30にルスモの国境に着く。当然ながらタンザニアの出国手続きは何事もなく瞬時に終了。これでルワンダの入国が拒否されたらどうなるんだろう?もうタンザニアは出国しちゃったし・・・。
タンザニア側の国境には両替え屋が何人もおり、タンザニア・シリングを全てルワンダ・フランに両替え。レートもそれほど悪くなかった。ルワンダ側の国境には両替え屋がいなかったので、もし行く人がいればタンザニア側で両替えしておいた方がいい。
国境の橋を歩いて渡る。茶色い泥の川はけっこうな水量に見える。橋の少し上流に滝があって、落差はないものの巨大な水量のため激流となっていてなかなかの迫力だ。
いよいよルワンダのイミグレへ・・・「ビザを取りたいのですが・・・」「はいよ、一人$60!」・・・拍子抜けするほどあっさりOKだった。少なくともルスモの国境では何の問題もなく$60でビザの取得が可能である。外務省の情報は一体何なのだろう?それにしてもビザ代$60は高いなぁ。しかも30日で申請して15日の滞在許可しかもらえなかったし。
大変なのはこの後だった・・・税関職員?がバスの全ての荷物の検査を始めた。見ていると、どうやら環境保全としてスーパーのレジ袋やその他のビニール袋を全て回収するらしい。地元の人が、買出しした大量の物資を持ち込むのでかなり大掛かりな作業になり、一体いつになったら出発できることやら、という感じだ。
一辺が1m以上ある巨大なダンボールを持ち込んでいるおばちゃんがいた。ルワンダで商売でもしているのか、ダンボールを開けると中から大量の木工品なんかが出てきた。検査はポレポレと行われ、途中で職員が木工品を包装していた広告を広げて見入ってしまう始末だ。
結局、国境で3時間以上足止めされ、出発できたのは13:30過ぎであった。
ルワンダに入ると、一見して緑が濃くなった。バナナの木だらけになり、目隠しをして連れて来られたらおそらくここがアフリカだとは思わないであろう。どこか東南アジアの国のようだ。ゴミも少ないように思える。
車が右側通行になった。右側通行は実に久し振りだ。アフリカのこれまでの国は全て左側通行だったし、アジアを見ても訪れた国で右側通行だったのは、カンボジア、ベトナム、ラオスくらいだ。これまで、何となく世界には右側通行の国の方が多いと思っていたが、実際は逆であろう。日本と同じ左側通行の国の方が圧倒的に多いというのが実感だ。単に自動車メーカーのある国に右側通行の国が多いというに過ぎない。
車が右側通行になっても日本車の(というかほとんどトヨタの)シェアは圧倒的で、ほとんど100%に近い。日本の中古車がそのまま入ってきていることもあり、右ハンドル車と左ハンドル車の比率は半々くらいか。
英語が通じなくなった。ルワンダの第一外国語はフランス語のようである。
17:30にキガリのバス・スタンドに到着。途中、窓から見ていてもゲスト・ハウスやホテルの類は全く目につかなかった。バス・スタンドは大量のハイエースでごった返している。何の情報もないし、自力で宿を見つけるのは困難だろうということでタクシーに乗ることにした。クタクタに疲れてもいたし・・・。5,000Rwfと運ちゃんは言うが、物価がよくわからないけどそりゃ直感で高過ぎる。3,000Rwfに値切って近くのゲスト・ハウスか安いホテルに連れて行ってもらう。
案内されたのはバス・スタンドから程近いURUREMBO GHというところ。雰囲気も人も悪くないので即決!シャワー、トイレ共同で一泊4,000Rwf。
宿がバス・スタンドから思いの外近かったので「2,000Rwfでどう?」と一応言ってみたが、さすがにダメだった。仕方ない、最初に3,000Rwfと言ってしまった手前3,000Rwf払った。
この宿、部屋はちょっと狭いが宿の人は皆親切で雰囲気もよく居心地は悪くない、と思ったのだが、水が自由に使えないのが唯一の難点だった。電源は使えるのに、ちょっとしたレストランも宿に併設されているのに、蛇口からもシャワーからも水がチョロチョロとしか出ない。しかも出ている間はまだよかった・・・夜遅くになったら完全に断水してしまった。
うぅぅむ、残念だが明日別の宿を探すか。

2010/4/9 金
疲れてぐっすり眠ってしまったために、朝のうちに別の宿を探すという芸当ができなくなってしまった。水は、外に大きなタンクがあり、頼んだらたらいに汲んでくれた。
宿の人に案内してもらった隣のおばちゃんの店でパンとチャイの朝食を食べる。パンが美味しい!タンザニアは何故かパンだけはまずかったので、これには感動した。これもフランスの影響だろうか?
朝食の後、外に出てみた。ルワンダでは主要な交通手段が歩きである。どの通りも歩いている人がいっぱいでなんだか嬉しくなってくる。ルワンダにはアフリカらしいアフリカがまだ残っているような気がする。周辺のスワヒリ語圏であるタンザニアやケニア、ウガンダはかなり観光に力を入れていて、主要な町は多かれ少なかれツーリスティックな一面がある。欧米人の好みそうなカフェやレストランがあり、ツアー会社があり、たくさんの土産物屋がある。ある意味旅しやすい反面、ツアーの勧誘や土産物売りが鬱陶しかったりする。
ルワンダには今のところそんなものは何もない。およそツーリストと関係しそうなものは何一つないのだ。カフェもレストランもツアー会社も土産物屋も・・・宿が見当たらないのだけがちょっと不便ではあるが、代わりに客引きや土産物売りと余計なやり取りをせずに済む。要するにまだまだ旅しづらい国であるのだが、それがために魅力的であるような気がする。
旅人など現金なもので、したがってルワンダのような国にはほとんど旅行者がいない。とことんツーリスティックでないというのは、実に心地のいいものである。
通りを歩く大勢の人に交じってまずはバス・スタンドに行ってみる。ルワンダを出る際の足を確認するためだ。これはすぐに解決、バス・スタンドには幾つかのバス会社の窓口があって国際バスも扱っている。その中にウガンダのカンパラ行きのバスがあった。運賃は一人7,000~8,000Rwfくらいだ。何社かあるので、良さそうなバス会社に目星をつけてバス・スタンドを後にする。
さて、「ルワンダ」と聞いて思い浮かべるのは何であろうか?やはりほんの16年ほど前にあったジェノサイドのことだろうか?それともゴリラのことであろうか?
「気は優しくて力持ち」のゴリラは自分の好きな動物で、ぜひとも野生のゴリラを見てみたいという衝動はあるのだが、かなりのお金がかかるという話なので当初から考えてはいなかった。野生のゴリラはコンゴとの国境の山中にいる。題名は忘れてしまったが、昔シガニー・ウェーバーが主演した映画があって、その映画は確かルワンダの山中でゴリラの生態研究に一生を捧げた女性研究者を描いたものだった。
ジェノサイドの方はまだまだつい最近の話で、自分の中に生々しい記憶として残っている。当時自分は既に学生であったから、自分にとっては例えばカンボジアのクメール・ルージュのことなどとはインパクトが違う。「ホテル・ルワンダ」や「ルワンダの涙」などこのときのジェノサイドを扱った映画があるので必見である。と言いながら、実は自分も「ホテル・ルワンダ」の方はまだ見たことがないのだが・・・日本に帰ったら絶対見よう。
道行く人、町の人は皆フレンドリーで、挨拶を交わしながら町の中心と思しき方へ何となく歩いていく。ちなみに、ルワンダでは自分らは完全に中国人と思われている。時々「ニーハオ」と言葉を掛けられる。「中国ではなく日本から来た」と言葉を返すのだが、英語が通じないのでダメである。子供に限れば、おそらく日本という国を知りさえしないだろう。これだけ国中に日本車が溢れているのにも関わらず・・・。そう考えると、中国の知名度というのは凄いものがある。チャイナ・パワー恐るべし、だ。
道で言葉を交わした青年に、ジェノサイド記念館がどこか聞いてみた。彼は拙い英語で(人のことは言えないが・・・)、向こうの丘の上の、あの赤い屋根の建物の辺りだと教えてくれた。このまままっすぐ坂を上って道路とぶつかったら左に行けばいい、と教えられた通りに歩く。しばらく歩くと丘の麓のT字路にぶつかり、左だとは思ったのだが一応近くにいたおばちゃんに聞いてみた。おばちゃんはそっちの方へ行くおっちゃんを呼び止めてくれ、道案内をするよう頼んでくれたようだ。おっちゃんの後をしばらく歩いていくと、あれがそうだと教えてくれた。道路には看板も何もなく、もし地図を持っていてもわからないかもしれない。
敷地への入口の門のところにアーミーがいて、ボディ・チェックを受けて敷地内に入る。レセプションに行くと、簡単にどこに何の展示があるのか教えてくれた。入場料は無料で、寄付だけである。レセプションから展示室に入るときに金属探知機による持ち物検査がある。
展示はパネルと映像によるもので、なかなか興味深い。フランス語で大きく説明が書いてあり、英語による説明は下の方に小さな文字で付記されている。2階の展示はルワンダ以外のジェノサイドに関するもので、第一次大戦中のアルメニア人虐殺、ナチのホロコースト、カンボジア、バルカン半島、と年代順に続く。カンボジアの場合は共産主義者による愚行でエスニック・クレンジング(民族浄化)とは意味合いが違うので、同列で語られることに個人的には違和感があった。大量虐殺ということに違いはないのだけれど・・・。
今のルワンダは治安もよく、のんびりしていて平和そのものだ。そう遠くない過去にここでジェノサイドがあったとはとても想像できない。でも、そんな平和的な隣人があるとき突然豹変しジェノサイドのような愚行を犯してしまうから人間という動物は恐ろしいのだ。何が引き金になるかわからない。
町中の時計塔を見ていて気付いたのだが、ルワンダとタンザニアの間には時差があるようだ。宿に戻って聞いてみたら、やはりルワンダだけタンザニアやウガンダ、ケニアと時間が異なるらしい。違和感を感じつつ腕時計を1時間戻した。

9apr2010 キガリの中心街を望む 9apr2010 バス・スタンドに続く道

9apr2010 ハイエースで溢れかえるバス・スタンド

2010/4/10 土
移動の疲れか風邪気味なのか、どうも一昨日あたりから体調が芳しくない。頭痛はするし、何となくだるくて疲れやすい気がする。よって、しばらく休養することにした。
今日は朝から曇っているので涼しく過ごしやすい。キガリも標高が1,400mくらいある。日中の陽射しは強烈だが、日陰に入ると涼しいし朝晩も涼しくて気候的には過ごしやすい町ではないかと思う。
キガリの物価などについて少々・・・パンとチャイの朝食が二人で400Rwf、昼食や夕食は腹いっぱい食べて二人で2,000Rwf程度。300mlのビンのコーラが300Rwf、これに対し1.5Lのペットボトル入りのミネラルウォーターが600Rwfもするから水は高価である。そう、ルワンダでは水が割合貴重なのだ。宿でも水が景気よく使えるわけではないし、道路わきの水場ではたくさんの人がポリタンクに水を汲んでいる。子供たちも大きなポリタンクを担いで運んでいる。宿で使っている水はおそらく雨水であろう。草木は青々と茂っているし、泥水だけど川もあるから、水源がないわけではなく単にインフラが整っていないだけの話だ。反面、電気は停電することもなく快適に使えるから不思議である。周辺国とはちょっと事情が違う。
食べ物は比較的豊かで美味しい。珍しくどこでも生野菜が食べられるのが嬉しい。米も美味しい。味が単調でどれも同じ味がするので毎日食べていると飽きてしまうが、まぁ食べ物の点では特に問題はなかろう。
今日は宿を移った。昨日下見をしておいた同じ通り沿いにあるZEBRA LODGEという宿で、シャワー、トイレ付きで一泊5,000Rwf。部屋は広く、明るく清潔でなかなか快適な宿だ。3階なので蚊もいないし、何より幾分ましに水を使えることが決定打である。
キガリは小高い丘の上に町の中心があり、今自分たちがいるのは丘の東側の麓、バス・スタンドの近くである。夜になると丘の方角は夜景がキレイである。意外と言ったら怒られるかもしれないが、まさかルワンダでキレイな夜景を見られるとは思ってもいなかったので何か得した気分だ。
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Comment 6

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おぎ  

体験談。。。

こんにちわ。。。。
バンクーバーに来てから、数えきれないほど「中国人」と間違われて、中国語で話しかけられることは、日常茶飯事です。。。
大きなチャイナタウンがあり、年配の中国人の人たちは、英語を話さない人がほとんどで、それがすごく困るんですよー。
なぜ、彼らは英語を話さないの?
カナダの公用語は、英語とフランス語なのに。。。。
話さなくてもいいから、英語を理解して欲しいなーと思ったり。。。
中国語で話しかけられ、しきりに「私は中国語はなしません」って、英語で言うんだけど、理解してもらえず、時々逆切れされる時もあり。。
中国人と間違われて、邪険に対応されることもしばしば。。
ご主人のおっしゃるとおり、彼らの日常の行いは、こちらでもあまり歓迎されていないようです。。。。悲しい。。。。
それにしても、アフリカは、広大!。。。
これからも、ブログ楽しみにしてます。。

2010/04/16 (Fri) 02:21

マユミ  

No title

おぎちゃん
英語の国に住んでいながら話さない中国人ってすごいなー。理解しあいたいと思わないってことかしらん。
私たちも相変らず中国人と思われてるのよね。すれ違いざまに「ニイハオ」と声を掛けられると「日本人です!」って訂正できないから困る。
ちなみに旅行中、カナダ人とたくさん会うよ。「世界一ヒマなカナダ人」と村上春樹がエッセイで書いていたけど本当?(笑)

2010/04/17 (Sat) 15:30

おぎ  

No title

アン、どうやら、こちらの中国の方たちは、中国語だけで生活が出来てしまうくらいコミュニティーがでかいから、英語分からないみたいよ。。。
でもさー、カナダにいるんだからさー、って思うのは自分勝手かしら。。
先週も、韓国人と日本人の友達とベンチで話してたら、突然、君はー韓国人でしょ、で、君は日本人、、うーん、あんたは。。。。微妙だなぁ。。。。っていうから、どう思う?って聞き返したら迷わず「中国人」って言われた。。。なんでー。友達たちは見事に正解なのにぃ。。。

ところで、カナダ人、暇なのかなぁ?
確かに、日本人に比べたら自由な時間がメチャある気がするよー。
だって、仕事は日本人ほど長い時間働かないし、夏休みとか1ヶ月とかあるでしょ???
村上春樹のエッセイ読んでみたいわー。。。
そういえば、ご主人のブログにも度々登場するのはカナダ人確立高いよねー。。。。

2010/04/20 (Tue) 09:06

マユミ  

No title

おぎちゃん
なるほど、そういうことで英語無しでもいられるのね。もったいないなぁ。
おぎちゃんはこの際、中国語を習ってしまえば?
村上春樹のエッセイは「遠い太鼓」だよ。私は小説よりエッセイのほうが好き。
カナダ人の夏休み1ヶ月・・・うらやましい!

2010/04/22 (Thu) 16:04

おぎ  

びっくり!

アン、聞いて!
おととい、近所のコンビニで、買い物してレジのお姉ちゃんと、少し話したんだ!
そしたら、「Are you Japanese?」って聞かれたの!
で、メチャ嬉しくて「あなたで3人目よ、日本人ですかって言ったの。。いつも中国人に間違われるから」って言ったら、「いやいや、日本人よー、あなた」みたいな会話になったんだ。。。
もう、天国よ!

2010/04/30 (Fri) 09:48

マユミ  

No title

おー、よかったね!わかる人にはわかるんだねぇ。しかし、たったの3人目?!
今、ここエチオピアでは、「チャイナ」と「ジャパニ」が半々くらいかなー。

2010/05/08 (Sat) 21:56

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