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中央アルプス縦走 南部編 3/4 越百山 ~ 安平路山・・・これぞ日本の山登り!

2014/10/19(日) 快晴のち曇り
越百小屋跡 5:45 ~ 南越百山(2,569m) 6:30 ~ 越百川源頭崩壊地 7:50 ~ 奥念丈岳(2,303m) 8:35 ~ 袴腰山(2,239m) 10:10 ~ 松川乗越 10:40 ~ 浦川山(2,259m) 11:50 ~ 安平路山(2,363m) 13:25 ~ 安平路避難小屋 14:10

昨夜は冷え込んだ。
風がなかったのはありがたかったけど、気温は低く、5:00の気温が-6℃。
湿気があってテントは真っ白。この不快さは久しぶり。

3:30に起き、いつもの手順でコーヒーを飲み、ラーメンを食べる。
明るくなった5:45に出発。まずは稜線までの登り返しのアルバイト。
途中で日が昇った。今日は昨日以上の快晴だ。

中小川沿いの道の分岐のところまで登り返し、そこから直接稜線上へ上がったが、ここは下に巻き道があるようで、そちらを辿るのが正解。
稜線上に出るとハイマツ帯で、突破するのに要らぬ苦労をした。
途中で諦めてハイマツ帯から脱出。巻き道へ下り、笹薮の中の踏み跡を辿って南越百まで。

道があるのは南越百まで。
その先は地図とコンパス頼りのヤブこぎとなる。
無雪期の中央アルプス縦走において、核心部となるのはまさしくここ。今回の自分らもまさにここを歩くために来た。
北アルプスや南アルプスを含め、主脈上で登山道が途切れているのは極めて珍しい。

南越百からの見晴らしはよい。快晴の今日は安平路山までスッキリ見晴らせる。
これから辿るべき尾根を地図と照らし合わせる。
それほど複雑な尾根ではないから、視界さえあれば特に問題はない。
が、ガスって視界のないときは、ここから先へ突っ込むのは考えたほうがよい。広い尾根だから、少なくとも自分は地図とコンパスだけで辿れる自信がない。

藪について最初に結論を言っておくと、(もしヤブこぎにグレードというものがあるならば)ヤブこぎのグレード自体は決して高くはない。
ほぼ自然にかえっているとはいえ、一昔前には道のあったところだし、藪自体がハイマツやシャクナゲなんかの潅木の藪ではなく、単なる笹薮であるからだ。
ヤブこぎをしていて、潅木の藪のようなまったく進めないという絶望感がない。それほど急な登り下りもないから、けっこう快適に笹薮を泳ぐことが可能だ。
たぶん、上越国境あたりのマイナーな沢の、猛烈な藪の詰めを経験したことのある人なら余裕です。

ただし、長い。けっこうな距離があるから、時間的な余裕を十分見ておく必要がある。
時間切れの場合は笹薮でビバークせねばならない。
平坦地は多くあるが、例外なく笹薮で、唯一、奥念丈岳の北にあるコルの崩壊地だけは快適にビバークできるかもしれない。

越百山~安平路山の間は基本的にエスケープルートがない。一度突っ込んだら、行くか戻るかの二者択一となる。
唯一、奥念丈岳から烏帽子岳のほうへエスケープできるのだが、ここも奥念丈~念丈の間はヤブこぎになる。
奥念丈からの出だしは道が明瞭であったが、先の状況は不明。いったん下ってからけっこうな登り返しとなる。

水は途中で一切補給不可。十分な量を持って入らないとマズイ。
ちなみに、この日は日差しが強烈で、(自分は水をたくさん飲むほうだと思いますが)安平路山までにほぼ2Lの水を飲みきってしまった。
夏に歩くのはかなり大変だと思う(そんな変人いないか・・・)。夏だとたぶん虫もウザイだろうし。

尾根上はずっと、基本的にシラビソの疎林で、場所によって背の低いハイマツやシャクナゲが少々生えている。
で、それらの木の間を笹が埋め尽くしているといった感じ。
笹の背丈は、多くの場合腰~胸くらいで、場所によって自分の背丈以上ある。
笹薮の中にけっこう倒木があるのが厄介です。藪で見えないから、気をつけないと脛のあたりを強打したり(死ぬほど痛い)、乗ってツルッと滑ったり、思わぬところで怪我をしかねない。

踏み跡は場所によってかなり明瞭。
なるべく踏み跡を辿ったほうが楽で早いのだけれど、無理に追う必要はない。へたに探したりするのは時間の無駄です。別に踏み跡を外してもたいした問題ではない。
自分でルーファイして進んでみて、もし合っていれば踏み跡や目印のテープが見つかる、といった程度でいいと思う。
それより重要なのは、尾根を外さないこと。これが唯一のコツと言えばコツ。尾根を忠実に辿る。
木が生えていて尾根通しに進めず、巻かねばならない場合も多々ありますが、巻いたら可及的速やかに尾根上に戻る。これが重要。

そうそう。今回持っていってよかったと思えたものがあったので記しておきます。
まず軍手。通常のグローブと別にヤブこぎ専用に持っていきました。
手を切る可能性があるので、なるべく素手はやめたほうがいいです。軍手なら引っ掛かろうが擦り切れようが気にならないので重宝します。
それからスパッツ。通常、無雪期の山にスパッツなど持っていかないんですけど、今回は重宝しました。
靴に藪のかすが入らないし、靴紐が藪に引っ掛かることもない。
自分らは持っていきませんでしたが、人によっては眼鏡の類があるといいかもしれません。時どき倒れた笹がこちらを向いていて、刺さりそうになりますから。
まさに笹薮を泳いでいる感覚になるので、水中眼鏡が一番いいかも(笑)。冗談ではなく半ば本気です。

地図とコンパスをまめに確認しながら笹薮を前進する。
奥念丈岳、袴腰山、松川乗越、浦川山、小茂吉沢ノ頭・・・と一つ一つ目標をクリアしていく。
広い尾根ですから、特にコンパスはまめに確認したほうがいいです。人間の感覚なんてまったくあてになりませんから。
特に注意すべきは下り。うまくコルに下りないと、登り返しに要らぬ苦労をさせられる破目になる。いや、苦労するだけで済めばまだいいけど、場合によって登り返すことができないなんてことにもなりかねない。
これはツアースキーなんかにも言えることですね。滑り降りるのはあっという間だけれど、登り返すのは死ぬほど辛い。まさに急がば回れ。
なんとなくで進んでしまうと、コルを外して木曽側に下りそうになっていたり、伊那谷側に下りそうになっていたりするので要注意です。

「常に地図で現在地を確認しろ」とは山岳会で口をすっぱくして教えられました。
曰く、「迷ってから地図を見ても遅い」
迷っているということは、つまりは現在地がわからないということだから、そんな状態で地図を見ても何もわからないわけです。
「迷ってから地図を見ても遅い」・・・まさにその通りです。

安平路山は(二百名山でもあるし)登りに来る人がそれなりにいると思うのだけれど、北側にはやはり明瞭な道はない。
最後の最後、山頂までヤブこぎが続きます。
ヤブこぎをしていたら突如山頂が現れた、という感じで、登頂の喜びも核心部を越えた達成感も特になく、あっけない幕切れとなった。
山頂は藪の中で展望はまったくなし。遠くから眺めて特に見映えのする山でもないし、なんでこれが二百名山になっているんだか、まったく不思議だ。

安平路山の南には明瞭な登山道がある。
時間的にはこのまま摺古木山の下まで下りてしまうことも可能だったが、せっかくなので安平路避難小屋に泊まることにした。
小屋は、安平路山を下りて白ビソ山との間のコルにある。水はちょっと手前で沢に下りてとることが可能。
ここはいわゆる避難小屋で、ただで泊まることのできるありがたいところです。

16:00を過ぎると、木曽側はすっかりガスってしまった・・・。

こういう達成感のある山行は実に久しぶりだった。
ヤブこぎなんて、わざわざ望んで苦労をしに行くようなものなんだけど、実にやりがいがあっておもしろい。
地図とコンパスを頼りに自然のままの山を歩くというのは実に痛快。
雪山というのは基本的にこれで、無雪期でも沢登りなんかは同じ感覚が得られるのだけれど、稜線歩きでこれを得ようと思ったらヤブこぎしかない。
登山道のあるところしか歩いたことがない人が一度経験したら、目から鱗だと思いますよ(もしくはトラウマとなってしまうかのどちらかだろうか・・・)。
いずれにしてもいきなり背伸びをすると遭難してしまうので、易しいところから徐々にステップアップしたほうがいいです。

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まずは稜線までの登り返しのアルバイト               途中で日が昇った

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昨日以上の快晴!                            越百の先の稜線上に出る(ここは下を巻くのが正解)

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南越百の山頂にて、これから辿る尾根をじっくり観察する

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いざ!                                    ヤブこぎの世界へ・・・

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南越百山から下ったところ                        ハイマツに乗って先の状況を見通す

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ルートに目星をつけたら突入!                    越百川源頭の崩壊地へ下る

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今日もいい天気だ(日差しが強烈)                  崩壊地のコルはルート上で唯一快適に幕営できるポイント

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見事に崩壊している・・・                         奥念丈岳山頂・・・念丈への道(の出だし)は明瞭だった

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基本は尾根を外さないこと                    ひたすら笹薮が続く・・・笹薮なんでそれほど大変なわけじゃない

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浦川山の登りを遠望する 遠目には快適そうに見えるけど・・・

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実際の登りはこんな感じ                     こちらは登りの前に松川乗越にて休憩中の図

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登り返し終了!(このあたりは比較的踏み跡が明瞭)    文字は消えてしまっているが、たぶん浦川山の山頂

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越百川源頭の崩壊地を振り返る・・・かなり規模が大きい

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前方、いよいよ安平路山                         最後の最後までヤブこぎ

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ヤブこぎをしていると突如山頂が現れる               快適な安平路避難小屋・・・戸を開けると土間があります
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