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剱岳 八ツ峰主稜(2003年GW)

残雪期の八ツ峰は、長次郎谷からⅠ,Ⅱ峰間ルンゼを詰め、Ⅰ,Ⅱのコルに出るのが最も容易で手っ取り早いアプローチとなる。
が、今回はあくまで冬の八ツ峰を見据え、その偵察も兼ねてⅢ稜を登ることにした・・・のだけれど、結果的には間違えてⅣ稜を登った。
Ⅲ稜ではなくⅣ稜を登ったというのは、山行を終えてから地図を見直していて気付いたこと。山行中は、二万五千図を見て「なんか違うよなぁ・・・」と思いつつ、半信半疑のまま登っていました。

「 '03春合宿: 剱岳・八ツ峰主稜 」

2003/5/1 ~ 5/4
メンバー: CL 長山、深谷、久保田、児玉、村田

2003/5/1 快晴
黒四トンネル出口 8:30 ~ 内蔵助平 11:45 ~ ハシゴ谷乗越 13:30 ~ 近藤岩 14:45

前日に太田を発ち、扇沢の駐車場にテントを張って寝た。
昨夜、扇沢に着いた時は風強く雪が舞っていたが、本日は快晴!
扇沢からトロリーバスで黒四ダムへ。

トンネルを出たところでアイゼン着用、雪の斜面を下って黒部川へ下りる。
丸太を渡り左岸へ。しばらく左岸を行くと、内蔵助谷が出合う。
そのまま内蔵助谷に入り、ところどころ高巻きしながら右岸を行くと、丸山東壁が見えてくる。明るい雰囲気で空が快晴でもあるためか、不思議とあまり大きく見えない。
丸山東壁を回り込んだところが内蔵助平。雪は例年より多いようである。

ハシゴ谷乗越へは一番左のゆるいルンゼ状を上がった。
13:30ハシゴ谷乗越。目の前に剱の岩壁がドーンと現れる。
「ふむふむ、Ⅲ稜はあれか・・・Ⅱ稜に、あっちがⅣ稜か」と目の前の岩稜を手元の二万五千図と照らし合わせて確認する。
たぶん、この時点の見立ては間違っていなかったと思う・・・。

雪面を真砂沢へ下り、右へ折れて南股沿いに進む。
スノーブリッジが崩壊しかけているところを飛び越えて左岸に渡り、近藤岩の前の平坦部に幕営。
他に人影はなし。依然として快晴だ。

2003/5/2 快晴
近藤岩 6:00 ~ 四稜基部 6:55 ~ ルンゼ頭(2,150m)8:20 ~ Ⅰ,Ⅱコル 15:25

朝から快晴!ちょっと驚いてしまうくらいの天気。
近藤岩を右から巻いて雪壁に取り付き、四稜基部の稜線上へ出る(この時は三稜と思い込んでいる、つまりこの時点で既に間違っていたわけだ・・・)。
後で気付いたことだが、我々は三稜の予定が、実は四稜を登っている。

トレースは全くなし。
四稜基部から左側を巻き、一度30mほど雪壁を下降。左側のルンゼに取付き、ルンゼを直上する。
ルンゼの頭から左側を巻いて稜線上へ上がった。

「なんか地形図と違うよなぁ・・・」とこのあたりでおぼろに思い始めた。
現在地を地形図上で特定できない。
が、とりあえず上へ上へ。どこを詰めても最終的には八ツ峰の主稜に出られるはずだ。

ここからハイマツ混じりのやせ尾根、ナイフリッジから雪壁、ハイマツ混じりの岩稜帯といやらしいところが続き、ところどころでザイルを出した。
その際のシステムは、長山さんリード、真ん中三人がユマールを使い、ラストがフォローで上がる。

二、三度あっただろうか、雪面の崩壊したところをザイルをつけて気合一発!ジャンプして飛び越えた。
くわばら、くわばら。

八ツ峰Ⅰ峰へは、広い雪面を左へトラバースして取付いた。各自ビーコンを装着し、間隔をあけて雪の斜面をトラバース。
ハイマツ混じりの岩稜を上がると、Ⅰ峰のピークに飛び出した。
Ⅰ,Ⅱのコルへ降り、整地して幕営。
前後とも他パーティーなし。

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Ⅰ,Ⅱのコルから顧みる八ツ峰Ⅰ峰

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この日はⅠ,Ⅱのコルに幕営                           日没後、テントから望む剱本峰

2003/5/3 快晴
Ⅰ,Ⅱコル 5:10 ~ Ⅲ峰 6:20 ~ Ⅳ峰 6:40 ~ Cフェース頭 8:30 ~ Ⅵ峰 8:55 ~ Ⅶ峰 9:20 ~ Ⅷ峰 9:40 ~ 剱頂上 12:00 ~ 剱沢 15:30

またまた朝から快晴!毎日毎日驚かされる。今日が八ツ峰のハイライトである。

Ⅰ,Ⅱのコルから雪面を上がりⅡ峰へ。
Ⅱ峰は懸垂せずに長次郎谷側へクライムダウンしたが、懸垂の方が早いと思われる。
Ⅲ峰は残置の支点を使い、稜線通しに20m懸垂。
Ⅳ峰は三ノ窓谷側へ25m懸垂。ここも残置の支点を利用した。

稜線はⅤ峰の先でスッパリ切れ落ちている。
Ⅴ峰の下降支点は左側のピナクルにあり、ここから40m×2回の懸垂で長次郎谷側へ降り、Ⅴ,Ⅵのコルまで少し登り返す。
ここで先行の二人パーティーが見えた。Ⅵ峰の雪壁でザイルを出していたが、我々は特に必要性を感じなかったのでノーザイルで登った。
ところどころ岩の露出した雪壁を右にトラバース気味に上がり、Cフェース頭の安定した平坦部を経てⅥ峰へ。

Ⅵ峰は残置支点を使って三ノ窓谷側へ20m懸垂。
ここでさらに先行する2、3パーティーに追いつき、Ⅵ,Ⅶ峰間のナイフリッジ上でパスさせてもらった。

Ⅶ峰は懸垂せずに雪壁を三ノ窓谷側へ30mほどクライムダウンし、そこからトラバース気味に右上して稜線上へ戻った。
雪壁は三ノ窓谷までスッパリ切れ落ちていて、露出感満点!緊張する。ここはザイルを出してもよかったのではないかと思う。滑落は致命的だ。

ナイフリッジを行き、Ⅷ峰を経て八ツ峰ノ頭へ。
八ツ峰ノ頭から池ノ谷乗越へ懸垂した。

池ノ谷乗越から先は冬も来ている。剱本峰まで快適な雪稜歩きだ。
本峰への最後の雪壁も、雪が腐っていて冬のような緊張感はなかった。

正午に剱本峰の頂上に立つ。
冬の小窓に続き、今回の八ツ峰も頂上は快晴だ。
頂上は、別山や早月尾根から来た人で賑わっていた。

カニのタテバイの鎖場を降り、前剱、一服剱を経て、剱山荘の脇を通って剱沢へ。
前剱の下りも雪が腐っていて、難なく前向きで下りられた。
剱沢にはスキーパーティーなど数十のテントがあった。

わざわざ下から担ぎ上げた酒で完登祝い。
自分は常識的な範囲で缶ビール二本だけにしておいたわけだけれど、他の人はというと、ザックから1パック(6本)の缶ビールが丸々出てきたり、ウイスキーが丸々一本分出てきたり・・・まったく、五月の八ツ峰をなめてるのか!(笑)
いずれにしても酒を担いで登ろうという気になるんだから、五月なら精神的にだいぶゆとりがあるのは間違いない。

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Ⅴ,ⅥのコルからⅥ峰への雪壁を登る(バックはⅤ峰)

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冬に続いて快晴の剱本峰頂上

2003/5/4 曇りのち晴れ
剱沢 6:05 ~ 別山 7:05 ~ 真砂岳 7:55 ~ 大汝山 9:00 ~ 雄山 9:15 ~ 黒四ダム 13:00

剱沢を発ち、別山へ向って雪面を登るが、皆二日酔いで足取りが重い・・・。

別山から雄山までの稜線は、ところどころ雪が風で飛ばされていて、雷鳥沢側には雪がない。
この時季、かなりの人が歩いている。一ノ越もスキーパーティーが多く、人でいっぱいだ。

一ノ越から東一ノ越まで雪面をトラバース気味に下りるが、途中夏道がなかなか見つからなかった。東一ノ越の近くになると、人はほとんどいなくなる。
東一ノ越からタンボ沢まで、広い雪面を尻セード交じりで下る。頭上にロープウェイが見える。
ロープウェイの黒部平駅からは樹林帯を下りた。
黒部湖岸の夏道まで下りてアイゼンを外し、湖岸の夏道を黒部ダムまで辿る。
黒部ダムは観光客でごった返していた。

冬と春連続の剱であったが、幸運にも今回も天候に恵まれ、充実した山行であった。
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