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はじめての無雪期八ヶ岳・・・1day縦走

たぶん、無雪期の八ヶ岳に来たのは初めてだと思う。少なくとも西面から入ったのは初めてのはず。

本当はこの日、易老渡から日帰りで光岳に行く予定だった。
が、林道赤石線のゲートは何時に閉まるのかなと調べてみると、これまで時間通行止だった林道が、現在ずっと手前の北又渡発電所付近から終日通行止だということがわかった(涙)。8月の台風により路肩が崩落したためだ。
(H26・8・18~H26・12月上旬:車両通行止、H26・12月上旬~H27・4月下旬:全面通行止、詳しくは飯田市のHP参照のこと)

登山口まで車で入ることはできないから、これだとどこに安心して車をとめられるのかわからない。
光は却下。
でもせっかくだからと、あれこれ代案を検討してみた結果、マユミから出た案が八ヶ岳の縦走。美濃戸から入山し、主脈を縦走してまた美濃戸に帰ってくるというもの。
個人的にはあまり気が乗らなかったのだけれど、他にこれといった場所も思いつかず、まいっか、ということで行くことにした次第。

最初は気が乗らなかったけど、相変らず人の多さにはビックリしたけれど、この縦走はなかなかよかった。久しぶりにテンションも上がった。
何がよかったのかというと・・・
八ツにはこれまで冬しか行ったことがなかったわけで、冬に登っているルートが果たして無雪期にはどんな感じになっているのか、そのあたりのことに興味があり、実際に見てみたらテンションが上がった。
それから山行のボリューム。
この日の行動時間は10時間ほどで、楽すぎず辛すぎず、ボリューム的にちょうどよかったし、コースも変化に富んでいておもしろかった。
そして何より天気。
この日はスッキリ晴れて、今年行った山の中では一番だった。
北は槍、穂高はもちろん、鹿島槍~白馬の山塊もハッキリ見えた。角度的に山脈の体をなしていないが、南アルプスも見える。今年としては珍しく、中央アルプスも全部見えていたし、先日噴火した御嶽山は僅かに噴煙を上げていた(亡くなられた方のご冥福をお祈りします)。
富士山も浅間も、西上州や秩父の山々も・・・まさに360度の眺めが堪能できた。
やはり天気がいいとそれだけでテンションが上がる。

八ヶ岳は、岩が火山岩で脆く軟らかいから(それ以前に、それほどすごい岩壁があるわけではないから)、バリエーションルートは冬以外ほとんど登られない。
よって、冬以外知らないという人も少なくないのではないかと想像する。少なくとも自分だけではないはず。
無雪期にはどんな風に見えるのか、写真もたくさん撮ってきたので、主にそのあたりを中心にレポートします。

日付: 2014/10/10 金
ルート: 美濃戸口6:00 ~ 美濃戸山荘6:50 ~ 赤岳鉱泉8:20 ~ 硫黄岳(2,760m)9:50/10:10 ~ 横岳(2,829m)10:55 ~ 赤岳(2,899m)12:00/12:20 ~ 阿弥陀岳(2,805m)13:10/13:50 ~ 御小屋尾根下山 ~ 美濃戸口16:00

4:00に自宅を出発。蓼科山の時と同様、杖突峠経由で茅野へ。
さらに美濃戸口まで車を走らせる。
毎度ながら、原村あたりの八ヶ岳の裾野の広さとなだらかさには驚かされる。
畑や牧草地がゆったりと広がっている・・・知らない人に写真を見せたら、たぶん北海道と言っても信用するだろう。

6:00に美濃戸口に着いた。
車はそのまま赤岳山荘のあたりまで入っていけるのだが(冬はいつもそこまで入っていた)、今回は御小屋尾根を下ってくるつもりなので、美濃戸口に車を置いてそこから歩く。
駐車場には既に何台も車がとまっていてビックリ。歩く準備をしている人もちらほら。
駐車場はどうやら有料らしい。一日500円。
昔からそうだったっけ?まったく記憶にございません・・・。それとも単に、冬は山荘が閉まっていただけだったのだろうか・・・。

申し訳ないが一言言わせていただこう。
これはかなりぼろい商売だ。
このあたりの土地なんて、もともとはただ同然だったに違いない。それを車をとめるだけで一日500円。
駐車場は三段くらいになっていてかなり広く、人気の山であるからして、実際かなりの利用者があるに違いない。これは儲かってしようがない。
まぁそれはいいとして、納得いかないのはトイレだ。一日500円もとりながら、トイレまで有料(100円)ってのはやりすぎだ。
意地でも使わねぇわ、そんなトイレ・・・。

八ヶ岳山荘に駐車料金を払い、柳川沿いの道を歩く。途中、下から上がってきた車に何台か抜かれた。
赤岳山荘のあたりにある上の駐車場に着いてビックリ。そこにはさらにたくさんの車が・・・。
平日にしてこれか。こりゃ土日や三連休なんてどうなっちゃうのだろう・・・。
ハッキリとは確認しなかったけれど、駐車料金は一日千円と書かれていたような気がする。

その先の美濃戸山荘のところから、道は二手に分かれる。
北沢沿いは赤岳鉱泉へ、南沢沿いは行者小屋へと続き、冬なら目的のルートによってどちらかにベースを張ることになる。
山で言えば、硫黄岳に登るなら北沢を、赤岳や阿弥陀岳に登るなら南沢を行くことになる。
どちらを行っても小屋の近くまで展望はなく、単なるアプローチと割り切る修行の道です。
特に、北沢沿いは途中まで車の入れる林道になっているから、輪をかけてつまらない。

今回はひとまず硫黄岳へ向うので、北沢沿いを。
これはあとで気付いたのだけれど、美濃戸から入山する人の多くは赤岳へ向かうようである。必然的に多くの人が南沢を行くことになるから、北沢のほうは比較的人が少ない。
たまたまだけれど、北沢を選択したのは大正解だった。硫黄岳まで、車の割りに人と会わなかった。
毎度ながら、人の少ない山=いい山。ルートがどうとか眺めがどうとか以前に、これが重要。天気の次に大切。誠に単純明快だ。

美濃戸口から2時間20分ほどで赤岳鉱泉。
予想外に、赤岳鉱泉にもほとんど人がいなかった。テントが二張りだけ。この時季は、泊まりも行者小屋のほうが多そうである。
赤岳鉱泉まで来ると、横岳西壁の大同心、小同心がよく見える。無雪期に見ると、かなりショボイ・・・。
美濃戸中山の向こうには阿弥陀岳の頭が見え、北西稜がよく目立つ。

赤岳鉱泉から硫黄岳に向うと、最初に横切る沢が大同心ルンゼ。続いて、大同心稜の先で横切るのが裏同心ルンゼ。三番目、ショボイなりに最も水量があるのがジョウゴ沢。
そうそう見る機会がなさそうなので、三つとも写真に撮っておきました。

ジョウゴ沢を渡った先から硫黄岳への登りになる。
振り返ると阿弥陀岳。顕著な北西稜が真正面に見える。
顕著ではあるけれど、スケールはやはり小さい。
八ヶ岳はまとめて一つの山なんだなぁと実感する。そうでないと、個々の山の隆起があまりに小さすぎる。
深田久弥は「八ヶ岳」としてまとめて百名山に選出したけれど、たぶんそれが正解なんだと思う。

木がなく禿げた赤岩ノ頭まで来ると、オーレン小屋からの道と合流して若干人が増える。
一気に視界が開け、北アルプスが見える。
やはり一番目立つのは槍。槍~穂高の山塊は一発で見分けがつく。
さらにずっと北へ目をやると、鹿島槍。これも目立つ。下部が雲に隠れているせいか、一見すると独立峰のように見える。キレットを挟んで白馬や五竜が連なっている。

赤岩ノ頭あたりから眺める硫黄岳はユニークだ。
人工物に見える。稜線上に巨大なケルン(これは人工物)が等間隔に並んでいるのだけれど、それも相まって人が造った城塞にしか見えない。

硫黄岳の山頂で夏沢峠からの道が合流すると、人が一段と増える。
が、山頂があまりに広いので、ここではあまり気にならない。

山頂からの眺めは最高だ。
中央アルプスも全部見えているし、僅かに噴煙を上げる御嶽山もくっきり見える。
間違いなく山で今年最高の天気!
天気がいいとテンションが上がるし、この眺めは何時間見えていても飽きまい。
硫黄岳の爆裂火口は見事だ。垂直に立ち上がっていて、一見(ちょっとだけ)ギアナ高地のように見える。
本沢温泉のあたりから眺めると、この部分が見えたと記憶している。

ときに、前から思っていたのだけれど、八ヶ岳というのは全体的に稜線の類がハッキリしない。
顕著なのは阿弥陀の北西稜くらいではなかろうか。北稜も、北西稜ほど顕著ではないけど見分けがつく。
酷いのは赤岳だ。どれがどれだかまったく区別がつかない。
「主稜」などといいながら、硫黄のあたりから見ると、どれだかまったく認識できない。ショルダーリッジなど言うに及ばず、地蔵尾根すら識別できないからビックリする。
大同心や小同心も、背景に溶け込んでしまってよくわからなくなる・・・。

硫黄から主稜線を縦走する人は案外少ない(好都合である)。
主稜線の景観は一種独特である。火山岩のためか、お鉢回りをしているような気分になる。
人の頭より大きな火山岩がゴロゴロしているのだけれど、これらが全部噴火で飛んできたのかと考えると恐ろしい・・・。

横岳の手前から岩っぽくなってくる。ところどころスッパリ切れ落ちていて、こりゃ時どき誤って落っこちる人がいるだろうなと想像する。
これでもかというくらい鎖や梯子やロープが設置されているのだけれど、これらがむしろあらぬほうへ人を導いたり、滑落を誘発したりしているのではないかと思わなくもない。
どうでもいいけど鎖がありすぎだろ、これ・・・ちょっと鬱陶しいほどに設置されている。

横岳を越えると南側の視界が開け、初めて富士山が見えた。
美しい・・・独立峰で、どこから見ても均整のとれた形をしている。これほど美しい山も他にない。

地蔵尾根(間近に見ても尾根の体を成していない)と合流すると、極端に人が増える。
ありんこのように人が赤岳に群がっている様が目に入ると、さすがにちょっとウンザリする。
山頂までずっと岩場、鎖場だから、否応なく渋滞する。
タイミングを見計らって団体をパスしつつ、ちょうど正午に赤岳に登頂。
相変らず晴れているが、時どき下から雲が上がってくるようになった。
見ていると、文三郎尾根を登下降する人は少ないようだ。地蔵尾根をピストンする人が多い。

赤岳からは、西に折れて阿弥陀岳へ向う。
阿弥陀は赤岳より100mほど低く、赤岳から見るとずいぶん下に見えるのだけれど、八ヶ岳の中で一番見映えがするのは阿弥陀ではないかと思う。スッキリしていて、個々の稜線も目立つ。

文三郎尾根が分岐するあたりまで来ると、赤岳の西壁を望めるようになる。おなじみの光景だ。
さすがにここから見れば主稜は識別できるが、やはりショボイ。あまりにショボすぎる。そりゃまぁこんなところを無雪期に登る人はいなかろう。
ショルダーリッジもなんとなくわかるが、あまり自信はない。そのくらい顕著じゃない。

阿弥陀と赤岳の間は尾根が広くなだらかで、気持ちのいい場所である。
ホシガラスが何羽か、時どき滑空しつつ気持ちよさそうに飛んでいた。

中岳を越えると、阿弥陀への登り。
離れて見るとずいぶん急に見え、一寸これが一般道なのかと思ってしまうが、取り付いてみるとなんてことはない(一般道なんだからそりゃまぁそうなんだけど・・・)。
けっこうな登り返しに見えるのだけれど、これまた取り付いてみるとたったの15分で山頂に着く。
人間の目なんてあてにならないものだ。つくづくそう思う。

山頂からは諏訪湖が見えた。山の上からはじめて見た気がする・・・ちょっと感動。
だいぶ雲が出て、中央アルプスと御嶽が雲の上に浮いている。富士山は雲に隠れ、南アルプスも雲から出たり隠れたり。北アルプスが見えているのが奇蹟だ。
西の方角にやたら目につくスキー場は富士見パノラマだろうか・・・?

阿弥陀の山頂はまた、赤岳西壁のいい展望台となっている。非常によく見渡せる。
ようやくショルダーリッジも浮かび上がるようになる。
ま、いずれにせよ主稜もシュルダーリッジも、かなりショボく見えるのは間違いない。
あとから登ってこられた方とお喋りをしたり、山頂でずいぶんのんびりしてしまった。

阿弥陀からは御小屋尾根を下る。
御小屋尾根を登下降する人はかなり稀であろう。ここからは貸切状態となり、八ツとは思えない静かな山を満喫できる。
最上部だけ急だが、そのほかはなだらかで登り返しもなく、実は下降に最適ではないかと思うのだけれど、まぁ歩く人は少ないでしょうね。

御小屋尾根はその昔、アイスで広河原沢左俣を詰めたとき、下山に使ったことがある。
尾根が急峻になる直前に一ヶ所だけ、木の生えていない禿げた場所があり、そこから尾根に上がったのを覚えている。
冬はそこだけ雪が飛ばされていて、無雪期の今と変わらないガレ場となっている(凍っているぶん、冬のほうが登りやすい)。

広河原沢左俣のときはけっこうくたびれてしまい、舟山十字路までの御小屋尾根の下りがずいぶん長く感じられたが、今回はあっという間だった。
非常に歩きやすい。尾根がなだらかだし、カラマツの落ち葉が積もっているのもソフトで脚に優しい。

御小屋山の分岐を美濃戸方面に行くと、一時間ほどで美濃戸口に着く。
最後は美濃戸の別荘地に下ろされ、迷子になりそうになる。道路脇に立つ標識だけが頼り。
バカみたいに巨大な別荘がズラリと並ぶ。美濃戸に限らず別荘地に建つ別荘って、どうしてこんなにデカイ必要があるんだろうってのが多いのだけれど、ここのはひときわデカイ気がする。
いったいどんだけ金があるんだ・・・。
こんな都会の団地と変わらないところに別荘を建てるのは自分だったらご免だが・・・誠に羨ましい限りだ。

16:00に美濃戸口に下山した。
明日から三連休ということもあるのだろうか、茅野まで行き会う車も他県ナンバーばかり。
八ヶ岳の裾野というのは相変らずの別世界、一種独特な雰囲気がある。

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無雪期の裏同心ルンゼ(バックは大同心と小同心)       そしてショボイなりに最も水量のあるジョウゴ沢

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僅かに噴煙を上げる御嶽山                     赤岩ノ頭まで来ると視界が開ける・・・硫黄岳は人が造った城塞にしか見えない

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北アルプス(槍~穂高のあたり)                   赤岳(中央)と阿弥陀岳(右) 大同心や小同心は顕著でない

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広い硫黄岳山頂(2,760m)                       硫黄岳の爆裂火口・・・ちょっとだけギアナ高地っぽい

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完全にお鉢回りをしているような気分                猿岩じゃなくて大同心ノ頭の後頭部

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南側の視界が開けると富士山が見える               大同心南稜

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横岳(2,829m)                      正面赤岳・・・だいぶ雲が上がってきた

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赤岳山頂(2,899m)                  阿弥陀へ向かう・・・八ヶ岳で一番見映えがするのは阿弥陀ではなかろうか

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ホシガラス・・・ようやく写真に撮れた                文三郎尾根の分岐付近から・・・なにがなんだかよくわからない赤岳西壁

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ここまで離れてなんとなく識別できる・・・まったく顕著じゃないけど北峰に突き上げる中央のリッジが主稜、右の「く」の字に曲がった比較的顕著なのは南峰リッジ

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大同心と小同心が小さな角のように突き出ている(下に行者小屋が見える)

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阿弥陀の登り                               阿弥陀山頂(2,805m)

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阿弥陀の山頂から・・・よーく目を凝らすと三本のリッジが見える(笑)
右から、「く」の字に曲がった南峰リッジ、その左、北峰に突き上げる主稜は段違いの二本のリッジになっている、さらに左、肩に突き上げるショルダーリッジは二俣になっている

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南峰リッジと主稜上半部のアップ

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こちらは顕著な御小屋尾根・・・尾根の左側が広河原沢左俣、真ん中に見える木のない禿げた場所から尾根に上がれる
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