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中央アルプス縦走 北部編

天気図を見るに、今がまさに梅雨ではないでしょうか???
当初言われていた通り、今年はやはり冷夏のようです。お盆休みはどこも散々だったのではないでしょうか。
それまでほとんど雨の降らなかったここ伊那谷でも、二つの台風のあと連日の雨。まさに梅雨真っ盛りといったところ。
そんなお盆休みに中央アルプスに入ったのですが、荒天のため途中からエスケープとなりました。

当初の予定は中央アルプスの北部縦走。木曽駒に上がって主稜線を南下、奥念丈岳から鳩打峠に下りるつもりでいました。
ニ、三泊の予定で入山したものの、結局一泊だけで檜尾岳からエスケープ。
ちなみに中央アルプスの北部というのは、木曽駒~越百山あたりのことを言います。中央アルプスの中でわりかしメジャーな区間です。
登山道があるのは南越百山まで。そこから南、安平路山までは藪こぎになります(安平路山から摺古木山までは道があります)。
藪こぎと言ってもシャクナゲなんかの灌木帯ではなく笹薮っぽいから、それほど困難な藪こぎではないと予想しますが、北部と南部ではずいぶん性格が異なります。無雪期縦走の核心部は南部でしょうね、明らかに。個人的にそそられるのも静かな南部のほう。
が、楽しみはあとにとっておくとして、ひとまず今回は北部を歩く。なにせ北部すら縦走したことがない。
北部にしても南部にしても、難しいのはアプローチ。どこから入山してどこに下りるか。
伊那谷に住んでいる自分らは、伊那谷側から入山して伊那谷側に下山する必要がある。

参考までに今回の計画を記しておくと、入山は伊那スキーリゾートから。ここが一番アプローチしやすい(駅から近い)。
飯田線で下島駅まで移動し、そこから歩く。
権現づるねを登って木曽駒に上がり、頂上山荘に幕営。中央アルプスの稜線上は、少なくとも無雪期は幕営禁止とされていて、ここがテントを張れる唯一の場所。
翌日、一気に越百山まで南下する。越百山と南越百山の間のコルから中小川に20分ほど下りると秘密の場所(ってほどのところでもないですけど・・・)があり、水がとれてテントも張れる。ただし厳密に言うと、ここも幕営禁止の範囲に含まれていると思うので、大手を振って幕営できるわけではありません・・・。
翌日稜線に登り返し、奥念丈岳まで藪こぎ。奥念丈岳で主稜線を外れ、念丈岳へ向う。ここは運がよければ踏み跡がある。
念丈岳の先は道があり、池ノ平山、烏帽子岳経由で鳩打峠に下りられます。池ノ平山の先は適度にテン場が得られる。
鳩打峠からは上片桐駅か、清流苑経由で伊那大島駅に出られる。ちなみに、清流苑~伊那大島駅の間は土日と祝日以外は松川町営のバスがあります。

そんな計画で入山したわけですが・・・実際は檜尾岳からエスケープ。
以下のような山行となりました。

日付: 2014/8/13(水) ~ 14(木)
ルート: 8/13 下島駅 ~ 伊那スキーリゾート ~ 権現山 ~ 板沢ノ頭 ~ 八丁立 ~ 西駒山荘 ~ 駒ヶ岳頂上山荘 ~ 木曽駒山頂ピストン
      8/14 駒ヶ岳頂上山荘 ~ 中岳 ~ 宝剣岳 ~ 檜尾岳 ~ 檜尾尾根 ~ 檜尾橋

【一日目(8/13 水)】
二つの台風のあと、急に天気予報が悪くなった。
しばらく前線が居座るらしい。この気圧配置、実は今が梅雨ではなかろうか・・・。
前日8/12の伊那谷は、一日ひどい雨だった。13日だけはどうにかなりそうだが、その後はまったく期待できない空模様。

3:00に起きておにぎりを作り、4:00過ぎに家を出る。
まずは伊那大島駅まで歩かねばならない。駅まで歩いてちょうど一時間ほど。
だいぶ日の出が遅くなった。5:00近くになってようやく明るくなる。
意外にも駅で寝ている登山者が二人いた。9:00のバスで塩見に行くのだろう。

飯田線の始発で下島駅まで移動。
駅がやたらとある飯田線の移動は、車の移動よりはるかに時間がかかる。
一時間ほどで下島駅に到着(6:30)。
駅から伊那スキーリゾートまでは2~3kmほど。農道を横切ると坂が急になる。

スキー場に近づいてみると・・・なにやらイベントをやっている。
下の駐車場で交通整理をしていた人に聞いてみると、よりによって韓国人や中国人の団体らしい。教会がどうたら言っていたから、統一教会だろうか。
う~ん、なんでこんなとこで・・・。
けっこうな人がいるのだけれど、聞こえてくるのはハングルだけ。
なんだかなぁ・・・見たところ、要するに単なる野外フェスか。そんなノリ。

ゲレンデトップまで急な坂道が続く。一応舗装はされているが、斜度があるうえ苔むしていてツルツル滑る。ここを上ってこられるのは一部の車種に限られそう。
水は、(こんなイベントをやっていなければ)たぶんスキー場の駐車場でもとれるし、その先の沢でもとれる。
ゲレンデトップに着いたのが7:50。その先に登山道の分岐がある(林道自体はそのまま先へ延びている)。

ようやく舗装路を離れ、ひと登りすると権現山(1,749m)、9:25。
天気が回復してきて伊那谷が見える。下から音楽がガンガン聞こえてくる・・・いやに響く。
シラビソの茂る単調な登りが続く。
五合目を過ぎると、いったん広くなだらかな尾根になる。地面が緑で覆われていて美しいところだ。

ときに、権現山から将棊頭(しょうぎかしら)山へと続くこの尾根を登ったり下りたりする人はほとんどいない。お盆のこの時期でも皆無。
静かな山歩きが楽しめます。
木曽駒に登る人の多くは千畳敷のロープウェイを利用する。
下から歩くなら木曽側か、伊那谷側なら一本南の北御所(地元の学校登山で利用される)もしくは一本北の桂小場からが多い。
静かな山に浸りたい人には、権現づるねから登ることをオススメします。

その先でいったん急登になり、七合目を過ぎるとようやく樹林帯を脱する。
急に視界が開け、疲れも吹っ飛ぶ。南に伊那前岳から宝剣、中岳、木曽駒が望める。
中央アルプスの最高峰は木曽駒(2,956m)ですが、実はこの山は伊那谷からは見えない。一つ西側に聳えている伊那前岳が大きすぎて、完全にその背後に隠れてしまう(だから木曽駒ヶ岳というのだろうか???)。
ちなみに、全国的には木曽駒ヶ岳ですが、伊那谷では西駒ヶ岳と呼ぶ。頑なにそう呼ぶ。西駒と言われても、一寸どこのことだかわからない・・・。
同様に、甲斐駒ヶ岳は東駒ヶ岳。確かに伊那谷から見れば甲斐駒は東に、木曽駒はその真西に見えるのですが。

気持ちのいい稜線歩きとなって足も軽やか。
これだよ、これ。この感じ。めちゃくちゃ気持ちいい~。なんだかとても久しぶり。
主稜線に出るところにある西駒山荘は目下リニューアル中。
水は本日のテン場となる頂上山荘でもとれるが、たぶん天水だろうから、西駒山荘のちょっと下にある湧水を汲んでおくことにする(めちゃくちゃ冷たい!)。
それぞれ荷物が4kgずつ増える。

主稜線に出て、木曽駒に向って南下。
東の方角に南アルプス。鋸から聖の先まで全部見えている。一つ一つの山が大きい南アルプスも、さすがにこの高さからだと山脈に見える。
おっ!塩見の北に富士山も見えているではないか。
西には、雲の上に御獄が頭をのぞかせている。デカイぞ、御獄!ぜひとも自転車アプローチで登りたい山だ。

馬ノ背あたりまで来ると、パラパラ人と会うようになる。
ひと登りしたところで頂上山荘が見えてくる。さすがにけっこうテントが張ってある。
15:00、頂上山荘に到着。
テントの受付を済ませて驚いた。せいぜい一張り1,000円くらいだろうと思っていたら、一人900円!二人で1,800円!
「トイレの使用料も含まれてますから」ってそりゃそうだろ・・・。
まだ新しいのか、トイレはビックリするくらいキレイです。
とてもおおらかなところで、テン場代を払った証のテントにつける札などはありません。完全に利用者の自己申告。ヨーロッパのようだ。

場所を定めてテントを張る。
ここのテン場、他の山とちょっと毛色が違います。家族連れとか、単にキャンプ目的で来ている人が多い。
下界のキャンプ場か、ここは。そんな雰囲気がある。
なんてったってロープウェイでピューッと来られてしまう。考えようによっては涼しくていいキャンプ場だ。

テントを張ってから木曽駒の山頂を空身で往復してきた。山頂まで10分ほど。
山頂からの眺めはなかなか素晴らしい。
だいぶ曇ってきたものの、まだ南アルプスが全部見えている。
宝剣のあまりの小ささに笑ってしまう。千畳敷から見るともう少し切り立って見えるのだけれど(やはりあまりに小さいけれど・・・)、木曽駒から見るとまったく存在感がない。
テン場に張られているテントは、それでも30~40張りくらいか。このくらいならまだかわいいものだ。

テン場に戻って、あとはひたすらテントでまったり。
17:00を過ぎた頃から時どき雨が降るようになった。
暗くなってからは、幸いほとんど雨は降らなかったが、風はけっこう吹いた。一晩中吹き荒れた。
夜遅くまでうるさいテントが周りにいくつか。キャンプ目的で来ているからねぇ・・・。
天気が悪く外で飲み食いできないだろうから、それがせめてもの救いだった。

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権現づるね・・・静かな山歩きが楽しめる               ようやく樹林帯を脱する(標高2,600mくらいある)

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これだよ、これ この感じ めちゃくちゃ気持ちいい~       南アルプスが全部見えている(さすがに山脈に見える)

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その奥に富士山                            木曽駒からの眺め・・・正面に宝剣

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・・・あまりの小ささに笑ってしまう                  木曽駒山頂

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テントで寝るの、旅から帰って以来です・・・

【二日目(8/14 木)】
疲れすぎたのか、よく眠れなかった。
3:00に起きてコーヒーを飲み、ラーメンを食べる。
周りのテントに動き出す気配がまったくないのがさすが。
天気は悪い。ガスって何も見えない上、風も強い。
夜のあいだ雨がほとんど降らなかったのがせめてもの救い。

びしょ濡れのテントを撤収し、5:05に出発。
まずは中岳(2,925m)へひと登り。何も見えない。
ちょっと下ってそのまま南へ歩くと宝剣山荘。どのくらいの人が泊まっているのだろう?すぐ手前に並ぶ天狗荘ともども、ほとんど人気が感じられない。木曽駒周辺は山小屋がありすぎ???

小屋の脇をスルーして宝剣に取り付く。まだ雨は本格的に降っていない。
あくまで一般道ですからどこでも登れるわけですけど、濡れたり風があったりするとけっこういやらしい。というか、場所によってスパッと切れ落ちているから注意が必要。万一落ちたら確かに助からないかも。
重荷を背負っているときは風に煽られたり、荷物を岩角にちょっとぶつけたり引っ掛けたり、思わぬところで足もとをすくわれかねないので特に注意が必要。
こういう落ちるとダメージの大きいところは慎重に。コンディションの悪いときはザイルがあると安心ですね。
ちなみに、逐一鎖が設置されていますが(しかも真新しくしっかりメンテされている)、鎖というのは登りやすいところではなく、岩が安定していて設置しやすいところに設置されるものなので要注意です。
登りやすいラインと鎖の設置された場所は必ずしも一致していません。
濡れると鎖が滑るし、鎖の設置されたところは案外登りにくかったりするので気をつけましょう。ザイルを出さずとも鎖でセルフビレイをとるだけで、ずいぶん安全が確保されます。
・・・などと言いつつ何もしてないですけど。

5:40宝剣山頂。
もうしばらく危険箇所が続く。
6:10三ノ沢岳への分岐。ここまで来ればひとまず危険箇所は脱したことになる。
ちょうど?雨が激しくなってきた。木曽側は風もすごい。
早くも靴の中もパンツもびしょ濡れ。

岩っぽい主稜線をひたすら南下。
ちょっとでも木曽側に出ると暴風雨。
真っ白で、もちろん展望などまったくない。
晴れていれば爽快な眺めだろうに・・・こんな日に歩いてしまうのがもったいない。
こんな中、越百山まで行くのは無理だろうな・・・お互いまだ言葉にはしないが、うすうすそう感じ始める。
越百山まで行くのが無理というより、こんな風雨の中で幕営するのがいやだ。風は稜線を伊那谷側へ外れれば避けられるだろうけど。

7:10濁沢大峰。
こんなコンディションの稜線上ではのんびり休むこともできない。
どうにか岩陰で休もうと試みるが、風は多少防げても雨は避けようがなく不快なだけ。止まらず歩いているほうがまだマシ。
体もかなり疲れている。さて、どうしたものかな・・・。
こんな中でも逆方向から来た二人とすれ違った。
軽装だから小屋泊まりだろうけど(昨日は木曽殿山荘あたりかな?)、こんな風雨の中を歩くのは不快には違いない。

8:40檜尾岳(2,727m)。
休憩と同時に考えどころ。伊那谷側に10分ほど下れば避難小屋がある。そしてそのまま檜尾尾根を下れば駒ヶ根に下りられる。
ひとまず避難小屋に行って考えることにした。
無人の小屋で、空木平ほどではないがやはりキレイな避難小屋だ。トイレもある。水は、天水でよければその場でとれるし、小屋からちょっと下れば水場もある。泊まる場合は協力金1,000円也。

さて、これからどうしたものか・・・。
天気は明日からもしばらく悪い予報。
今日のうちに越百山まで行くことは可能だろう。が、明日もこんな天気と考えると、幕営するのが甚だ不快だし、何よりこの視界で翌日奥念丈岳まで藪こぎするのは無理だろう。
予定通り越百山まで行って一泊、翌日そのまま中小川沿いにシオジ平に下りるか。ただ、ここは渡渉ポイントが何箇所かあり、この雨だと増水していてたぶん渡渉できないだろう・・・。
外は相変らずの雨。小屋の中で寛いでいると、このまま泊まってしまおうかという誘惑に駆られる。
ただ、時間はまだ9:00だ。
空木岳まで行って、空木岳から下りることも可能。でも、結局その場合は檜尾尾根を下りた場合と変わらない場所に下りることになる。
ちょっと休んでこのまま今日のうちに檜尾尾根を下りよう。なんとなくそんな結論に達した。

しばらく小屋の中で休んでいると、一人の登山者がやって来た。
檜尾小屋に、しかもこんな天気の日にまさか人が来るとは思わなかったから、少々驚いた。
京都からの登山者で、朝一のロープウェイで千畳敷に上がってここまで来たらしい。そうだよな、まさかこんな日に檜尾尾根を登ってくる人はいないよな・・・。
おもしろい人だったので、小屋の中で暫し歓談。山の話であれこれ盛り上がった。

10:05に小屋をあとにして檜尾尾根を下る。
この尾根は急だった(特に上部)。おまけにグチャグチャだし、場所によってツルツルよく滑る。
次回続きを縦走するときはこの尾根を登ることになると思うのだけれど、この尾根は登りたくないなぁ・・・。
まったく予想だにしなかったのだが、途中で二組と出会った。一寸まさかと思ったけど、やはり登ってきたのではなく下っている人たちだった。

けっこうヘロヘロになって檜尾橋まで下ってきたのは13:10。
さらに駒ヶ根駅まで歩く覚悟だったのだけれど、バス停でバスの時間を確認すると、30分に一本の割合で頻発している。
さすが全国区の観光地である千畳敷!駅までバスで行くことに即決。
バスはロープウェイの駅であるしらび平と駒ヶ根駅の間を往復している。バス代はかなり割高(檜尾橋~駒ヶ根駅が660円)。
ちなみに、黒川平より上部は一般車通行禁止です。

飯田線で伊那田島駅まで移動。
駅から自宅までの最後の歩き(やはり一時間ほど)は拷問のようだった。

山から下りてから17日までずっと雨だった。山は雲に覆われたまま、まったく見えず。
14日に下りてきたのは正解だった。
秋になったら続きを歩くつもりです。

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翌朝                                    真っ白・・・

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宝剣の登り                       濡れるとちょっといやらしい

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宝剣山頂                                  もうしばらく岩場が続く

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濁沢大峰(すでに全身びしょ濡れ)                   檜尾山頂(すでに気分はエスケープ)

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檜尾避難小屋                               中はこんな感じ

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檜尾尾根は急だった・・・                       中アも南アも屋久島と比べてなんら遜色はない、と思う

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もちろん屋久杉ほどの巨木はないですが・・・            今日もいたヒキガエル(大物)
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