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塩見岳(3,052m)でアプローチについて考える

日付: 2014/8/4 月
ルート: 鳥倉口 ~ 三伏峠 ~ 三伏山 ~ 本谷山 ~ 山頂ピストン

伊那谷は雨の降らない日が続いております。
台風12号が九州の西を北上してからというものスッキリしない天気が続いておりますが、それでも雨は降らない。降ってもパラッと5分くらい、という感じです。
いつものことですが、もう何日まともに雨が降っていないのだろう。そもそも梅雨の時季からしてほとんど雨が降らなかった・・・。
と言っても、晴れているのは伊那谷だけ。山はおそらく連日雨ではないでしょうか。
中央アルプスも南アルプスも、もう何日もまともに姿を見せておりません・・・。

塩見に登った昨日もそんな天気でした。晴れているのは伊那谷だけ。
本当は、自転車でアプローチして翌日に登るつもりだったのですが、都合により車でアプローチして日帰りとなりました。

3:00起床。珍しく霧雨が舞っている。
予報からしても天気はまったく期待できない。
おにぎりなどをこしらえて、4:15に自宅を出発。日の出がだいぶ遅くなった。

鳥倉のゲートまで、自宅から車で一時間ほど。
大鹿村の大河原から、鳥倉林道を上る、上る・・・。広くはないですがキレイな林道です。
1,600mほどのところにゲートがあり、そこまで車で入れます。
現在、塩川口の手前は土砂崩れの復旧工事をしていて(もう何年もやっているようですが)、塩川口からは入山できないようになっているのですが、塩川口から入れた頃から、既にメインの入山口は鳥倉口になっていました(少なくとも2007年頃には塩川口のバスは廃止されていた)。

1,600mまで上がれるのだから、車を使うとだいぶ楽をさせてもらえる。
バスを使えば、ゲートのさらに先にある登山口まで入れるのでさらに楽ができてしまう・・・。
ちなみに、バスは7月、8月の期間運行で、一日に9:00と14:00(だったか)の二本だけです。伊那大島駅との間を往復しているもよう。

毎度思うのですが・・・ここまで車で入れる必要がはたしてあるのだろうか???
もっと下のほうから山に取りついて然るべきなのではなかろうか。
自転車でアプローチする場合を考えると、例に漏れずここも登山口までのアプローチが核心であろう。

ここでちょっとアプローチについて考えてみる。
夏山というか無雪期の山に一般道から登るという場合、たいへんなのは(労力を要するのは)実はアプローチなのではなかろうか。
自転車以外に、たぶん公共機関を使ってアプローチする場合も同様だと思う。バスの時間を調べたり、それ以前にそもそもどうやってアプローチできるのか調べたり、調べた時間に合わせて現地まで移動したり、予想外にお金がかかったり・・・なにかとたいへんなもんです。
これが海外の山になるともう想像を絶する難作業で(もちろんお金に糸目をつけなければなんとでもなるのでしょうが)、入山口までアプローチできれば半分成功したも同然、そんな気分にさせられます。先進国ならまだしも、それ以外の国だとなおさらです。

日本の場合、へたに上部まで(山奥まで)道路が延びているのがアプローチを困難にしている要因の一つではないでしょうかね。
道路があれば、できるだけ上まで(奥まで)車で入りたくなるのが人の心理ってもの。
そんなの気にせず下から歩けばいいのでしょうけど、他の人がバスや車でスイスイ行き過ぎるところを歩くってのはなかなか癪なもんです。
道路ってのは勾配を考えて妙にくねくねと大回りして通されるものですし、舗装路を歩くのも妙に疲れる、というかだるい。
やはり入山口をもっと下にすべきだ。
そうすれば登山自体はもっと時間がかかるようになるけれど、アプローチはグッと楽になる。
登山時間が長くなって文句を言う人はそういないのではないか。なぜなら登山自体が目的なのだから。
登山をする人にとって入山口から先、つまり山に入って以降はお楽しみタイムなわけです。対してアプローチってのはあくまでオマケ、言ってみれば余計な行程です。
どこか集落の生活道路から入山できる、というのが理想。個人的にはそう思う。

さて、鳥倉のゲートに着いて驚いた。
けっこうな数の車がとまっていたからだ。
ゲートの手前に20台ほどの駐車スペースがある。平日の今日はちらほら空きスペースがあるが、それでも八割がたは埋まっている。
この土日はすごいことになっていたのであろう。入りきれなかった車が数台、路上に駐車されている。ちなみに付近は路上駐車禁止で、そうデカデカと標示されている。
駐車された車のナンバーを見るとさらにビックリ。北海道から九州、四国まで、日本全国から来ている。
やはり南アルプスというのは別格であるようだ。ここは完全に全国区ですね・・・。
ここまで来て日帰りで入山する人は稀で、ほとんどの人が一、二泊の予定で入山しているものと思われる。

駐車場にはキレイな水洗トイレがあり、外には流し台まであって水もとれます。
靴を履き替えて5:40に駐車場を出発。ゲートを越えて舗装された林道を30分ほど歩く。
雨は降っていないが、山の中腹から上はスッポリ雲の中。

登山口のあるところは広場のようになっていて、バス停がある。ここにも仮設トイレがあります。
バスが回れるように広いスペースをとってあり、格好のテン場である。
バスは7月、8月の期間運行で、しかも一日二本だけだから、その時間を外せば車が入ってくることはまずない。
ちなみに、自転車はゲートの脇から入れます。

塩見に登るのは12年半ぶりになるだろうか。
雪のない時季に登るのは初めてだし、鳥倉口を使うのも初めて。
6:15入山。先行が5パーティーほど。三伏峠までにすべてパス。
途中からすっかりガスに包まれる。

塩川口への分岐(現在立入禁止になっている)を分け、8:15三伏峠。
三伏峠は標高が2,600mあり、日本一高い峠とされている。
「峠」というのは読んで字のごとく、地形的にはコル(鞍部)のようなところを言うのだと思うが、何らか人の往来があったところだけそう呼ぶのでしょうかね。
地形だけを見るなら、もっと高いところは他にいくらでもあると思うから。

小屋はこんなだったっけ。雪の有無で様子もまったく変わるし、まったく記憶にございません。
小屋からちょっと行くと分岐がある。ここは南アルプスの主稜線上(と言っても南アルプスの場合、まったく稜線上っぽくないけれど)。南へ行けば赤石、聖、北へ行けば塩見から長大な仙塩尾根へと続く。

今回は北へ。
さらにちょっと登ると三伏山。本来は360度、絶景が広がっているはずが、ガスって何も見えない・・・。
三伏山によらず、晴れていれば塩見までの稜線歩きは眺めのよいところだ。南アルプスの峰々に富士山、そして何より壁のような中央アルプスの眺めが素晴らしい(はず)。
中央アルプスというのは眺める分には素晴らしい山で、南アルプスと対照的に一つ一つの山がハッキリしていないから、かたまって一つの壁のように見える。雪が着くと特に迫力があり、その昔見たモルゲンロートに輝く中央アルプスの雄姿をよく覚えている。

朝のうちは回復傾向に見えた天気も気のせいで、だんだん悪化してきた。
最初のうちは霧雨が風に流されて叩きつけてくるだけだったが、気付くと本格的な雨になっている。
風と雨、ガスって何も見えない稜線上。晴れていれば気持ちのいい稜線歩きも、こうなるとただの修行だ。
それでも登っている人がけっこういる。多くは三伏小屋か塩見小屋に泊まって山頂をピストンする人たち。
こんな天気でもせっかく来たのだから登りたい、そう思うのが人の心理。
でも、(天気のせいもあって)中にはもうヘロヘロになってしまっている人もいる。見るからに危ない状態だ。
勇気ある撤退とはよく言ったものだ。こういう場合、撤退という勇気ある選択も考えたほうがいいのだと思う。
(が、それは本当に勇気を要する選択で、その場に立ってみるとなかなかそんな選択はできない、ということも個人的にはよくわかります。)

塩見は、遠望するとピラミダルで見映えのする山である(よく目立つ)。
そのピラミダルな部分は岩場。
山によってはいかにも鎖やハシゴが設けられていそうな感じのところであるが、ここはペイント以外何もなく、好感が持てる。
そしてあまりに微妙すぎて遠望からはよくわからないが、実は双耳峰である。西峰が3,047m、東峰のほうがちょっと高く3,052m。

余談ですが、西峰の標柱にはなぜかハングルの表記がある。
まったく意味がわからない・・・。
九州など、場所によっては道路標識などにもハングルが併記されているのだけれど、まったく意味がわからない。
韓国、北朝鮮の人にしか読めないハングルを併記することにどれほどの意味があるんだ?英語表記だけではなぜダメなんだろう?
わざわざお金をかけてやる意味がまったくわからない。
ちなみに、韓国で日本語表記なんてまったくされてませんけど・・・。

11:20に登頂。せっかくだから東峰にも。
何も見えなきゃ山頂は狭くて風当たり抜群の不快な場所でしかない。
写真だけ撮って即下山。
雨が強くなり、すっかりびしょ濡れになった。こんなに濡れたのっていつ以来だろう・・・。
塩見小屋のあたりまで下るとハイマツにとどめを刺される。それまであまり濡れてなかった下半身もびしょ濡れ。靴の中には水が溜まる。
久しぶりの不快さだ。
ま、装備も悪いんだけど・・・。
古いゴアのカッパは雨に対して防水効果ゼロだし、下は面倒でそんなカッパすらはいてない。スパッツなどもちろん持っていないし、靴もなんちゃってトレッキングシューズ。日帰りだから、ザックの中身もビニール袋に入れていない。
自業自得な部分もある。

14:00に三伏峠に下りてきた。ここから先は樹林帯だ。
午後になっても下から登ってくる人とずいぶんすれ違った。塩見小屋まで登るのだと思う。塩見、恐るべし。百名山、恐るべし。
さらに、三伏峠から登山口へ下る途中にもずいぶんたくさんの人とすれ違った。どうやら14:00のバスで登山口に着いた人たちらしい。今日は三伏小屋に泊まるのだろう。
この人数・・・バスはほとんど満席なのではあるまいか。
本当に恐ろしい。夏の塩見には近づけないな・・・。

ところで、そんな全国区の人気の山ですが、どうにもそんな気がしない。
以前は、「南アルプスに来ている」「遠くまで来たもんだ」と感慨深いものがあったのですが、長野に引っ越してきてから「自宅の裏山に登っている」くらいの感覚しかない。
ワクワクするような、気持ちが昂るような、そんな感覚がまったく湧かず、どうにも複雑な気分。なんだか残念です。

15:25登山口、15:55駐車場。
登山口から登り5時間、下り4時間。往復9時間。ゲートから歩くなら、プラス往復1時間。
自転車でアプローチするなら、やはりアプローチは前日。完全に1dayでこなすのは無理だな。少なくとも自分には無理そうだ。
ちなみにエアリアマップのコースタイムだと、登山口から山頂往復が13時間半~14時間です。

山ではこんなに雨が降ったのに、伊那谷では今日もほとんど雨が降ってない。
毎度雲が谷まで届かないのです。特に天竜川の左岸(南アルプス側)は・・・。

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鳥倉の登山口(バス停がある)                    下部は気持ちのいい苔むした樹林帯

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三伏峠を訪れたのは七年ちょっとぶり                何も見えない稜線歩き

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マユミの撮った花の写真でも載せておこう             相変わらず名前も知らないのですが・・・

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もはやただの修行です                         西峰と・・・

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そこより5mだけ高い東峰                       オマケ・・・若かりしころ@一月のたぶん東峰
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