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河西回廊 その10 冬将軍到来

2012/11/9 金
始:9:30 ~ 終:17:30 走行:100km
~ 山丹県 ~ 豊城堡 ~ 馬菅(永昌の手前20km)

北西の風、くもり。8:00の気温-5℃。11:00頃から雪。
やはり天気が崩れた。早朝はまだ風も弱く、薄っすらと青空も見えていたが、西の空は雪雲に覆われて真っ暗。おそらく西の方ではもう雪が降っている。
東の空も暗く、いつ雪が降り出してもおかしくない空模様である。

G312を12kmほど走ると山丹。
この先高速に吸収されるだろうし、雪が今にも降りだしそう。超市で早々に買い出しを済ませ、水も6Lほど分けてもらった。
そこから10kmほどのところに山丹東ICがあり、道はここで高速に吸収される。
インターの入口に自転車進入禁止の標識がない。やはりここがルート。どうやら普通に走れるらしい。
料金所の兄ちゃんも笑顔で手を振ってくれた。大手を振って高速を走れる。公安のパトカーも何事もなく横を通り過ぎてゆく。

高速に乗る手前、11:00頃から雪が舞い始めた。
風は北西から。南東へ向かう自分らには完全な追い風となる。
止まっているとめっぽう寒いが、追い風のため走っていると風がまったく気にならない。しかも後ろから押してくれるのだからありがたい。

ちょっと走ると、右手に長城が並走している。右手に見えるということは、今いるところは長城の外ということだ。
さらに走ると高速が長城を突っ切り(そのため長城の一部が崩されている)、長城が左手にくる。中華王朝の領土に入った。

どこまでもずーーーっと、地平線の彼方まで続く長城。行く手に山があれば、それも越えて延びている。
なんちゅースケール。気が遠くなりそうなスケールだ。写真じゃまったくお伝えできない・・・。
ダンプも重機もなかった時代に、なんちゅースケールのものを造ったのだろう。
まったく時代が異なるけど、こいつはもうエジプトのピラミッドどころの騒ぎじゃない。20世紀最大の土木工事と言われるパナマ運河ですらまったく比較にならない。
間違いなく人類史上最大の土木工事ではあるまいか。
もっと本腰を入れて保存に努めたほうがいいのでは・・・。

長城を最初に築いたのは秦の始皇帝。
その後幾度となく王朝が代われど、(あるときは漢族の王朝であったし、またあるときは漢族から見れば異民族の王朝であったわけだが)長城は綿々と補完、拡張され続けた。
長城が本来の機能を果たしていた時代、これを見た北方の遊牧民たちはどう思ったことだろう。
さぞ驚いただろうか?恐れただろうか?あっけにとられただろうか?
アホなことするなぁ・・・信じられんことするなぁ・・・本当のところは案外こんなところだったかもしれない。
発想はいたって単純である。外敵から守るために城壁を築く・・・そんな城や町なら世界中にいくらでもある。が、国の境界、しかもこれだけ広大な国の境界に壁を築いてしまおうなんてことは、おそらく支那人以外に考えつかない。いや、考えはしても普通はやらないと思う。
あまりに力業、あまりの人海戦術。
この支那の伝統は、今でも中国人の中に綿々と受け継がれていそうである。

壮大な(見た目はただの土の壁だが)長城を横目に見ながら悠久の歴史に思いを馳せ、そんなことをあれこれ考えた。
長城を端から端まで歩いた人ってのは過去にいるのだろうか?
自転車では無理だが、徒歩でなら踏破するのは可能だ。水や食料の補給が絶望的に困難であろうが、やってやれないことはないような気がする。おもしろい試みだと思うのだが、過去に挑戦した人はいるのだろうか?

緩い上りが延々と続いている。このクソ寒い中、さらに標高をあげるのかよ・・・。
標高が上がったせいもあり、15:00頃になると雪が激しくなった。めちゃくちゃ寒い。
路側帯には薄っすらと雪が積もりだし、11月初旬にして早くも雪上走行。そのうち車道にも雪が積もりはじめ、ほとんどの車が徐行している。
意外にも人民の車の運転はソフトである、というかスタッドレスタイヤなんてものはもちろん存在しないから、そりゃそういうことになるのだろうけど・・・。

進まないけど上りはまだよかった。
40kmほど上っただろうか、道が下りに変わった。死ぬほど寒い。
緩い下りで、雪さえなければ快調に下れるところなのだが、ずーっとブレーキを引きずりっぱなし。指が痛くてどうにかなりそう。
体も縮こまって自由に動かない。平衡感覚すら失いそうになる。こりゃちょっとマズイ・・・。
とにかく標高を下げよう。願わくば雪のないところまで。

10kmちょっと下ると、路上に雪がなくなった。最も危険な箇所はどうやら脱したらしい。
今日はともかく、ここは明日だったら絶対走れなかったところだ。

体の芯から冷え切ってしまい、どうにかなってしまいそう。
早めに幕営といきたいところだが、ここは高速の上。出られそうな場所がない。
脱出口を探しながらなおも下る。荷物を全部降ろせば強引に脱出できるか・・・なんてことも考え始める。

そうこうするうち馬菅の出口に着いた。助かった・・・。
有無を言わず高速を下りる。
このあたり、これまで雪は降っていなかったようなのだが、高速を下りる頃から降り始め、そのうち激しい雪になった。
風の避けられる場所を求めて付近をうろちょろする。遠くに高木の茂る林が見えたのだが、行ってみたらやはり人の家だった。
これ以上行ってもテン場はないような気がする・・・来た道を引き返し、最後の手段と目をつけておいた疎林(これも人工林)の中に幕営することに。

道から一段下がったところに自転車を止め、歩いてテン場の選定をしているとき、自分らの引き返してきたほうから二台の自転車が走ってきた。
一見して人民でないのは明らか。白人のバイカーらしかった。
上下にカッパを着て、しっかりスパッツまでつけている。装備の点では自分らより抜かりない。この雪の中、ノーテンキに音楽を響かせながら走っている姿がいかにも白人バイカーらしかった。
すぐに手を振って声をかけたのだが、二人は気付かず通り過ぎてしまった。
いったいどこから来たのだろう。高速以外に道なんてあるのか???
時間は既に17:30。こんな時間にインターに向かってどうしようというのだろう。永昌まで行って宿にでも泊まるつもりか?町までまだ20kmくらいあるけど・・・。

人の心配より自分の心配だ。止めた自転車にみるみる雪が積もってゆく・・・。
場所を選定してテントを張れば、張ってるそばからテントにドカドカ雪が積もりだす始末。まるで雪山だよ、こりゃ。
荷物もすべて雪まみれ。キレイに落とせるはずもなく、テントの中も雪まみれ。ホント、まるで雪山だよ。
自転車にカバーをかけ、テントにもぐりこんでストーブに火をつける。これでようやくホッと一息。
久々に自炊した熱々のラーメンとご飯が異様に旨く感じた。

明日はどうなることやら・・・朝から強い日差しでもない限り、路面が凍結していて走れそうにない。
テントは夜の時点からバリンバリン。フライのジッパーも凍ってしまって開かない。
21:00の気温-8℃。風と湿気が寒さを助長する。
閉まらなくなったフライのジッパーを安全ピンで留めて眠りにつく。
夜中は風がゴーゴー唸っていたが、幕営した場所がよかったためテントにはほとんど風が当たらなかった。

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朝のテン場                               朝のうちはまだ薄っすらと青空も見えていた

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早々に天気が悪くなってくる・・・                   山丹通過

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山丹東ICで高速に吸収される                    雪が舞い始めた・・・

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長城を分断して高速を通す・・・ある意味すごい

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ちょっとわかりにくいですが、左手には長城が延々と続いている

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本格的に降ってきた・・・

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だんだん激しくなる・・・

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こりゃもういかん・・・

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高速を下りて人工の疎林に幕営・・・体が冷え切ってめちゃくちゃ寒い
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