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シルクロードを東へ その2 西遊記の世界

2012/10/22 月
始:9:05 ~ 終:16:30 走行:93km
~ トゥルパン ~火焔山 ~ 火焔山の先25km

無風快晴。
ドーズのホイールが少々振れだした。リムがブレーキシューに触れないよう調整してから出発。
乾燥した大地に走る一本道をトゥルパンへ向かう。大陸的な風景の広がる気持ちのいい道だ。車は少なく、道もキレイ。道は緩く下っていると見え、スピードも乗る。

ガンダーラ、ホーリーアンドブライト・・・ゴダイゴの歌が自然と頭の中を駆け巡る。子どもの頃、確か日曜の夜にやっていた西遊記はおもしろかった。最後まで見た記憶がないんだけど、ドラマでは最後どうなったのだろう?

トゥルパンの手前に料金所があり、そこを抜けると唐突に一般道になった。こういうところがよくわからん・・・。
町中のごちゃごちゃしたところを抜けてから道路脇の商店で買い出し。近所に餃子の店があったので、ついでに昼食にした。
大きさがよくわからなかったので一人10個、二人で20個頼んだつもりが、大皿にのって50個くらい出てきた。一人10元分出てきたのかもしれない。
餃子の大食い選手権のようになってしまい、こんなに食えるかなぁと最初は思っていたのだが、ペロリと平らげてしまった。中身がニラと玉子のヘルシー餃子だったので、ペロリといけてしまう。もちろん美味。
ちなみに、あとから来たおっちゃんは一人で同じ量を平らげていた。
これまで見ていると、人民たちはかなりの量を食べる。そして食うのが非常に早く、食ったらすぐに店をあとにする。
餃子のお代は、てっきり二人で20元かと思っていたら、16元だった。安い!ま、結局話が何ひとつ通じていなかったということか・・・。

中国語の発音は極めて難しい。漢字を中国語読みしてみてもまず通じない。
これは主に四声、中国語独特の声調による。漢字一文字一文字にそれぞれ声調があるのだ。単語になってはじめてアクセントのつく英語などに比べて遥かに複雑である。一文字一文字に声調のある言語というのは世界的に見ても珍しいのではなかろうか。
中国語が「~ファン~ファン~ファン」と独特の響きに聞こえるのは、この四声のためだ。中国人の声がデカイのもこれが一因ではないかと勝手に思っている。

発音自体も難しいのだが、そもそも四声をつけて発音すること自体がとても恥ずかしい。合っているかどうかもわからないし、とても自信を持って大声で発音できない。少なくともシャイなあんちくしょうの自分には無理だ。
中国語で日本のことは(カタカナで書くとすれば)「リー・ベン」、日本人は「リー・ベン・レン」のように言う。「リー」と「ベン」と「レン」のそれぞれに四声があり、それぞれの発音もカタカナで表記できるような単純なものじゃないのだけれど、結局この「リーベン」も「リーベンレン」も、マユミと二人それって中国滞在中に一度も通じたことがない。
ちょっとは察してわかってくれてもいいんじゃないかなぁと思ったりもするのだが、見事なまでに通じない。
それでも日本人ならまだマシだ。文字になっていればなんとなく意味のわかる場合が多いし、いざとなれば筆談も可能だ。
欧米人にとってはもう絶望的に難しいのではないかと思う。そりゃ中国を旅するってのがハードル高いわけだよ。英語が通じるどころか表記すらほぼ皆無なわけだから・・・。

餃子の店のおっちゃんはとても感じがよかった。これまでの経験からすると、漢人の店のほうがえてして感じがよい。そして清真の店に比べて明らかにお得感がある。
もともと農耕民族なのだから、そもそも遊牧民などに比べりゃ人が丸くてよさそうである。
尖閣のことにしても大半の人民にとっては関係のないことだ。そんなことはどうでもよくて、みな日々の生活をするだけで手一杯である。
10万人の反日デモといったって、考えてみりゃ14億人?もいる人民の中の1万4千人に一人の割合。大都市の一部とか国境とか、そういう特殊なところにでも行かない限り、そんな愛国小僧どもに出くわすことはない。
人民の大半はただの親切な人たちなのではないか、なんだかそんな気がしてきた。
国境のコルガスではさんざん嫌な思いをしたけれど、一度入ってしまえば自転車で旅をしている限り不都合なことは何もない。食べものは何を食べてもはずれがなくて美味しいし、だんだん中国の居心地がよくなってきた。
断っておくと、美味しいのと体にいいのとはまた別な問題だ。料理に使われているのは地溝油かもしれないし、食べている肉が何の肉だかもわからない。が、ひとまず目をつぶるしかない。大都市にある高い店で食べれば安全かというと、この国の場合そうではない気がする。

さて、町中だろうと食堂にはまずトイレというものはない。もちろんよほどのことがない限り公衆便所というものもない。
食後に尿意を催したりすると、店の周りをうろちょろしてみることになる。ちょっと人目につきにくいところでここでいいかと周りを見ると、たいていキジ場と化している。そこで驚くのは、ウ○コまでしてあること。
ちょっと人目につきにくいといったって人通りのある町中だ。こんなところでいったいどうやって・・・さすがに暗くなってからやっているのだろうか???
道路でも、例え高速だろうと駐車スペースのようなちょっとしたスペースさえあれば、まず間違いなくキジ場と化している。よって、高速では休憩によさそうなスペースがあっても車の止まれるようなところではまず休憩できない。近づいただけで臭うのだ。時季的に今はまだマシだと思うのだが、夏場なんて大変なことになっているのではなかろうか。
そんなわけで、町中で食事をしようと思っている場合、町に入る前に用を足すようにしている。特に、食堂の周りで用を足せるのは男限定、女性にはまず無理だ。
不便である一方、自分らのようなスタイルだとちょっと安心する面もあったりする。あっ、これでいいんだなと・・・。

トゥルパンの先はしばらく一般道が続くのだが、ふと気付くとまた唐突に高速になっている。この国は高速と一般道の境界が曖昧だ。
依然として雄大な景色が広がっている。道路もキレイで走りやすい。
トゥルパンから20kmほど走ると、左側に赤みがかった岩山が見えてくる。
火焔山だ。西遊記の中で三蔵法師一行が燃えさかる炎に行く手を阻まれ、牛魔王から奪った芭蕉扇で火を消すというあの火焔山。
火焔山といっても山が一つポコッとあるわけではなくて、赤みがかった岩肌の山というか台地が、東西に延々と100km近く続いている。

途中に観光ポイントとなっているところがあったので、ちょっと立ち寄ってみる。と言っても、フェンスで囲まれた敷地内に入るとお金をとられるので外から眺めただけだけれど・・・。フェンスの内でも外でも火焔山の眺めはまったく変わらない。
ちなみに、中国の観光施設というのはどこも高額な上、得てしてつまらないというのが相場だ。なんというか、無用なことをやりすぎてしまうんだろうね・・・。
敷地内には牛魔王と芭蕉扇を持った三蔵法師の像?があったりする。モーターグライダーで遊覧飛行をやっていたりもする。

この付近一帯は風景区となっている。ここだと火焔山の岩肌は襞が細かくて見栄えはするのだが、実際のところそれほど赤くない。もっと赤みがかった火焔山と呼ぶに相応しい場所は別のところにあって、自転車で走っているとよく見える。

火焔山から先は、これまで走ってきた道が唐突に自転車通行禁止になる。よく見かけるように、自転車、オートバイ、三輪車、トラクターなどは通行禁止と書かれた標識が高速の入口に立っている。
無視すべきか従うべきか・・・ちょっと前に公安に止められたことがあるから躊躇する。
ハーミーにどうやって行けばいいのか人民に訊くと、大半の人が高速を走れと教えてくれる。やはり走っても問題ないのかもしれない。が、これだとどうしても気持ちよく走れない。

躊躇する理由はもう一つあった。嘘か誠か、手持ちの地図によると火焔山の先にはハーミーまで出口がない。火焔山からハーミーまで300km以上あるからそんなことはないと思うのだけれど、もし入ってみてそうだったとしたらテン場に困ることは目に見えている。
高速に入らず今いる道を行くと、行き先は高昌故城となっている。そこは天山北路から外れた位置にある。うぅぅむ・・・。

迷った挙句、高速に入るのはやめにした。
下道をしばらく走ると新たな標識が現れ、そこには行き先がピチャンとあった。ホッと胸をなでおろす。
こういうところがいかにもダメなんだよなぁ・・・自転車等はこっちの道を行けと標示しておいてくれるとか、最低でも行き先は天山北路沿いのピチャンやハーミーにしておいてもらわないと。

高昌故城は昔の高昌国の都で、三蔵法師もとい玄奘がインドへ向かう途中に滞在したところである。
ちょっと見てみたい気もしたのだが、ルートから外れたところにあるため(僅か8kmだが)時間を考えてやめにした。
いったい昔の人はどうやってこんな辺境の地を旅していたのだろう。しかも徒歩で・・・。食料や水はどうやって調達していたのだろう。
そんなことをしきりに思う。命がけの大冒険であったことだけは間違いない。それこそ牛魔王が登場したって不思議はない。

さらに走るとベゼクリク石窟へ行くための枝道も現れるのだが、これもパス。
たぶん自転車で旅する人の大半がそうだと思うのだけれど、走りながら見る景色に満足しきってしまうものだから、はいどうぞと準備された観光ポイントにはどうにも立ち寄る気がなくなってしまう。

トゥルパンの付近は中国一暑いところと知られていて、火州の異名を持っている。今日も日中はカッパが不要なほど暖かかった(冬はすごく寒いのだろうけど)。
ユーラシア大陸の深い内陸部にあるにもかかわらず、標高は0m前後。火焔山の40kmほど南にあるアイドゥン湖など-161mである(世界で四番目に低いところにある)。
乾燥したこのあたりではブドウがたくさん栽培されている。日干しレンガで風が通るように建てられた四角い建物がやたら目につく。干しブドウを作るための貯蔵庫であろうか?

火焔山から25kmほどでまた自動的に高速に合流。おいおい・・・結局これかよ。
しばらく走ってみたが、いっこうに出られそうなところがない。戻ったほうがいいかも、と思いつつ戻るのは嫌で、目を凝らして出口を探す。
Uターン路のところにちょっとイレギュラーな出口(ではないんだろうけど)を見つけ、そこから無理矢理脱出したのだが・・・。
抜け出たダートの道は埃の海と化していた。うぉぉぉ・・・まるで液体。これはなんと言えばいいのだろうか、液体としか言いようがない。非常に細かい乾いた埃が20~30cm溜まっていて、足がズボズボはまる。抵抗感がまるでない。
これにはまいった。足も自転車も荷物も埃まみれ。これがまた小麦粉のように細かすぎて、はたいても落ちない。えらいことになった。
あんなとこから無理に出るんじゃなかった、と思ってみてもあとの祭り。

ひとまず埃の海を脱して付近をしばらく走り、トウモロコシ畑の陰に幕営した。
テントを張ったあとで、靴やら自転車やらパニールやらの埃をどうにかしようと奮闘したが、結局思うように落ちなかった。

夕食はここのところ毎晩ラーメンとご飯。
中国の米は日本の米に近く、普通に旨い。二人で毎晩三合ほどをペロリ。
袋入りのインスタント麺ははずれがなく、どれを食べても旨い。日本のラーメンとはまた違った旨さである。
ラーメンだけはどんなショボイ商店でも売っているから、買いだめする必要がない。そしてありがたいのが、昆布とか薫製の玉子とか、そういったラーメンに入れる具。これらもどこにでも売っている。

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夜明けのテン場                            まずは高速まで押す

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そしてスタート                             唐辛子を干しているところ

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あとから来たおっちゃんは一人で同じ量を平らげていた    こちらは出荷のためトラックに積み込んでいるところ

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左前方に火焔山が見えてくる                    フェンスの内側は有料

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火焔山

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中国人はこの手のアトラクションが好きである          ラクダもスタンバイ(あまり人気なさそう)

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牛魔王 vs 三蔵法師

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トゥルパンは火州の異名を持つ                   西日が強烈

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そこに行けば どんな夢も かなうというよ 誰もみな行きたがるが 遥かな世界

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その国の名は ガンダーラ 何処かにある ユートピア

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干しブドウを作るための貯蔵庫だと思う              やたらめったらある

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トウモロコシ畑の陰に幕営
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