FC2ブログ

天山北路をゆく その3 唐突に砂漠になった

2012/10/14 日
始:9:00 ~ 終:17:05 走行:88km
~ 精河 ~ 精河から45km

快晴!午後から雲が出た。
朝起きると、木が風でゴーゴー揺れていた。が、木のおかげでテントには風が当たらない。最高のテン場だった。

2kmほど戻ってまた高速に乗る。
このあたりには綿花畑が延々と広がっている。今はちょうど収穫の時期。一面真っ白な綿花畑は見事だった。
風は東からの向かい風。ユーラシア大陸を西から東へ横断すると、結局のところ風に助けられることはほとんどないように思われる。

25kmほど走るとある町に出て、そこから先は自転車通行禁止の標識があった。よく見ると反対車線の向こう側に側道がある。
ようやく高速から脱出できた!と言っても、一段低いところを高速に沿って走っているだけなのだけれど・・・。
それでもガードレールとフェンスの外に出られただけで気分がだいぶ違う。商店で買い出しもできるし、現地の人と同じ目線になったような気がしてなんだか嬉しい。
人が時どき路上に溢れていたりするし、道も高速に比べて悪くなるから距離は出なくなるのだけれど、気分的にこっちのほうが楽。

側道を20kmほど走ると精河に着いた。ここで昼食休憩と食料の買い出し。
食堂で食べられるのはラグマン。相変らず美味しいのだけれど、味にバリエーションがあるわけでなく、いい加減飽きてきた。
買い出しで誤算だったのは米が手に入らないこと。これまでどこでも手に入った米が、まさか中国に入って手に入らなくなるとは・・・。
これも後になって気付いたことなのだけれど、支那というところはどちらかと言うと米食より小麦食の文化だ。主食にはミーファン(米飯)よりマントウ(饅頭:蒸しパン、肉まんの中身のないやつ)を好んで食べる人のほうが多い。さらにウイグルは支那とは明確に食文化が異なっていて、明確に小麦食の文化圏(米なんかとれないのだから当然だ)。なおさら米が手に入りにくい。
今日寄った精河の超市には米が売っていたのだけれど、量り売りで買うことができず、最低5kgや10kgじゃないと買えなかった。そんなに持ち歩くのは嫌である。おかげでウイグルに入ってから、夕食はラーメンだけの日が続いている。
ちなみに、「超市」というのは何のことだかわかるでしょうか?・・・これ、そのままズバリ、「スーパーマーケット」に漢字を当てただけ。
と言っても、日本で言うところのいわゆるスーパーとは違っていて、要するにただの商店。超市のほうが見映えがするのか、超市と看板を掲げている店が多い。

精河は予想通り大きな町で、典型的な漢人の町といった風。何の特色もない箱型の建物が整然と建ち並んでいるだけで、要するにつまらんのだ。漢人の造る町ってのはどうしてこうなってしまうのだろう。
そりゃ日本だって新たに造成された地方都市なんてどこも似たり寄ったりだけど、ここで言っている漢人街というのはその比ではない。無駄に広い道路がドーンと通してあって、箱型の建物が同じように整然と並んでいる・・・どこもかしこも瓜二つである。山があったり海があったりするわけでなく背景もまったく一緒、というのも輪をかけている。
さらに悪いのが、まだ新しいこれらの建物に生活感がまったくないこと。人が住んでいないのだ。もうずいぶん前から言われていることだが、これらは人が住むためのものではなく、単なる投資の対象である。誰も住んでいない真新しい建物が腐るほどある。にもかかわらず、さらにビルを建てている・・・いったいこの国はどこへ向かおうとしているのか。

つまらん町は早々にスルー。サッサと買い出しだけ済ませて精河をあとにした。本屋が見当たらず、依然として地図は手に入らないまま。
カザフスタンからアラシャンコー経由で延びている鉄道も精河を通る。ここから先、高速は鉄道と並走するようになる。
ちょうど精河のあたりで走行距離が2万キロを超えた。

走ってきた道が精河の先で高速から離れ、この先は高速を走らないで済むのかも・・・と思ったのも束の間、しばらくしたところで道は工事中となって終わっていた。
工事をしていたおっちゃんが道はそっちだと教えてくれる。行ってみたらまた高速に出た。
入口のところには自転車通行禁止の標識がある。果たして走っていいのだろうか・・・またも迷う。
入口のところに止まっていた車のおっちゃんらにも自転車で走っていいものか訊いてみる。すると、道はそっちだと当然のように高速を指さす。ま、他に道はないし、そりゃそうだよな・・・。
半信半疑のまままた高速に乗る。

精河を出ると唐突に周りが砂漠になった。
こりゃ他に道なんてあるわけないわ。砂漠の中を高速道路と鉄道だけが走っている。他には何もない。水は食事した食堂でもらっておいたのだが、大正解。
精河まではあんなに木が生えていたのに・・・。

困ったのはテン場。この風の中だけど吹きっさらしの場所に幕営するしかない。
テン場の心配以前にもっと困ったのが、高速から出られないこと。昨日みたいに適当に出口があるだろうと高を括っていたのだけれど、行く先は見渡す限り何もない。
次の大きな町である烏蘇まで出口がないのではないか、という気がしてきた。烏蘇は100kmの彼方。もちろん今日は届かない。

16:00を過ぎ、どこか僅かな隙間でもあればそこから脱出しよう、という目論見で走る。
精河から45kmほど走ると、鉄道施設へ行くための出口が現れた。人が乗り降りするための駅ではなく、何らかの目的に使われている鉄道施設。
ちなみに、中国語で鉄道のことは火車という。汽車というのもあるんだけど、これはバスのこと。汽車站と書かれるとついつい鉄道駅を思い浮かべてしまうが、バス停やバスターミナルのことである。

ようやく高速から脱出!建物のところまで行ってみると、無人の施設のようだった。
願ってもない物件、と言いたいところだが、あとで人が来たりすると面倒なので(中国の公安は、ちょっと笑って済ませるというわけにはいかないような雰囲気がある)、そこから離れたブッシュの陰に幕営。まったくの吹きっさらしよりはずいぶんマシだ。

ちょうどテントを張り終えた頃、一人のおっちゃんが歩いてテントにやって来た。とりあえず笑顔で挨拶。
おっちゃんは、「そっちの建屋で寝れば」と言ってくれたのであるが、今日もタイミング悪し。すっかり幕営態勢に入ってしまっていたので、今日も気持ちだけいただいた。
念のため、そこの高速を自転車で走っていいものなのかどうか、おっちゃんにも確認してみたのだが、やはりいいという。他に道はなさそうだし、やっぱ走っていいんだよな・・・。
建屋に詰めている人なのかなぁと思っていたのだが、おっちゃんはしばらくすると車で帰っていった。

IMGP6630_サイズ変更  IMGP6633_サイズ変更
道路脇に綿花畑が延々と広がる                  しばらく下道を走れたが・・・

IMGP6634_サイズ変更  IMGP6635_サイズ変更
また高速に吸い込まれる                       出口はしばらくありそうにない

P1170038_サイズ変更  P1170042_サイズ変更
運よく鉄道施設があって脱出できた                 唐突に砂漠になった・・・

P1170040_サイズ変更
こんなブッシュでもないよりマシ
関連記事
スポンサーサイト



Comment 0

There are no comments yet.

Leave a comment