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遊牧民の土地 その1

2012/8/22 水
始:8:05 ~ 終:17:30 走行:83km
~ Deraut-Kurgan ~ Karakabak ~ Sary-Mogol ~ Sary-Tashの手前25kmほど

珍しく雲が多い。南(右手方向)にある高峰は雲の中で見えない。
昨日も書いたとおり、キルギスに入ってから人々が陽気でどこか人懐っこくなった。挨拶すらろくにできなかったタジクの人たちとはえらい違いだ。
挨拶のとき、ここでは他の旧ソ連邦の国々と同様、「アトゥクーダ?」と訊かれる。ロシア語で「どこから来た?」という意味であるが、こう訊くのが普通であると思う。初対面の外国人に対して、いきなり「ニーハオ」とか「チナ」とか言ってくる国はやはりどこかおかしい。
その国の印象というのは、ほぼ人で決まる。食とか景観以前の問題だ。その国の人間が外から来た人にどう接しているのか、そんなことでその国の印象が決まる。よって、国にとってその国の人間の素行(さらに広く捉えれば民度ということになる)というのは極めて重要なものである。

のどかなところだ。
右手には雪をかぶった高峰(4,000~5,000mと思われる)、左手には雪のついていない茶色の岩山。ともに山裾には草原が広がっている。草の淡い緑がまた何とも言えずいい感じだ。
広い谷の中をアスファルトの一本道がズドンと走っている。路面は驚くほどキレイで、これまたロードバイクのための道といったところ。
時どき吹く風がひんやりしていて心地いい。もうどこか秋といった様相だ。ありがたいことに、風は斜め後方からの追い風である。
ここは遊牧民の土地。タジキスタンやウズベキスタンと比べて遊牧民の色が濃い。
男は多くの人が独特のとんがり帽子をかぶっている。

キルギスに入って急に日本の車を見るようになった。しかも、メーカが(日本)国内専用に生産しているであろうミニバンが多く、右側通行にもかかわらずどれも右ハンドルである。
気になって車内をのぞかせてもらったら、コーションラベルの類は日本語のみ。まぎれもなく日本の中古車だ。ロシア経由で入ってくるのであろうか?
日本のどこかで誰かが乗っていた車が、今こうして遠いキルギスの地を走っているのかと思うと感慨深い。その昔自分の乗っていた車も、ひょっとしたら今ごろ世界のどこかで第二、第三の人生(とは言わないか)を歩んでいるのかもしれない。
話が飛ぶが、'98年にロシアの極東地域をオートバイで走ったとき、現地を走っている車の九割以上は日本の中古車だった。新潟の港にはロシアへ運ばれる中古車がごまんと集められていた。
右側通行の国なのに走っている車はほとんどが右ハンドル、という光景はちょっと異常だ。

朝から腹の調子が芳しくない。Deraut-Kurganのカフェで食事したとき飲んだコーラが古かったと見える。
まがい物じゃなくれっきとしたコカコーラだったのだが、味がおかしかった。コップに注いだそばから炭酸が全部抜けちゃうし・・・。
で、小さなGSの日陰を借りて休憩しているとき、突然便意を催した。その辺でしては悪かろうと、念のためトイレがあるか訊いてみた。
すると、その場に居合わせたおっちゃんらが口を揃えて、「トイレならほら、周りが全部トイレだよ」というようなことを言ってくれた。おおらかである。
心置きなく好きなところでキジを撃つ。その最中、馬に乗った人が少し離れたところを通りかかって目が合う。お互い笑顔で手を振る。実におおらかだ・・・。
野宿をすれば毎朝青空トイレなわけだけれど、ばったり人と出くわすなんてことはそうそうあるもんじゃない。

Karakabakの手前あたりまで来ると、右手にひときわ大きな白い山塊が見えてくる。上部は雲に覆われて見えないが、レーニン(7,134m)だと思う。デカイ・・・上部が見えない分よけい大きく見える。明日はベールを脱いで全貌を拝ませてくれるだろうか。

道路脇の岩陰で休憩しているとき、自転車が風に煽られてスタンドのほうへ倒れた。ゆっくり、スローモーションのように倒れ、スタンドがとんでもない方向にグニャリと曲がってしまった。ちょっとショック。でもむしろ、これまで重みに耐えてよくもってくれたものだと思う。
その先で、道路から外れたところで休憩中の女性二人組のバイカーを抜いた。よく見たら、昨日国境で会ったスイス人の女の子。車でサリタシまで行ったのではなかったのか。
今日も旅のオートバイや旅行者を乗せた車と何台か行き会った。やはりまだパミールは閉鎖されているらしい。マルティネたちやアキラさんも、諦めてもうドゥシャンベを発っただろうか。

16:00を過ぎた頃から急に天気が怪しくなってきた。迫り出してきた雲に日差しが遮られ、北風が強まる。寒い・・・。
Sary-Mogolのマガジンで食料の買い出し。水も5L分けてもらった。キルギスに入ってからパッタリ水場を見かけなくなった。
そこへスイス人の二人がやって来た。昨日、国境から40kmほどのところで車を降りたらしい。道がいいので自転車で走りたくなったと。
そりゃそうだろう。ここを走らずにどこを走る、というくらいキレイな道だから。
相変らずサリタシからムルガーブへ行くと言っているが、これまで行き会った人たちの話からしてたぶんダメだと思う。タジキスタン側の国境で追い返されるのがオチだろう。
こちらの持っている情報は伝えておいたが、あまり深くは突っ込まなかった。同じバイカー同士であるのだけれど、ところどころ車でサクッと飛ばしてしまう彼女らとはどうにも仲間意識が芽生えてこなかった。

一足先にマガジンを出てサリタシ方面へ。
しばらくすると雨が降ってきた。信じられん・・・雨なんていつ以来だろうか。
17:30に行動を打ち切る。道路脇に見つけた廃墟の中に幕営。一応、手前で工事していた人たちに断っておいた。
屋根はないが、風を避けられるだけでありがたい。標高2,980mほど。
昨日までフライも張らずに幕営していたというのに、いきなり雨の中の幕営。ここから先はこんな感じなのかもしれない。
そうそう、キルギスは60日以内の滞在であればレギが不要らしい。昨日国境で聞いて書くのを忘れてた。

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今日は雲が多い

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この雲の中にレーニンが・・・                   雲間に白い塊が聳えているのが見えるかな?

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屋根のない廃墟の中・・・夕方になって雨に降られた     アライ山脈方面の眺め
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