FC2ブログ

首都のドゥシャンベに到着

2012/8/10 金
始:7:55 ~ 終:11:00 走行:33km
~ Dushanbe

テン場から20kmほど走るとドゥシャンベに入った。中心部に近づくと道もきれいになる。
町自体は歴史がなく、特に面白味はない。
バザール近くのアドベンチャーズ・インへ直行。
そこは難民キャンプといかないまでも所狭しとテントの花が咲いていて、テントスペースもほとんどない状態。想像していたより敷地がずっと狭い。
こんなところにテントを張るだけで一人一泊6ドルもとられる。タジキスタンの物価に照らすとけっこうな額だ。ずいぶんぼろい商売をしている。
この人数に対してトイレとシャワーが一緒のバスルームも二つしかなく、とても快適な環境とは言いがたい。なんだかバカらしいのだが、何日か滞在しないといけないので諦めて空いたスペースにテントを張った。

テント村には日本人のバイカーも四人いた。バイカー同士、久々によもやま話に花が咲く。
パミールはやはり閉鎖中・・・24日に開くとか開かないとか。

日本人バイカーのうちの一人が渡辺君、紛れもなく山ヤだった。すぐに意気投合。旅先の、山でもないところで山ヤに会うのは珍しい。
「エスパースですね」
自分らのテントを見た渡辺君が嬉しそうにそう話しかけてきたのがきっかけだった。
渡辺君の装備も山ヤそのもので、その他のバイカーとは違っていた。テントやマット、シュラフをはじめ、その他細部に至るまで。山ヤの装備は独特で、見ればすぐそれとわかる。耐久性や機能、重さなどがここぞというところで厳選されている(どうでもいいところはなんだっていい)。
例えばテント。保温性が高く、たたんだ時コンパクトになるのはもちろんであるが、最も目につくのは入口の構造。一般的なジッパーというのは、幕営回数の多い長旅や日本のような湿雪の降る場所ではまずあり得ない。耐久性に問題があるし、凍って開かなくなるからだ。紐で絞る吹き流しのタイプに限る。
渡辺君が今回使っていたのはアライテントであったが、入口はジッパーから吹き流しのタイプに改造してあった。
壊れたら買い直せばいい、と多くの人は思っているだろう。ま、買えるようなところがあればね・・・。このあたりはその人の狙っているルートと、考え方による。
渡辺君は今回、厳冬期のムルマンスク(ロシアの極北)走行を狙っていたから、テントの不具合はそれこそ生死に関わる問題である。
重くて嵩張る冬の装備は現段階では持っておらず、後日日本から送ってもらうのだと話していた。

よくよく聞いてみたら、渡辺君はセブンサミッターでもあった。しかも日本人の最年少記録保持者であるらしい。”日本人の”というのは、渡辺君が達成する直前に僅か数ヶ月若いアメリカ人がやってしまったため、世界最年少記録とはならなかったようである。その後年齢制限がかかったとかで、今後この記録が破られることはないのだろう。
渡辺君の前々回の人くらいまでは岳人なんかを見て知っていたのだけれど(一時競争のようになっていて次々記録が塗り替えられた)、渡辺君のことはこのとき初めて知った。
セブンサミットがすごい、ということではなくて、そんなことを微塵も鼻にかけていないところがすごいと思った。セブンサミットのなんたるかを、実際の意味をよく理解していた。
つまり、21世紀の今の時代、お金をかけて公募隊なり、ノーマルルートから極地法で登るのであれば、誰でも(とは言わないが、よほど特殊な技術がなくても)登れてしまうのだ。
「セブンサミットをやります」と大学の山岳部の先輩に話したら、「お前はクライマーに育てたはずだ」と言われました、と笑顔で話していたのが印象的だった。

宿泊者の中に、銃撃戦の最中ちょうどワハン渓谷に閉じ込められていた人たちがいて、そのうちの一人が撮影した動画を見せてもらった。動画を撮ったのはイギリス人のジェイミーで、宿泊者のほとんど全員で上映会。
それほど緊迫感のある映像ではなかったが、そこではまぎれもなく銃撃戦が行われていた。映っていた人たちの何人かは半ばパニック状態に陥っており、けっこうヤバイ状況だったのではないかと見て取れた。

麻薬組織と政府軍の衝突で、次のような経緯らしい。
バカンス中にホールーグに来ていたKGB長官が麻薬組織に暗殺された。報復として政府軍が組織の殲滅作戦を展開。組織のトップはアフガン側へ逃亡した。

キルギス方面からパミールを抜けてきたサイクリストとしては、渡辺君を含む日本人の三人が最後。
その後パミールを抜けてきた人間はおらず、現在もバダフシャーンは閉鎖中。
ホールーグはおろか、バダフシャーン州境手前の検問から先にはまったく入れない状況である。

IMGP5643_サイズ変更  IMGP5645_サイズ変更
一路ドゥシャンベへ                        中心部に近づくと突然道がキレイになる
関連記事
スポンサーサイト



Comment 0

There are no comments yet.

Leave a comment