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マンジルのファトゥフラの家

2012/6/7 木
始:11:15 ~ 終:19:45 走行:74km
~ Sangar ~ Saravan ~ Nuqlabar ~ Rudbar ~ Farah Dam ~ Manjil

晴れ。
9:00起床。お父さんはもう仕事に出たあとだった。
モハンマド君と一緒に朝食をいただいて11:15に出発。彼が途中まで送ってくれると言うので、自転車を押して一緒に歩く。
広場の先もしばらく歩いたほうがいいと言ってくれているのだが、確かにそうかもしれない。道路は人と車でごった返している。
アリさんの店の前を通りかかると、ちょうど外にアリさんがいた。お礼を言って別れる。いやーホント助かりました。
「はい、よろこんで!」と、最後まで居酒屋の店長にしか見えないアリさんであった・・・。

モハンマド君は町外れの交差点まで送ってくれた。ここまで一時間近く歩いただろうか。
「うちに泊まってくれてありがとう」なんて、ほろっとするようなことを言ってくれる。お世話になりました。

走り始める。後ろを振り返ると、人波の中に入っていくモハンマド君の背中が見えた。その背中はちょっと寂しそうで、「がんばって」と心の中で声をかけた。実際に声が出ていたかもしれない。

しばらく走ると緩い上りに差し掛かり、そのうち山間の道となる。道路自体は十分広いのであるが、路側帯の白線付近をわざわざ重機のキャタピラで凸凹にしてあって走りにくい。
暑くて、店を見つけてはついつい冷たい飲料でリフレッシュ。ありがたいことに、イランの飲料はよく冷えている。
イランでよく飲んでいるのはノンアルコールビール。アルコール禁止であるためかこれが充実していて、様々なフレーバーのものがあって実に旨い。
とある店に寄ったら、店のおっちゃんがチャイをご馳走してくれた。その店の前でバス待ちをしていた、母親に連れられた女の子と少し話をする。言葉がわからずあまり話せないのがもどかしい。ハキハキしたとても可愛い子だった。
そのうち店に別の客がやってきて、今度はノンアルコールビールを奢ってくれた。もう腹がタプタプである。
やがてバスが来て、母子は手を振りながらバスに乗っていった。

また走り始める。そろそろ暑い盛りだ。
山間に入って景色はグッとよくなった。変化に富んでいるから、走っていて飽きることはない。
しばらく店がなかったのであるが、ちょっと大きな町Rudbarに入って今度はアイスを食べる。暑さのせいで食欲がなく、ジュースやアイスばかり摂っている。

さて、そろそろテン場を探したい時間帯。
道路脇にダムが現れると、突然風が強くなった。トンネルもあるのだが、狭くて少々怖い。
二つ目のトンネルに入る前、渋滞しているトンネルを避けて脇道に逃げた。ダム沿いを走る上りの道。車がいないのはありがたいのだが、こっちはこっちで風が強くてどうにもならない。
風力発電の風車がたくさん並んでいるところを見ると、このあたりは常に風が強いのだろう。

小さな山を越えると本線に合流したが、横風が強すぎてとても走っていられない。砂が舞っていて、砂嵐の中を彷徨っているような状態。
たまらず店に避難。この店は、その昔韓国で働いていたことがあるという人がやっていた。コーラを飲んだら奢ってくれた。
どこか風の避けられる場所を探したい。近くにいいテン場はないかとファトゥフラ(店の人)に聞いてみると、「うちに来ないか」と誘ってくれた。
助かった。ありがたい。こんなに人にすがってばかりでいいのかと思う間もなく、ファトゥフラのお言葉に甘えることにした。この暴風を避けられるような場所が見つけられるとは到底思えなかったからだ。

しばらくしてファトゥフラがオートバイで自宅まで先導してくれた。気をつけないと立ちゴケしそうなほどの猛烈な風。
家までは五分ほどで、19:45に到着。自転車は物置のようなところに入れてくれた。家は二階。一階には別の家族が住んでいる。
奥さんのマリアと、ちょうど遊びに来ていたファトゥフラの妹さんのサキネと子どもが迎えてくれた。スイカをいただいていると、ファトゥフラは一度店に戻っていった。

シャワーを浴びさせてもらって洗濯も済ませる。ちょうどボイラーが故障中らしく、「水しか出ないけど・・・」と申し訳なさそうに言ってくれたけど、何の問題もないです。
チャイをいただきながらおしゃべりしていると、ファトゥフラが夕飯を買って帰ってきた。自分らのためにわざわざこういう形の夕食にしてくれたのだと思う。サキネ親子も交え皆で美味しくいただく。この家の人はみんな終えるのが早くて、マユミと二人だけいつまでも食べていた・・・。

ファトゥフラは5年ほどソウルで働いていたことがある。
奥さんのマリアとはいとこ同士で同じ歳。ともに17歳で結婚して20年になる。珍しく子どもがいない。
マリアは喋り方や仕草がカッコイイ人だった。なんというか、ドライでサバサバしていてしみったれたところのない自立した女性、そんな感じに見えた。
ファトゥフラが韓国に行っていたときの写真や二人の結婚式の写真などを見せてもらった。

「どこの国でも九割はいい人で、一割が悪い人」・・・ラシュトのモハンマドさんもそんなことを言っていたし、他にも人から似たようなことを聞く。イランにはそのような教えがあるのかもしれない。
もちろんイランにも悪い奴はいる。だから気をつけろとファトゥフラは言ってくれる。
ちなみに、いい機会なので一般的な対米感情について聞いてみると、「イランでアメリカが嫌いな人は七割くらい、好きな人が三割くらいじゃないか」とファトゥフラは言っていた。

イランではイラン・イラク戦争で肉親をなくしている人が多い。
ファトゥフラもそうだし(自身も戦争に行っている)、ペイマンもそうだった。ファルフードも戦争に行って(人を殺すのが嫌だから)捕虜となり、拷問を受けたというような話をしていた。
イランにおいて最も鮮明な戦争の記憶がイラン・イラク戦争なのだ。
現在国同士の関係は良好であるらしいが、「俺はイラクが嫌いだ」とファトゥフラは言っていた。

ところで、マリアは傍目に敬虔なムスリムに見えたが、ファトゥフラはまったくと言っていいほどその気がなくて、本人もそう言っていた。「断食もしない」と言い切る。もちろん外で飲食したり喫煙したりはできないが、家の中でこっそりやっていれば大丈夫なんだとか。
ムスリムの世界では、服装をはじめ女性のほうに制約が多い。が、(少なくともイランでは)不思議なことに女性のほうが敬虔であるように見受けられる。

1:00に就寝。
それにしても・・・イランに入ってまだ一度もテントで寝ていない。

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モハンマド君が途中まで送ってくれた         イランでもよくチャイをご馳走になっている

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バス待ちをしていた母子                 ノンアルコールビールが充実している

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景色は変化に富んでいる                 白線付近の凸凹が鬱陶しい・・・

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山間に入るとさらに景色がよくなる

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この日はファトゥフラの家にお世話になった

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イランにはカメラに目を合わせない人がけっこういる マリアもそんな人だった
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