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そして僕は途方に暮れる・・・オフリドで冬将軍に捕まる

2012/2/10 金
始:9:50 ~ 終:13:30 32km
~ 国境 ~ Ladolišta ~ Struga ~ Ohrid

朝の気温-3℃。雪は昨晩から降り続き、今朝になっても降っている。乾燥した細かい雪だし、風もあるから積もりそうな感じではない。道路にも雪はなさそうだ。
行動か停滞か・・・悩ましい天気だ。回復することがわかっていれば間違いなく停滞するところだが、その見込みは薄かろう。逆に悪化して動けなくなるのが怖い。今日のところは動けない天気ではない。
迷いながらテントの外を見ていると、カブ風の一台のモーターバイクが坂を上ってきた。これを見て勇気づけられ、行動することに決定。
それほど距離もないはずだし、押してでも峠は越えられよう。峠さえ越えられればなんとかなる。

荷物をまとめて道路に下りると、やはり雪はなかった。凍結もしていない。よかった・・・これなら押さずに済む。
しばらく喘ぐと、マケドニア国境に向かうSh9の分岐点に着いた。ほとんどの車はマケドニア方面ではなく、Korce方面に向かう。
通行量の少ないSh9は途中から雪が積もっていた。安全策をとって自転車を押す。自転車が滑るのも怖いけれど、それ以上にろくに溝もない夏タイヤで走っている車に突っ込まれそうで恐ろしい・・・。

標高差250m、6kmほど上りつめたところが国境だった。峠の標高は1,050mほど。
マケドニアのド派手な国旗が目に飛び込む。三色旗が基本のヨーロッパにおいて、赤と黄色の旭日旗を思わせるマケドニアの国旗は奇抜だ。
けっこう雪が積もっていて、そのまま自転車を押して国境を越える。
ここの国境はアルバニア側とマケドニア側にきちんと分かれていた。マケドニアでは数年前まで国内のアルバニア人武装勢力と紛争状態にあったわけだから当然か・・・もちろん今は平静が保たれている。
アルバニアも出国スタンプは省略。

マケドニアに入ったものの雪が積もっていて自転車に乗れず、そのまましばらく自転車を押す。
マケドニアに入ってから雪の量が如実に増えた。道路脇は1m以上積もっている。
どうにか乗れそうな状態になったので乗ってみる。と、すぐに急な下りに差しかかる。今度は自転車が止まらねぇ・・・それ以上に、寒さで指が痛くてブレーキを強く握っていられねぇ・・・結局、下りも自転車を押す。上り以上に下りは辛い。こういうコンディションで一番走りやすいのは緩い上りだな・・・。
30km先のオフリドが果てしなく遠く感じる。オフリドで宿に入ってしばらく様子を見るつもり。安くて快適な宿があればいいなぁ・・・。

700mほどまで下ると道が平坦になった。車もパラパラ走っているから道路に雪もない。ようやく乗れる・・・が、依然として道路脇には50cmくらい積もっている。
予想以上に雪がある。やはりニュースでやっていた通りなのだな・・・先の見通しが立たなくなった。オフリドから先にはおそらく進めまい。
下ってきた峠の方を振り返ると、すっかりガスに包まれて真っ白。今日早い時間に峠を越えたのは正解だった。
マケドニアに入ってゴミがグッと減った。町の造りや家の作りも整然としている。よかった・・・どうやらアルバニアと違ってまともな国だ。

幹線のM4を軽快に走ってStrugaを抜け、1時間半ほどでオフリドに到着。
さてと宿をあたるか・・・と思う間もなく、MTBに乗るおっちゃんに英語で声をかけられた。さすがはマケドニア一の観光地オフリド。
その場で見せてくれた部屋の写真を見ると、ビックリするほどきれい。高そうに思えたけど、高くないと言うので促されるまま部屋を見てみることに。
おっちゃんのアパートはオフリド湖からちょっと入ったところにあった。他にもいくつかアパートのかたまっているエリアだ。もちろんこんな時季に観光客などいるはずもなく、おっちゃんのアパートも三部屋すべて空室だった。

おっちゃんの名前はアレクサンダー。マケドニアでアレクサンダーってのもすごい名前だな・・・。
「電気代を考えるとこれ以上安くはできない」と、いきなり最低額を提示してくれるところも好印象のとても親切な人だ。
広くてきれいな部屋で、キッチンも付いている。熱々のお湯が24時間使えるシャワーはバスタブ付きだし、暖房も二種類完備、掃除道具も揃っている。もちろんWiFiも部屋で使える。こんな素敵なお部屋が、今ならオフ・シーズンのバーゲン・プライスで一人一泊7E。しかも、一泊か二泊するだけだろうと思っていた自分らがしばらく長居しそうだとわかると、7泊目はタダにしてくれると言う。
即決。
これなら仮に一月滞在しても二人で340E・・・イスタンブールにいるより格段に安い。
どうせ雪に閉じ込められてしばらく動けないだろうし、ここに長居して溜まった日記でもアップすることにしよう。
ちなみに、アパートの名前はRoze。スーパーも商店も銀行も全て徒歩圏内にある。場所的にも篭るのに最適だ。

こりゃ快適だわぁ・・・今日は素敵なお部屋で一日のんびりさせてもらった。
雪は依然として降り続いている。今日峠を越えたのはつくづく正解だった。
夜になって雪の降りが激しくなると、アレックスが部屋の外に止めておいた自転車にカバーをかけてくれた。

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朝には薄っすらと雪が積もっていた           峠に近づくにつれ雪が増える

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ようやく国境が見えた!                 マケドニア入国・・・雪の量が如実に増えた

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結局下りも自転車を押す・・・              快適すぎるアレクサンダーの宿

2012/2/11 土
雪は昨日からずっと降り続いている。
昼前から降りが激しくなり、町中もすっかり雪国に逆戻り。昨日判断を誤らなくて本当によかった。
もし昨日峠の手前に停滞していたら・・・今日オフリドに駒を進めるのは無理だったろう。それ以前に、高台のコルから数日間動けなかったに違いない。
マケドニアは考えていた以上に雪の降る国らしく、皆さん雪にはけっこう慣れている。雪の積もった道路を車は夏タイヤで普通に走っていて、16:00から2:00までタクシーの運転手をしているというアレックスも普通に出勤して行った。
雪が激しくなったところで、自転車を庇の下に移動した方がいいなどと部屋まで言いに来てくれるアレックスは、細かなことにも気の回るナイスガイである。

さて、マケドニアという呼称についてちょっと触れておく。
歴史的に見て、マケドニアという呼称には実に重みがある。アレクサンドロス大王の古代マケドニア王国を連想させるからだ。
そもそもマケドニアというのは、歴史的にバルカン半島中央部にある地域の呼称で、その代表的な都市はギリシアのテッサロニキである。現在その地域はおよそ、ギリシアが南部の50%、マケドニアが北西部の40%、ブルガリアが北東部の10%を領有している。
つまりは1913年の第二次バルカン戦争によってマケドニアの地はギリシア、セルビア、ブルガリアの三国によって分割されたまま、その時の国境線が現在まで残されている。当時のセルビア領マケドニアが今のマケドニアである。

もともとマケドニアの地にはギリシア人が多く住んでいたが、古代マケドニア王国が滅亡したずっと後でスラブ人が大量に移住し、多数を占めるようになった。
よって、現在(仮に)マケドニア人と呼ばれる人たちは、ギリシア系の言語を話していたとされる古代マケドニア王国の人たちと直接の連続性はない。
そんなこんなでギリシアはマケドニアという国名を拒否、ギリシアとマケドニアの間に激しい国名論争が生じている。
憲法上の正式名称は「マケドニア共和国」であるが、ギリシアの猛反発にあい、国連に加盟したときの暫定呼称は「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」である。
日本も「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」で国家承認を行っている。

ギリシアはマケドニアが独立した'91年以降マケドニアに対し経済制裁を課し、国名を改めるよう圧力をかけた。
これに対しマケドニアは最大限の譲歩を示した。
古代マケドニアと類似したヴェルギナの星を用いた国旗を無関係のものに改め(これが今の国旗となっている)、ギリシア領マケドニアへの領土的野心を明確に否定する憲法改正まで行って、'95年にようやく経済制裁は解除された。
が、経済制裁は解除されても国名問題が解決したわけではなく、最近では2008年にギリシアの拒否によってマケドニアのNATO加盟が否認されている。
執拗なギリシアの反発によって国名問題は泥沼状態・・・。
もっとも、デフォルトで国が破綻寸前のギリシアは、今はそんなことにかまけている場合ではないのだろうけど・・・。

とまぁ本来はいろいろややこしいのであるが、このブログ上では所謂「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」を単に「マケドニア」と表記する。
そのマケドニアという国について、もうちょっと触れておく。
面積は九州の2/3ほど。
公用語はマケドニア語。マケドニア語はブルガリア語に極めて近く、ブルガリア人はマケドニア人とマケドニア語について、ブルガリア人、ブルガリア語の一部であるとみなしている模様。実際オスマン朝の支配時代には、マケドニア地方のスラヴ人はブルガリア人とみなされていたし、多くはブルガリア人を自認していたようである。
文字は一般的にキリル文字を使用している。
通貨はマケドニア・ディナール(MKD)で、レートは1E=61MKDといったところ。

ボタン雪がドカドカ降る中近所のスーパーに買い物に行き、二日分の食料を買い込んだ。
引き篭もりの準備OK!
夜になっても雪は降り続く・・・なんか大変なことになってないか、これ。
外の寒さもなんのその、ポカポカの部屋の中は実に快適である。

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すっかり雪国と化したオフリド               昨日峠を越えといてホントよかったわ・・・

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ユニクロのようなマケドニアのナンバー
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