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バラナシ その1

2010/1/15 金
明るくなると、また霧の中を走っていた。今回は乗客も少なく静かだったので、比較的よく眠ることができた。
途中のラックノウで大勢の人が降り、客車の中は閑散としてしまった。距離で言えば2/3近く来たことになるラックノウまでは止まることも少なく思いのほか早かったが、ここからが大変だった。単線のため、対向の列車をやり過ごすため止まるわ、止まるわ・・・一向に先に進まない。駅でもなんでもないところで止まるたび、列車の外に出て一服だ。
途中の駅で列車に乗ってきた、バラナシで中学校の数学教師をしているというおっちゃんと、ハルドワールから一緒に乗り合わせた単独の中国人女性と話をして時間を過ごした。おっちゃんはカーストのことなど色々興味ある話を聞かせてくれた。
結局、バラナシに着いたのは18:30頃。ハルドワールを出たのが昨晩21:00過ぎだったので、今回は21時間以上の列車の旅だった。
バラナシに着いてビックリ!なんだこの人ごみは・・・。列車から降りて早速つかまったリクシャーの運ちゃんに聞くと、今日はガンガー・フェスティバルだったらしい。まったく狙ってないのに、何故か各地の祭を追いかけるような感じになっている。
あまりの人出で今晩はお目当てのFriend's GHになど近づけないと言うので(行ってもどうせ満室だったろうし)、運ちゃんお勧めのホテルに連れて行ってもらった。二軒目のホテルにあっさり空室があり、ホットシャワー付きで250Rと高くもないので決定!とりあえず一泊だけするつもりが、最低二泊でないと泊められないと言うので仕方なく二泊することに。中国人のメイシーとリクシャーをシェアしてきたので、リクシャー代は35Rで済んだ(3人で50R)。
夜遅いので夕食もホテルのルーフトップ・レストランで済ませた。値段はちと高いが、味は久々にヒットであった。宿のオーナーがけっこう親切な人で、バラナシの地図を広げて色々見所などを説明してくれた(まぁ、半分は営業活動ではあったが・・・)。
話を聞いてたら、いの一番にボートから朝日を眺めるのが良さそうに思えてきて明朝行くことにしたのだが・・・。

2010/1/16 土
約束の朝7:00にホテルのレセプションで待っていると、ボートの事務所から派遣されてきた男が現れた。なんと一人一時間400Rと言う。そりゃあまりにも法外じゃねーか?「高い!」と言ったら、300R、200Rと値段が下がる。彼が事務所に電話して、彼のボスとも話したが一人一時間300Rが公式のプライスだと言う。本当かね?昨晩ホテルのマネジャーも言ってたが、悪質なボートが多いため政府が認可した正式なボートがあるらしいのだが、本当だろうか?で、TAXも何もかも込みで一人一時間300Rらしいのだが、本当にそんなガバメント・プライスなるものが存在するのだろうか?昨日のリクシャーの運ちゃんも50Rくらいから乗れると言ってたし・・・。
遅れて現れたメイシーもやはり高いと言う。そのうちにホテルのマネジャーも現れて、乗るのか乗らないのか、何故乗らないのかといった揉め事になる。結局、面倒なのでキャンセルすることにした。せっかく来てくれたボートの兄ちゃんには悪いが、曇っていて朝日などまったく見られそうにないし・・・。ホテルのマネジャーも不機嫌になってしまい、いきなり気まずい雰囲気になってしまった。
そのままちょっと歩いてガンガーに出ると、さっきのボートの兄ちゃんがいてしつこく勧誘してきた。最終的には一人50Rにまで下がったが・・・お前は正式なボート屋じゃなかったのかよ!こうなってはもはやお金の問題ではない。きっぱり断る。が、あまりにしつこいので一度ガンガーから離れ通りを歩いてメイン・ガートに行く。
滞在しているホテルはShivalaガートの近くらしく、メインのDashashwamedhガートまではけっこう遠かった。メイン・ガートの近くにたくさんある安宿の中から目ぼしいところを選んで値段など聞いてみた。Friend'sとShivaをのぞいてみたのだが(当然ながらどちらも満室)、Shivaの方が印象が良かった。明日になれば部屋が空くらしいので、今の宿より100Rも高いが、感じのいいShivaに引っ越すことにした。
今は乾季なのでガンガーの水位が低く、ガート沿いに歩くことができる。対岸に見える砂漠のように広大な砂地も雨季には水没するらしいが、今ははっきり現れている。対岸は不浄の地とされ人は住んでいない。
ガートに沿って帰る途中、Harishchandraガートを通る。ここはガンガー沿いに二つある火葬場のうちの一つだ。
はじめて人が焼かれるところを見た。美しい布に包まれた死者はガンガーの水に浸され、ガートから下りた川岸に積まれた薪の上で焼かれる。竹で組まれた担架のようなものに乗せられて次々と死者が運び込まれ、ガートには死者を焼くための大きな薪が堆く積まれている。
一体がちょうど火に包まれ始めたところを見て最初に感じたのは「日常」である。こんな非日常的な出来事を見て何故そう感じたのか自分でも不思議だが、とにかくそう感じたのだ。火葬の風景が人や動物を含めた周りの風景にあまりにも溶け込んでいたとも言えるし、生と死が同居しているとも言える。すぐ横の河辺には洗濯板が並べられていて一心不乱に洗濯している人もいれば、その脇で沐浴している人もいる。火葬の炎に濡れた布をかざして乾かしてる人もいれば、その横では子犬が死んだ子山羊か子犬を食べている。既に火葬を終えた灰の上では犬が丸くなって暖を取っているし、その近くでは他の場所同様、子供が元気に凧揚げをしていたり、牛や犬がゴミを漁っていたりする。
一体焼くのに三時間要す。ガートの先端の鉄柵に寄りかかって一時間くらい見つめていただろうか、一人の老人に声を掛けられた。「ツーリストならもう十分だろう、遺族が見なきゃならんので」と。どの人たちが遺族の方なのかわからなかったが、恐縮して慌ててガートを後にした。
18:00からメイン・ガートにてプージャー(礼拝)を見た。プージャーは派手だ。明るい歌と音楽に合わせて若い聖職者が燭台の火を掲げたり、花びらをばら撒いたり、聖水?を撒いたり。最後の方では、見てる人も一緒に聖職者の声に続けて合唱する。宗教観の違いからか、神聖な空気はまったく感じられず、まるで舞台でも見ているような気分だった。つい先程まで見ていた火葬のシーンとのギャップがあり過ぎて何とも言えぬ不思議な感覚に陥った。目にした現実を自分の中でまだ整理できていないらしい。

16jan2010 プージャー4 灯篭売りの少女 16jan2010 プージャー10
プージャーの会場で灯篭を売る女の子       やたらと明るい雰囲気のプージャー

2010/1/17 日
メイシーともども10:00にチェックアウトしてShiva GHに引っ越す。今日まで二日滞在したElvis GHも安くてよかったのだが、あまり感じがよくない。チェックアウトの時もTAXということで一人につき40Rとられたが、色々泊まった中でこんなのは初めてだ。ShivaはElvisより100Rも高いことになるが、窓からガンガーが望め、メイン・ガートにも近い立地代といったところか。
今日は昨日より天気が悪く、薄い靄がかかっていて暗い。屋上で食事してから、ガート沿いを下ってManikarnikaガートへ。
Manikarnikaガートはメインの火葬場で、昨日見たHarishchandraガートよりずっと大きい。焼かれる遺体も多く、24時間火葬の煙が途絶えることがないらしい。
日曜だからか、それとも寒いからだろうか、たくさんの人と動物でガートはごった返している。人も牛も犬も火葬の炎で暖を取っているのだ。Harishchandraガートでは同時に三体が焼かれていたが、ここでは二十以上の炎が上がっている。炎の間をぬって死者がひっきりなしにガートに運び込まれてくる。堆く積まれた薪の量も半端じゃない。船で次々下流から運ばれてくる。
焼かれる死者をボーっと眺めながら感じたのは「無常」である。「諸行無常」、「儚さ」とでも言おうか。炎の揺らめき越しに、鮮やかな布に覆われた遺体が河辺に向かって運ばれてくる様子は幻想を見ているようだ。脇に寄せられたとある遺体には、親族の人たちが取りすがって泣き崩れている。ゆらゆらと炎に揺らぐ不毛で広大な対岸の砂漠は、まさに彼岸に見える。
焼かれるに従い、死者の足がゆっくりと持ち上がる。そのうち突然、ガタッと崩れ落ちる。地面に落ちた足を、火葬の仕事をする人が竹でつまみ上げて炎の中に戻す。火葬が進むと、燃え残った炭のような死者の一部は竹で叩かれて崩される。薪とともに一体が燃え尽きるのにおよそ三時間、後にはほとんど何も残らない。すべて白い灰と化す。諸行無常の響きあり。
こんなところにもチャイ売りは現れる。「チャイ、チャイ、チャイ」と叫びながら炎の間をぬっていく。なんたるバイタリティーか。炎の横では、発情した牡牛が奮闘虚しく牝牛に拒絶されている。生と死の同居した混沌とした世界。
死者を焼く薪はかなりの大木(サンダル・ツリーという特殊な木らしい)を解体したものだ。焼く前に死者にかける木屑のような粉を量り売りするおっちゃんに聞いたら、一体焼くのに60,000Rかかるらしい。インドの物価を考えるとかなりの高額だ。あの世へ行くにも金が掛かる。

17jan2010 ガート8 17jan2010 ガート10
ガンガー沿いにガートが連なる             生と死の混在する混沌とした世界
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Comment 11

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まいまいですよ。  

アレレレ?田舎暮らししていたハズなのに・・・

いや~、こんな事になってたんですね。

人生は、分かりませんね。

そのバイタリティは、どっから沸いてくるの?

このパワーをスバル社内で発揮していれば、今頃・・・・

まあ、中間管理職でヒーヒー言ってますね、きっと。

ちなみに、ムラッチは下半身も世界標準サイズ?

私のはJIS規格です。

それと、私のブログネタで使ってもOK?

いやん、もう、書いちゃうんだから!

(41才、男です。)

2010/01/19 (Tue) 22:20

ゆうこ  

No title

アン 素敵なはがきをありがとう❤  

やっとここまでたどり着いたよ。

健康第一!体に気をつけて楽しい旅を続けてね。

私もヨガに乗馬に日々楽しんじゃってます(*^_^*)

またね。ダーリンによろしく。

2010/01/23 (Sat) 20:26

かよこ  

No title

おーい!ウチにも来た来た。はるか遠いインドからの手紙♪
元気に楽しんでるようですね。
おいしい物いっぱい食べてオモシロイ物いっぱい見つけてね。
時々地元の事も思い出して・・・って言ってもいまいち特徴ないのよね(;一_一)ぐんまちゃん&栃木。んじゃまたねー。

2010/01/23 (Sat) 23:15

やなん  

No title

おにし~! 板倉にもハガキ届いたよ~!!
ホント毎日刺激いっばいの日々を送ってるみたいで羨ましいよ(^=^)

私は相変わらずの病院通いだけど、1月からちょっと休んでボードに行ってるよ。
やっばり気分転換も必要だし、ストレス溜めてちゃいいことないからねぇ。

おにしはまだまだ長~い旅路だけど、ホント体だけは壊さないようにね。
またハガキが届くの楽しみに待ってるからね♪

それじゃあ、思う存分毎日を楽しんでね~☆☆


2010/01/25 (Mon) 14:23

マユミ  

No title

>ゆうこりん
ハガキが無事に届いて安心しちゃった。なんせインド発だったからね。
ヨガといえばインドが本場。ヨガしに来る人たくさんいるみたいだよー。
またどこかからフラッとハガキ出すね!

>かよこ
今はネパールにいて、風景が日本に似てるのでよく思い出してるよ<群馬&栃木
インフルエンザ大丈夫? まだまだ寒いでしょ。体に気をつけてね~

>やなん
心配ありがとう。しかし、この1週間は絶不調で苦しかった。ようやく復活の兆し。
やなんもほどほどに、頑張ってね、イロイロ。ボードで怪我しないようにね~!

2010/01/27 (Wed) 16:59

なかっぴー  

No title

>まいまいさん
お久しぶりです。
そうなのです、人生はわかりませぬ・・・悔いの残らぬものにしたいもんですなぁ。
ブログネタにどんどん使ってくだされ。
ネタは随時供給していきますよって。

2010/01/27 (Wed) 17:10

おぎ  

No title

アン、このブログを通じて、かよちゃん、ゆう子、やあなんとも繋がってるなぁーって、嬉しくなっちゃったよ。
先日、マットママの関係で出席したチャリティーパーティーで、サリーを着ました。
リトルインディアのプンジャビ出身のドレスメイカーに仕立ててもらったよ。。
なんか、インドにいる村田夫妻を思い出した夜だった。。。。
偶然とはいえ、なんかインドつながりだなーって。
会場の人全員で映画「スラムドッグ ミリオネア」のダンスを踊ったよ。
本場インドは、きれいなサリーがたくさんだよねー。

最近、こちらはStomach flu が流行っています。。
アンは、調子よくなってきたかしら。。。
お大事にね



2010/01/31 (Sun) 11:57

マユミ  

No title

>おぎちゃん
サリーって着るの難しそう。インドでは派手なサリーをばーちゃんが着てたりするので、ついつい見つめてしまう。ネパールでもサリーを普通に着てるね。
おなかの調子は、良くなったなぁと思って油断すると翌日また悪くなってたりして、本当に辛かった。今度こそ、本当に復活したと思う。

ところで、オリンピックもうすぐだよねー。盛り上がってる?

2010/01/31 (Sun) 15:35

ゆうこ  

No title

はろう! 

おぎちゃん添付ありがとう。サリー姿、とても美しかったわ(*^_^*) 

昨日ね、やーなんとダイアナに会いました。
ダイアナがアンによろしくって言ってたよ。

みなさん相変らずで、お腹がよじれるほど笑ったよ。


そういえば、、、インドで「鬼は外」やったかな?

2010/02/10 (Wed) 19:18

おぎ  

いよいよだよぅ

Hello! 明日、いよいよオリンピック開幕よ。。。
今通ってる大学の生徒がトーチリレーに参加して、学校でお祭り騒ぎだったのよ。。。
カメラ持って張り切って行ったのに見事に見逃したよ。。。

いよいよだよ。。。
なんだか、ドキドキワクワクしてる。。。
明日は、開会式の会場付近でクラスメイトたちと飲んでお祝いするよー。
冬季オリンピック史上初の室内での開会式なんだって。。。

アン。。。。インドで放送はあるのかしら。。。。。

2010/02/12 (Fri) 14:28

マユミ  

No title

>ゆうこりん
やーなんとダイアナ、相変わらず元気そうだね。
節分のことはすっかり忘れてて、気付いたらもう過ぎてた・・・ま、日本にいても「鬼は外」やらないんだけどね。

>おぎちゃん
オリンピック開幕おめでとう~ 今回は上村(旧姓?)愛子ちゃんと浅田真央ちゃんに大期待。室内の開幕式ってどんなだろう?
ここ数ヶ月、東南アジア&インド回ってたんで、ウィンタースポーツとは無縁で、冬季オリンピックの話題もまったくナシだったなぁ。
今は香港に来てるんだけど、香港は緯度は南なのに寒いよ。

2010/02/13 (Sat) 15:33

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