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アジア系遊牧民の末裔たちの国ハンガリー その2 ラスローの家

2011/10/15 土
始:9:30 ~ 終:12:30/18:35 走行:45km
~ Jászágó ~ Pusztamonostor ~ Jászfényszaru ~ Boldog ~ Tura ~ GalgahévÍz ~ HévÍzgyörk

今朝は快晴!ハンガリー入国以来一番の天気。
でもその分冷え込んだ。霜が降りてテントが真っ白だった。7:00前の気温は氷点下、寒いわけだ。10月中旬にしてこの気温は恐ろしい。
ちなみに標高が高いわけではまったくなくて、今いるところの標高はおそらく数十メートル。やはりヨーロッパって寒いんだなぁと実感。これまでヨーロッパには夏しか来たことがなかったから新鮮な驚き。
食事を済ませてから即、日の当たっている牧草地に荷物もテントも移動した。お日さまってのはありがたいねぇ。

フライは乾ききらず、濡れたまま撤収して出発。もちろんカッパはずっと着たまま。
途中Jászfényszaruのスーパーで今日もTejfolを食べ、その後も順調に進む。ブダペストが目と鼻の先になってきた。
予定ではいったんブダペストを北に迂回してVácでドナウ川を渡り、今日のうちにその南にあるDuna-Ipoly国立公園のキャンプ場に入るつもりだったのだけれど・・・。

HévÍzgyörkに入ってすぐのGSにガソリンを買うべく立ち寄った。
ガソリンを買った後でコーヒーを飲んで休憩していると、GSでビールを飲んでいたおっちゃんたちに話しかけられた。言葉がわからないのでまったく会話にならないのであるが何故か意気投合。いきなり一人のおっちゃんがケーキとコーラを奢ってくれた。
別のおっちゃんはうちに来て飯を食っていけと言う。特別腹が減っていたわけではないのだけれど、こういう誘いは極力断らないようにしている。
ありがたくお言葉に甘えることにした。

ケーキを奢ってくれたおっちゃんたちに礼を言って別れ、自転車を押してそのおっちゃんの家に案内してもらった。
おっちゃんの名前はラスロー。家はGSから歩いてすぐだった。
大きくてきれいな家。誘ってくれたときはなんとなく一人暮らしのおっちゃんかなぁと思ったのだが、どうやら家族で住んでいるらしい。家には誰もいなかったが、何人かの人たちが暮している形跡があった。
ラスローは早速、冷蔵庫の中にあった料理の残りを火で温め直して出してくれた。ハンガリーの家庭料理=柔らかくてとても美味しい肉料理だった。

庭に馬車があったのでもしやと思っていたが、ラスローは馬を飼っていた。
食事の後馬小屋に案内してくれて自慢の馬を見せてくれた。馬小屋の中にいたのは、馬のバートルと犬のレックス。
馬・・・可愛いなぁ。ラスローにすごくなついている。バートルに餌をあげたり、背中に乗せてもらったりした。
しばらくすると、バートルを外に出すと言う。バートルも大喜び。ついでにレックスも小屋から出してもらって大はしゃぎ。

ポカポカの陽だまりでしばしバートルと戯れていると、ラスローがおもむろにバートルに馬車を引くための馬具を着け始めた。自分らを馬車に乗せてくれるらしい。やった!
おとなしく佇んでされるがままに馬具を着けられているバートル・・・萌え~
準備ができたところで馬車に乗せてもらって出発!レックスもお供でついて来る。
いつもの散歩コースがあるらしい。バートルも心得ていて、分岐も迷うことなく勝手に目的地に向かって歩いてゆく。近くに釣りのできる湖があり、そこへ行くらしい。
何と言っているのかわからないが、ラスローがバートルにかける陽気な掛け声が面白い。
湖に着いてラスローの友人とおしゃべりをして引き返してきた。小一時間ほどの馬車での楽しい散歩。
それにしても馬のパワーはすごいなぁ・・・。家に着いたところで褒美のリンゴをあげる。いつもそうしているようである。

さて、バートルと楽しい時間を過ごしているうちにすっかりいい時間になってしまった。もちろん今から予定していたキャンプ場には行けない。どこか適当なところで野営だな、とマユミと話していたら、ラスローから神の声(神の声は聞き取れないから半ば推測による)。
「泊まるところが決まってないならうちに泊まっていけ」と。
ありがたい!
すぐにラスローが奥さんに電話してその旨告げている(想像)。やけに電話が長引いていたからちょっと嫌な予感はしていたのだが・・・。

電話を終えたラスローがOKだと言ってさっそく二階の部屋に案内してくれた。
ベッドの上に毛布や枕を出してくれて、これを使えと言ってくれる。「シャワーもあるし、必要なら洗濯機も使っていいぞ」とも。
「うちのが帰ってきたらディナーだからそれまでのんびり寛いでいてくれ」なんてことまで言ってくれた。
ありがたい。実にありがたい。
しばらくすると、「腹減ったろ」と言って玉子焼きとソーセージとパンを持ってきてくれた。ちょうど腹が減っていたこともありこれまた実に旨かった。一方で、「今あまり食べ過ぎちゃうとディナーが食べられなくなっちゃうな」などとマユミと二人で余計なことまで考えていた。
ホントにありがたい。
ラスローの家には息子さんが二人いて、ちょうど家にいたので挨拶を交わす。
彼らは英語が話せて、「酒は好きかい?」とか「ディナーのときにハンガリーの酒が飲めると思うから楽しみにしていて」とか、とてもフレンドリーに話をしてくれた。
すっかりその気になる自分ら二人。

が、その後どんでん返しの結末が待っていた。

ラスローが宝くじを買いに行くと言って出て行ったと思ったら、階下で何やら話し声がする。
どうやら奥さんが帰ってきたらしい。挨拶せねばと思っていたら、すぐに二人が二階に上がってきた。
さっそく明るく挨拶するが、どうにも奥さんの様子がおかしい。どう見ても自分らを歓迎していない。辛うじて握手には応じてくれたが、手を差し出しただけで握り返してはくれなかった。
「あんたたちここで勝手に何やってるのよ」・・・目が冷ややかにそう言っている。悪いことにラスローが自分らを通してくれた部屋は奥さんの部屋だったようだ。
すぐに自分らの前で口論を始める二人。いや、口論というよりラスローが一方的に責められているのだが・・・。
電話では半ば押し切ったように見えたラスローであったが、奥さんを目の前にするとたじたじ・・・じっと目を閉じて奥さんのマシンガン・トークに耳を傾けるのみ。
どうにもばつの悪い雰囲気。
ラスローは「大丈夫だから・・・」と言ってくれているが、どう見ても大丈夫じゃねぇだろ、これは・・・。
「大丈夫だから・・・」と自分らを部屋に残し、ラスローが奥さんをなだめながら階下へ降りていったが、一階からも奥さんの激しい怒り声が聞こえてくる。
じっと目を閉じて耐えているラスローの姿が目に浮かぶ・・・。
奥さんが帰ってくる前にシャワーを浴びたり洗濯をしたりしてなくてホントよかったよ~。

予想もしなかった展開に目が点になる自分ら二人。
これはもう泊めてもらうどころの騒ぎじゃなくなった。ここまで露骨に嫌悪感をあらわにされたらとても無理。こんな状況でのんきに居座れるほど図太くないし・・・おいとますることにした。

すっかり部屋に運び入れてしまった荷物を速攻でまとめ、階下に降りてラスローに声をかける。
ラスローはとても申し訳なさそうに「ごめん」と言っていた。自分らの名前と連絡先を渡し、丁重に礼を言って家の外に出る。
ラスローが家の外まで見送りに来てくれた。
礼を言って家から出ても、荷物を自転車に積まなきゃならんからすぐには出発できず、これまたばつが悪い。
速攻で積んでラスローの家を後にした。ラスローは最後の最後まで申し訳なさそうに謝っていた。
気にしないでくれ、ラスロー。自分らなら大丈夫だから。

とは言ったものの、すごく困った。
時刻は既に17:30、日没の時間だ。すぐに暗くなる。こんなことなら奥さんにあと一時間、いや三十分でも早く帰ってきてもらいたかった・・・。
とりあえずこれから向かう方へ走ってみたが、どうにもテン場がなさそうなので途中で引き返す。引き返す途中、レックスを連れて宝くじを買いに行くラスローとバッタリ会った。
引き返した先にもテン場は見当たらず、またGSのあたりまで戻ってきた。
さっき馬車で行った湖の方へ行くしかねぇか・・・と考えながら路地に入ると、ラスローの家の前に出てしまった。
あっ・・・!マユミは気付かなかったらしいが、そこには近所のおばちゃんと立ち話をしている奥さんがいた・・・。
「あんたたちまだこんなところにいたの」・・・また冷ややかに目がそう言っている。怖ぇぇぇ・・・
即Uターンして別の道から湖にアプローチすることに。坂を上ってまた下り・・・この道で湖に出られるのかどうか半信半疑のままペダルを回す。途中で日が暮れた。夕焼けがきれいで、こんな緊急事態の中自転車を止めてしばし夕日を眺めた。
さらに走ると、先ほど馬車で走った見覚えのある場所に出た。どうやらこの道で湖に行けるらしい。
湖にはゲートがあって勝手に入ってはまずそうなので(おそらく有料の釣り場になっている)、ちょっと戻って牧草地の隅に幕営させてもらった。
先日に続き真っ暗闇の中、ヘッドランプを灯しての設営となった。ふーバタバタした一日だった。
昨晩からフライのジッパーの調子が悪い・・・。

15IMGP7556_サイズ変更 15GSでラスローたちと会った_サイズ変更
ハンガリー入国以来一番の天気!           GSでラスロー(右)に会った

15ラスローの家へ_サイズ変更 15バートル_サイズ変更
ラスローの家に連れてってもらう             愛馬のバートル

15P1110668_サイズ変更 15P1110674_サイズ変更
スゲェかわいい                       おとなしく佇んで馬具を着けられるの図

15バートルの引く馬車で散歩_サイズ変更 15P1110681_サイズ変更
準備完了                           いつもの散歩道

15P1110683_サイズ変更 15ラスローの家に泊まれるかと思ったが・・・ここは奥さんの部屋_サイズ変更
湖まで小一時間ほどの散歩               ラスローの家ですっかり寛いでいたが・・・

15P1110689_サイズ変更 1510/16の朝 この日も冷え込んだ_サイズ変更
緊急事態でも美しいものは美しい            牧草地の隅(翌朝撮影)
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