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アジア系遊牧民の末裔たちの国ハンガリー その1 ハンガリー平原をゆく

2011/10/11 火
始:11:55 ~ 終:18:30 走行:40km
~ Noszatiszta ~ Bánk ~ Debrecen

朝起きるとどんより曇っていて暗い。そのうち霧雨も舞い始めた。
せっかく6:30に起きて準備を始めたのだが、天気が読めないのでしばらく様子を見る。
数時間経っても天気は良くも悪くもなりそうにない。停滞も頭にちらつく中、でもどうにか地図だけでも手に入れたい、と思い立ち霧雨のやんだ一瞬をついて昼前に出発。
一路Debrecenを目指す。

LétavértesからDebrecenまではきれいな森の中を走る気持ちのいい道だった。車は疎らだし、人もほとんど見かけない。
一転、Debrecenはちょっとたじろいでしまうくらいの大都市だった。
苦手な大都市、サイクリングに向いているとは思えない大都市。何をするのも一苦労で、抜けるだけでも大変だ。
まずは本屋を探し出して地図を購入。今後面倒なのでスロヴァキアとオーストリアの地図も一緒に買った。
本屋の隣にあった久々のマックに吸い込まれ、ルートの検討。本屋のおっちゃんも教えてくれた通り、まずは33号でHortobágyiを目指すことにした。

それにしても大都市ってのは疲れる・・・人も車も多くて気を遣う。抜けるだけでぐったりだ。
スーパーで食料の買い出しを終えたときには17:00を回っていた。ルーマニアの時間なら18:00、すぐに暗くなる。
途中GSで水を5Lもらっていよいよテン場探し・・・なのであるが、この33号というのが畑の中をズドンと走る高速道路のような道で、テン場がまったく見当たらない。
ボチボチ暗くなってきた・・・。
脇道に入っても畑しかなく、身を隠せるところがどこにもない。やむなく人の家の近くに幕営させてもらおうと声をかけたら断られ、そうこうしているうちにとっぷりと日が暮れてしまった。
暗闇の中交通量の多い33号を走るのはとっても危険。成す術なく道路脇の収穫を終えたトウモロコシ畑の隅に幕営。
薄い藪を挟んですぐに線路と道路、そこでヘッドランプを灯してテントを張る二人・・・完全に不審者だ。
遠くの畑では日が暮れてからも作業をしている人がいて、煌々と明かりを灯した巨大トラクターが時々近くを通る。一応、トラクターで通りかかったおっちゃんに声をかけてみたのだが、おっちゃんの土地ではないらしくよくわからないという返事。
ちょっと気まずいけどやむを得まい・・・今夜一晩だけ勘弁してもらおう。

今日は何をするにもうまく噛み合わなかった。
一つ確信したのは、もうこの国にはルーマニアまでのような素朴さはないということ。
西欧の世界に入ったのだろうな。

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Debrecenまでは森の中を走る気持ちいい道     都市部は嫌いだ

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道路脇のトウモロコシ畑の隅(翌朝撮影)

2011/10/12 水
始:9:05 ~ 終:16:00 走行:66km
~ Balmazújváros ~ Tiszacsege ~ Tiszadorogma ~ Hortobágyi

早朝は雲が多く霞がかっていたが、8:00頃になるとすっきり晴れた。風があるのでテントもすぐに乾いて出発。
2kmも走ると道の分岐があった。33号の北を迂回してHortobágyi国立公園を横切る道路だ。もちろんそちらを走る。
分岐を入ると、昨日の33号沿いが嘘のようにそこいらじゅうテン場だらけ。昨日あとたったの2km頑張ればなにもテン場に苦労することはなかったのに・・・。

BalmazújvárosのReálというスーパーで行動食の買い出し兼休憩。
ハンガリーに入ってからTejfölという乳製品にはまっている。ヨーグルトではなくて(ヨーグルトはヨーグルトとして別に売っている)、乳脂肪分20%という恐るべき食べものだが、チーズケーキのようでめちゃくちゃ旨い。たぶんこれだけで食べるものじゃないと思うけれど、Létavértesで初めて食べて以来病みつきになってしまい毎日食べている。400gをペロッと・・・。
ちなみに、乳脂肪分が12%ほどのライトなやつも売っているが、旨いのはがぜん20%のやつ。病みつきになる恐るべき食べものであるが、日本にも似たようなものがあるのだろうか?(ヨーロッパには、もちろん名称は違うけれど、同じ食べものがこれ以降どの国でも売っていた)乳脂肪をせっせと蓄えている毎日である。

幹線でないこういう細い道はいい。車は少ないし、小さな町や村を通るから土地の人たちと交流する機会も増える。
Balmazújvárosから数km走ると、Hortobágyi国立公園に入る。
昔は草原であったろうハンガリー平原は今ではすっかり耕されていて、ほとんどは農地となっている。昔ながらの草原は僅かに国立公園の中にその姿を留めているだけとなっているが、その中でHortobágyi国立公園は最大のもの。広大な草原が一面に広がっていて、にら科の糸のように細い草が生えている。
道路脇には所々野鳥観察用のやぐらが建っている。夏にはツアー客などでそれなりに賑わうのであろうが、今のこの時季には人もおらず静かなものである。
平原には何故だか雲が湧きやすいようで、天気がどうにも不安定。晴れていた空にどこからか雲が湧き、昼頃には一時雨も降った。道はまっ平らなのに風が強くてなかなか前に進まない。

Tiszacsegeまで来ると国立公園から抜ける。
ハンガリーはスズキの車がたくさん走っている。確かスズキはハンガリーで車を生産していたように記憶しているが、そのためか?とにかくよく見かける。
Tiszacsegeの先でÁroktőに抜ける途中、Tisza川を渡し舟で渡る。渡し賃は人と自転車で270Ft。車とかトラクターとか、それなりに利用者がいる。
川を渡ってÁroktőに向かおうとしたところ、川から少し離れた土手の上に自転車道を発見。地図にはもちろん出ていないけど、川沿いに走った方が近いし、快適そうだったので自転車道を走ることに。
静かで快適・・・そして何より道の脇はどこでも幕営可能という最高のロケーション。疲れたところで走るのをやめて即幕営することが可能だ。
このままずっと自転車道を走ろうと決めたのであるが、今晩の水と食料がない。
10kmほど川を下ったところにある次の渡し場Tiszadorogmaでいったん村に出て買い出しを済ませた。ついでに水も5Lもらう。
これで完璧。再び自転車道に戻って川沿いに下る。と、2kmも走ると唐突に舗装が終わった。
それほど走りにくいわけではないのでそのまま土手の上を走る。車は来ないし、何よりここを走っている限りテン場に困ることはなさそうなのだから・・・。

ダートを数km走ると、再びHortobágyi国立公園に入った。飛び地のようになっているところだ。
さらに数km走ったところに格好のテン場を見つけた。時刻は15:30、この先はちょっと状況が怪しい・・・。一つ問題がある。国立公園内に幕営しても問題ないだろうか?
近くに聞ける人も誰もいないし、一泊だけ勘弁してもらおう、というまたまた勝手な都合で幕営することに。自転車を押して土手を下り、こんもりした藪を風除けにしてテントを張る。
と、ちょうどテントを張り終えた頃パトカーが一台通りかかった。そのまま通り過ぎないかなぁと思っていたのだが、テントのところでパトカーが止まり、二人の警官が土手を下りてこっちにやって来た。あちゃ~やっぱダメ?
やって来た警官に不自然なくらい明るくフレンドリーに挨拶。
ハンガリー語がわかるかと聞かれたが、残念ながら一言もわからん。
一人がテントの中をチェックし、特に怪しいものでないことがわかると、にこやかかにどこに行くのかだけを聞き、よい旅を!と言い残して去って行った。
国立公園内に特に幕営禁止の標示はなかったのだけれど、禁漁の標示はあった。思うに、密漁者の取締りのためにパトロールしているのではないかと・・・。テントの中をチラッとのぞいたのもそのためだと思う。
自分らは密漁者ではなく単なる旅行者!警察のお墨付きだから大手を振ってキャンプさせてもらおう。

1210/11のビバーク地 道路脇の畑の隅 暗かったので翌朝撮影_サイズ変更 1210/12出発する頃晴れた_サイズ変更
朝は天気が悪かったが・・・                出発の頃になるとスッキリ晴れた

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線路の向こう側に幕営していた              ハンガリー平原をゆく

12所々に野鳥の観察台がある_サイズ変更 12P1110637_サイズ変更
時々野鳥観察用のやぐらがある             Tisza川を渡し舟で渡る

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それなりに利用者がいる                  土手の上の快適な自転車道

12IMGP7509_サイズ変更 1210/12の野営地 自転車道の脇の草地_サイズ変更
途中からダートになって・・・               土手の下の草地に幕営(警官がやって来た)

2011/10/13 木
始:9:05 ~ 終:15:40 走行:68km
~ Borsodivánka ~ Poroszlo ~ Újlórincfalva ~ Sarud ~ Tiszanána ~ Kömlö ~ Hevesvezekéni ~ Heves ~ Jászszentandras

朝起きると今日もどんより曇っている。今の時季は毎日こんな天気なんじゃないかと思えてきた。
とにかく湿気がすごい。この湿気でテントなど乾くはずがなく、びしょ濡れのまま撤収して出発。
昨日に続き土手の上のダートを走る。この道、てっきりTisza川に沿って南西に走っているものと思っていたら、途中からどうも向かっている方角がおかしい。どうやら途中から川の支流に沿って西へ向かう道だったらしい。
戻るのも大変なのでそのまま走り続けると、8kmほど来たところで唐突に道が終わって舗装路にぶつかった。現在地がわからんがしばらく舗装路を西に走ると、出たところはBorsodivánka。なんのことはない、結局もともと走ろうと思っていた道路に遠回りして出ただけのことだった。

Borsodivánkaから南下する。
ハンガリーの道路は幹線以外番号がついていない。徹底的についていない。が、細い道でもそれなりに舗装されていて快適だ。
細い道を繋いで走っているもんだから、いったん南下してまた北上したり、かなり無駄な動きをしている。
10:00頃になると所々青空も見えたが、日が差さないのでとにかく寒い。

さて、ハンガリーは温泉国である。もちろん日本の足元にも及ばないが、国中いたるところにあってヨーロッパでは随一の温泉国になっている。
地図を見ていて、予定しているルートの近くに温泉とキャンプ場のある町を見つけた。キャンプ場の方はもうこの時季閉まっているところが多く期待薄であるが、温泉の方はきっとやっているに違いない。ルートからちょっと外れるのだが、Hevesから10kmほどなので行ってみることにした。ちなみに、ハンガリーにはキャンプ場がたくさんある。

Hevesのスーパーで買い出しを済ませ、いざJászszentandrasへ。
行ってみたらラッキーなことにキャンプ場も開いていた。そしてその隣に温泉がある。
久々のキャンプ場は5☆の快適さだった。トイレもシャワーもふんだんにあるからきっとシーズン中はごった返しているのだろうけど、今の時季はガラガラで貸し切り状態。他に1、2組いるだけ。年間契約で借りているのであろう人たちのトレーラーハウスだけがズラリと並んでいる。
シャワーはもちろん蛇口という蛇口から熱々のお湯が出て使い放題。これなら温泉に行く必要はなかろう、とシャワーだけで満足してしまい、結局温泉の方には行かなかった。ハンガリーの温泉は日本のように裸で入るところもあるのだが、残念ながらここは水着を着て入る温泉。それが面倒で(と言うか邪道で)敬遠したというのもある。
キャンプ場にはキッチンもあって電気コンロがふんだんにあったから、自前のMSRを出さずとも調理可能。しかも洗濯機と脱水機まであったから、ここぞとばかりに洗濯しまくり。
キッチンにテーブルがあるから食事もそこでできるし、設備充実のまさに5☆のキャンプ場だった。
久々に泊まると贅沢だな、キャンプ場って・・・。
ちなみに、テント一張り二人で一泊2,650Ftだから、ドイツやオランダのキャンプ場に比べて格段に安い。

ここからブダペストまでは幹線の31号を走れば100kmほど。一日で走れる距離であるが、細い道で迂回しながら走るつもりだからあと二日はかかりそう。
さらに、この荷物を持ってブダペスト市街に入るなんてのは考えただけでうんざり。どうにか近郊のキャンプ場を見つけて空身で観光したいと思っている。
ブダペストのような大都市には極力近づかないようにしている自分らであるが、どうしても見てみたい都市がいくつかあって、ブダペストはその一つ。

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引き続き土手の上を走る                 気持ちのいい田舎道

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天気がすごく不安定                    Jászszentandrasのキャンプ場

2011/10/14 金
始:10:35 ~ 終:16:15 走行:57km
~ Heves ~ Boconád ~ Tarnaméra ~ Zaránk ~ Erk ~ Tarnaörs ~ Visznek ~ Jászárokszállás

昨晩はきれいに晴れ渡っていたのに、朝起きるとまた雲が多い。
9:00頃一瞬日が差した隙に昨日洗濯したものを乾かし、のんびり出発。
とりあえずHevesまで来た道を戻る。日はすぐに陰ってしまい相変らず寒い。カッパが脱げない。

HevesでSPARとLiDL、スーパーを二軒のぞいて醤油を買う。ついでにハンガリーの代表的なスイーツであるショムローイ(somlói galuska)と、さらにTejfölをいただく。Tejfölの方はもう完全に病み付きで、一日に最低一個、毎日食べている(乳脂肪分20%という恐ろしい食べ物を・・・)。

HevesからBoconád方面に向かう道に入って西進。
Erkの先から時々雨に降られる。雨と言ってもずっと降っているわけではなく、リトアニアあたりで見舞われた雨のように雨雲の下から脱するとまた晴れる。
一度などみぞれ交じりの雨だった。いよいよそういう季節になってきたかなぁ・・・。
このあたりまで来ると、スロヴァキアとの国境に連なる山々が北にきれいに見える。山から吹き下ろしてくる北風が冷たい。
こういう冷たい風が吹き始めるとなんだか山が恋しくなってくる。日本の冬山の厳しさが懐かしい・・・。

それにしても広いな、ハンガリー。国土面積は日本の1/4ほどしかないのに、とにかく平らで国土の小ささを全く感じさせない。
ルーマニアの国境近くと同じように、白人顔の人たちに交じって色黒のアジア系の顔をした人たちを時々見かける(ジプシーではなくて)。ちょうどインドやネパールあたりの人たちのような顔立ち。この人たちこそ祖先のマジャール人に近い容貌を持った人たちなのだろうな、きっと。

Jászárokszállásという長い名前の町のスーパーで食料の買い出し。天気がとにかく不安定なので、いつでも幕営できるよう町外れの井戸で水を5L汲ませてもらう。水が飲め、かつ井戸でもなんでも公共の水場のある国というのは実にありがたい。

晴れているのにまた雨がパラつきだした矢先、道路脇の林の奥にテン場に格好な牧草地を見つけた。
牛舎か何かの建屋からわりかし近くて牧草地に幕営するのは気が引け、林の中にちょっと入った平坦地に幕営した。
日没頃になるとまた空が晴れてきて、牧草地の先の森に沈む夕日が久々にきれいだった。
例によって夜は無風快晴。明日はいい天気になるのかと毎晩期待を持たされるんだけどなぁ・・・。

ハンガリーはとても豊かだ。キャンプ場でもふんだんにお湯が出た。すぐ隣と言っていいモルドバのマルガリータのところでは頻繁に断水していたし、ガスもよく止まっていた。ウクライナでも蛇口からお湯が出るというのはかなり稀なことだった。
物質的な豊かさだけで人の幸福度というものは量れないけれど、人間社会というのは実に不公平なものであると思わずにおれない。日本に生まれただけで、基本的には誰でも今の豊かさ便利さの恩恵にあずかることができるのだから・・・。
晴れた星空を眺めながら、ふとそんなことを思った。

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これがTejföl・・・乳脂肪分20%!             今日も天気が不安定

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牧草地の隅                          日暮れ時になるとスッキリ晴れた
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