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肥沃な穀倉ウクライナはこの世の楽園 その5 オレックとヴァリエラと

2011/9/19 月
始:9:20 ~ 終:14:00 走行:49km
~ Смогриу ~ Балин ~ Дунаївці

今日も雲ひとつない快晴!夜通し南風が吹いていたためテントもカラカラ。今日も南風が強い。
朝から暖かくて、日本の春先を思わせるポカポカ陽気。

連結КАМАЗの激走する道を昨日に続いて南下。
6kmほど走ると分岐に差し掛かり、Дунаївці方面に向かう道に入る。連結КАМАЗはすべてКам'янець-Подільський方面へ。
ようやく連結КАМАЗとバイバイだ。

再び車の少ない快適な田舎道に戻った。
牛を連れた人をたくさん見かける。牛を一、二頭連れて近くの牧草地に行く人たち・・・実にのどかな光景だ。
ふと思う。ここではお金なんてほとんど意味がないんじゃないかなぁ・・・と。

連結カマスが消えて道がきれいになった。道を破壊して穴だらけにしているのは過積載の連結カマスに間違いない。
昨日に続いて今日も山岳ステージ。フロント・ギアがトリプルでホントよかったわ・・・。
これまで使い慣れた39Tを気合で回してきたけれど、30Tは一度使ってみると楽チンでクセになる。
トリプルのロードバイクに乗るのはこのキャノンデールが初めてなのだけれど、MTBと違ってタイヤより先にクランクだけクルクル回ってしまうということがなく、あくまで現実的な軽さ。コンポはアルテグラと105のミックス。使い慣れたロードのギア比だから自分にとって実に走りやすい。
ちなみに、このキャノンデールはなかなか考えられていて、荷物満載のツーリングで使うことは滅多にないであろうアウターの52Tはアルミ製である。

12.6%(標示がえらく細かい)の長い坂を下ったところがСмогриу。フロントのブレーキシューがありえない速度で減っていく。
Смогриуで行動食を買い足し、カフェでコーヒーを飲む。きちんと豆から入れたコーヒーが一杯40円ほど。
アップ・ダウンをこなしていくつかの集落を抜けると、Дунаївціに入る。ここで食料の買い出しをすることにしていた。

これまた急な上りを上り切ったところにДунаївціの町がある。
先行した自分がレーニン像の立つ町中の広場でマユミを待っていると、自分もバイクに乗っているというおっちゃんに声をかけられた。おっちゃんの名前はオレック。
マユミがなかなか来ないでおっそいなぁと思っていたら、上り坂の途中でクルミ採りをしていたおっちゃんの家で5Lのペットボトルに水をもらっていたらしい。クルミをもらったり、一緒に写真を撮ったりしていて遅くなったようである。
何故かオレックも「イタリア語は話せる?スペイン語は?」と言ってくる・・・ウクライナってラテン系の言語を話す人が多いのか???大半の人が話せるロシア語が第一外国語として、もしかしてイタリア語あたりが第二外国語?
お互い片言のスペイン語で会話すると、「うちでシャワーを浴びていかないか」みたいなことを言ってくれている。
ホ、ホントっすか・・・そりゃありがたい。

オレックの車に先導してもらって彼の家に連れて行ってもらう。
それにしても・・・ウクライナの人たちは本当に細かなことに気が回る。自転車で旅する人間を捕まえてシャワーを浴びたかろうなんて・・・普通気付かないよなぁ。
着いたところは集合住宅のようなところ。どうやら仕事場のようなところらしい。知人の鍵のかかる倉庫まで借りてくれて、そこに自転車を置かせてくれた。
洗濯機があって洗濯までできると言う。うっ・・・そんなことまで・・・本当にありがたいっす。

着替えと洗面具だけ持って部屋にお邪魔する。
洗濯機を回してくれている間にシャワーを浴びさせてもらう。き、気持ちよすぎる・・・熱々のお湯が出た。しかも浴槽まである。極楽じゃぁ~。
シャワーを浴びさせてもらっている間にオレックは買い物に行ってくれ、パンと玉子焼き、それからワイン?をご馳走してくれた。
何から何までホント申し訳ないっす。本当にどうなっているんだ、このホスピタリティーは・・・。ウクライナに入ってからのこの短い期間にお宅にお邪魔させてもらうのはこれで三度目・・・。
しかもオレックは、今晩泊まっていってもいいよとまで言ってくれる。
あぁぁ神の声。ホントに何とお礼を言ったらいいのやら・・・。ちょうど今日は早めに幕営しようと思っていた矢先のことだった。

19:00頃戻るから、と言ってオレックは仕事に出かけた。内装の壁塗り職人のような仕事をしている。
会ったばかりの見知らぬ外国人に家を自由に使わせてくれるなんてことがあり得るのか???脱帽だ。いつかウクライナの人たちに恩返しがしたい。
お言葉に甘えて彼が仕事に出ている間、ソファーベッドで昼寝をさせてもらった。

19:30過ぎにオレックが仕事から戻った。ちょっと外に出ようと言われ、車で一緒に出かける。
まず向かったのは町にある魚屋。「日本人は魚を食べるだろ」と言ってコイを二匹買ってくれた。水槽で泳いでいたやつをその場で絞めてもらう。
ちなみに、バルト三国のスーパーの水槽で泳いでいたのはドイツゴイであったが、ここのは日本にいるのと変わらないコイだった。
今手がけている仕事場に案内してくれた後、集合住宅からちょっとはなれたガレージに車を置く。そこでオレックの友人のヴァリエラと合流し、家に戻った。

すぐにヴァリエラが買ってきたコイを唐揚げにしてくれた。出来立ての唐揚げにサラミとパンをいただきながらウォッカやらワインをいただく。
例に漏れず二人ともべらぼうに酒が強くてまったくついていけない・・・。飲み方はやはりオクサーナのところと一緒、グラスに注いだウォッカを一気に空けます!えらい勢いでグイグイいくから、ウォッカの瓶などあっという間に空いてしまう。
ちなみに、この人たちにとっておそらくビールやワインはアルコールのうちに入らない。まさに水感覚ですな、その飲みっぷりは・・・。

オレックの家族の住む家はДунаївціから離れたところにあり、どうやらこの集合住宅はオレック一家が昔住んでいた家っぽい。今は仕事の関係でオレックが単身赴任しているようである。
昼間はイタリア語とかスペイン語とか言っていたが、実はオレック自身が得意なのはポルトガル語だ。(ちなみに、マユミが電話でちょっと話した奥さんもイタリア語を話せた。)
そんなわけでポルトガル語を交えながら話をしてくれるのであるが、もちろんスペイン語から類推できる程度のことしか理解できない。
'81年にはソ連軍としてアフガニスタンに行ったと言っていた。アフガニスタンは山がとてもきれいな国だったと言っていたのが印象的だった。

0:00過ぎにお開きとなってヴァリエラを外まで見送った。
オレックは「明日も泊まってゆっくり休養していけ」と・・・。あ、ありがたいっす。喜んでお言葉に甘えさせてもらうことに。

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馬車とばあちゃんと                     地名解読中

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お金なんてここでは無意味ではないかとふと思う    水とクルミをくれたおっちゃん

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ヴァリエラが新鮮なコイを唐揚げにしてくれた

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オレック(右)とヴァリエラ(左)

2011/9/20 火
昨日あんなに飲んだのに、オレックは7:00前に起きて掃除などしていた。8:00過ぎまで寝させてもらってパンとお茶の朝食をいただく。なんか悪いなぁ・・・。
8:30過ぎにオレックは仕事に出かけていった。今日も得体の知れぬ外国人に家を自由に使わせてくれるオレック・・・本当にスゲェなぁ・・・。
溜まりに溜まった写真の整理をしたり、お返しのウォッカなんかを買いに町中をぶらぶらしたりして一日のんびりさせてもらった。天気は今日も快晴である。

14:30頃、オレックはわざわざ自分らの昼食のためだけに一度家に戻ってきてくれた。ホント申し訳ないっす・・・。
どこで手に入れたのか、カブの美味しいスープをご馳走してくれた。
午後も調べものをしたりしてのんびりさせてもらった。

20:00過ぎにオレックが帰ってきて、車で一緒に出かける。
今日最初に向かったのはオレックの奥さんの妹さんの家。どうやら奥さんの実家であるらしい。
妹さんのイーヤが温かく迎えてくれて、オレックがキッチンの水道管を修理している間、ワインやらコーヒーをご馳走になる。
昼にいただいたカブの美味しいスープを作ってくれたのもイーヤだった。
昨日オレックに家族の写真を見せてもらったけれど、イーヤはオレックの奥さんにそっくり。

結局、オレックの持参した部品が合わなくて水道管は直せず、また明日ということになった。
お茶を飲みながらイーヤとおしゃべりをして楽しいひと時を過ごす。
帰り際、一緒に写真を撮ろうと言うと、「ちょっと待って」と鏡に向かって慌てて髪を整えたりたりするお茶目な女性。そんなイーヤは未だ独身。「誰か日本にいい人いないかしら・・・」と明るく笑っていた。

イーヤの家をおいとまし、オレックの車をガレージに置いて夜道を歩く。
今晩も途中でヴァリエラと合流。この二人は見ていて羨ましいくらい仲がいい。
町中の食堂で夕飯をご馳走してくれた。もちろん二人はウォッカをグイグイ空けちゃう。すぐに一瓶空になる。
オレックがポルトガル語を話せるのは、長くポルトガルで仕事をしていたことがあるからということだった。自転車もその時ポルトガルで買ったと言っていた。
この食堂の内装もオレックが手掛けたものであるらしい。

大の仲良しのオレックとヴァリエラはどうやら戦友でもあるらしかった。二人は本当に仲がよく、言葉はわからないが見ているだけでこっちまで楽しくなってくる。なんかこういうのって素敵な人生だなぁ・・・。
ちなみに、ヴァリエラはタクシーの運ちゃんである。

オレックは明日は仕事がないらしく、さりげなく「もう一泊していくかい?」なんて言ってくれたけれど、毎日毎日ご馳走になっているのも心苦しくて、明日は発つことにした。
23:00で食堂が閉まり、ヴァリエラと別れてオレックの家に帰った。

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昼時に自分らのためだけにわざわざ戻ってきてくれたオレック

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イーヤの家にて

2011/9/21 水
始:9:50 ~ 終:17:30 走行:73km
Дунаївці ~ Соснівка ~ Мйньківці ~ Нова Ушиця ~ Муровані Курилівці

今日も快晴!しかもここ何日かと違って風もない。絶好のツーリング日和である。
オレックは休みの日でも朝が早い。やはり7:00前には起きてあれこれガチャガチャやっていた。
自分らのために朝早くから玉子を買いに行ってくれ、パンと玉子の朝食を準備してくれた。
今の自分らにはウォッカのお返しくらいしかできない。いつかオレックやヴァリエラを日本に招くことができたらよいのだけれど・・・。
現実にはなかなか難しい。経済面を考えただけでも、日本人のように気楽に旅行できるなんていうのはごく一部の限られた国の人たちだけだ。特に物価の高い日本に来るとなると、来られる人はさらに限られる。そうとはわかっていても、いつか日本に来て欲しい。その時はうちに何泊でもしてくれ。
ちなみに、日本人はビザなしでウクライナに入国することができるが、これはウクライナ側の一方的な措置で、ウクライナ人が日本に入国するには依然としてビザが必要である。
こういうところも不公平だと思うんだよなぁ・・・別に日本が悪いわけじゃないと思うけど。(通常ビザというのは相手国間との相互協定による)

ガレージから自転車を出して荷物を積んでいると、ヴァリエラともう一人の友人アレックスがともに自分のタクシーでやって来た。オレックが電話してくれていたのだ。よかった・・・ヴァリエラにもきちんとサヨナラが言える。
ひとまずガレージの前で記念撮影。そのままオレックがマユミのドーズを押して町外れの国道まで送ってくれた。
そこにまたヴァリエラとアレックスもタクシーで乗りつける。周りにいた人たちも交えて再び写真を撮る。昨晩からオレックやヴァリエラと別れるのが辛くて気が重い・・・。
唯一アレックスがメール・アドレスを持っていたので教えてもらう。

オレックもヴァリエラも電話番号を教えてくれていた。
別れ際、「ウクライナで何か問題があったら車で飛んでいくから電話してくれ」なんて泣けることを言ってくれる。
笑顔で見送ってくれる人たちに手を振って自転車を漕ぎ出す。
今晩、オレックとヴァリエラの二人で自分らのことを話しながら置いてきたウォッカを飲んでくれることだろう。

Дунаївціを出てしばらくすると地形がだいぶ山がちになり、本格的な山岳ステージになってきた。
九十九折の坂を喘ぎながら上る。
が、相変らず上り以上に辛いのが長い下りだ。道が悪すぎ・・・止まるくらいまで減速しないと自転車がぶっ壊れる。常にフルブレーキング状態で腕がパンプしそう。フロントのブレーキシューもあり得ない速さで減っていく。
このあたりは坂を下ったところ、もしくは上り切ったところに集落がある。
相変らずウクライナの人たちはフレンドリーで、自転車を止めるたびに寄ってきて声をかけられる。

Нова Ушиця で道が分岐し、Муровані Курилівці方面に進路をとる。
Муровані Курилівціに入る直前の坂は激坂だった。いったい何%の勾配なのか・・・?30Tで上れるほぼギリギリのところだぞ・・・。
ここで食料の買い出し。
Муровані Курилівціまで来ると、モルドバ国境は南に40kmほどのところ。
が、さらに東の国境から越境すべくウクライナをもうしばらく走る。

Муровані КурилівціからВінниця方面にルートをとる。
買い出しをしていつでも幕営可能になったが、なかなかテン場が見当たらない。森や牧草地が姿を消し、あたり一面畑になってしまった。
Муровані Курилівціを出てからテン場を探し始め、結局10km以上走ってようやくテン場をゲット。林で道路から遮られた畑の隅。
トラクターでならしてあっておそらく麦畑になるのであろうが、とりあえず何も植えられてなさそうなので一晩だけ勘弁してもらうおう。

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オレックのところを発つ朝

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オレックが国道まで送ってくれた

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ヴァリエラとアレックス(左から二番目)も駆けつけて見送ってくれた

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道路破壊の元凶、連結カマス              とある峠

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隊列を組んで道路を渡るアヒル隊長・・・一応焦っている    畑の隅に幕営させてもらった
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