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タフムルコ(4,220m)

グアテマラは国内に37の休火山、活火山を持つ有数の火山国。3,000m以上の山が14もあるらしい。
タフムルコはグアテマラ最高峰にして中米最高峰(メキシコは北米だから・・・)。独立峰で、双耳峰の休火山である。
他の中米諸国の山と同様、見映えのしない山容をしていてあっけなく登れてしまうが、山頂からの眺めはなかなか素晴らしかった。
入山口までのアプローチがいたって容易で、入山口から山頂まで登り3時間半、下り2時間ちょっとの行程。往復5時間半というのは明らかに日帰り登山のスケールであるが、シェラから入山口までバスで2時間半ほどかかる。よって通常は、朝シェラを出て山中で一泊することとなる。
標高こそ4,220mもあるが、ダラダラとした登りが続き、低山ハイクといった内容。曲がりなりにも山っぽいのは最後の溶岩ドームの登りのみで、危険な箇所も特にない。
が、、、グアテマラの山は技術や体力以前に別の問題がある。強盗に襲われるという山とは一切関係のない危険性だ。実際何年か前には殺された登山者もいるらしい。
タカさんにも「ぜひツアーで行ってください」と言われた。
が、山に限らず自分らはツアーというものが嫌いである。しかもタフムルコの場合、そこまでして登りたい山でもない。
少数ながら最近個人で登っている人もいるし、ツルちゃんも1年ほど前に個人で登っている。
ツルちゃん曰く、「強盗のやつらもそんな効率の悪いことせんでしょう」・・・そりゃそうだ。土日ならいざ知らず、平日に山に登る人なんてほとんどいないに違いない。もっと効率のいい強盗の仕方があるはずで、強盗のやつらもそこまで暇じゃなかろう。
当初の予定通り二人で行くことにした。雨季のため天気は望むべくもない。
以下、山行記録。

2011/6/6 月
いったん宿をチェックアウトし、不要な荷物を預けて8:00過ぎに宿を出た。
今回担ぎ上げる水は6L、行動食はシリアルバーのみ。
ミネルバまで歩き、まずはサンマルコス行きのコレクティーボに乗る。チキンバスでもコレクティーボでも運賃は一緒、サンマルコスまで10Q。
1時間半でサンマルコスのターミナルに着き、腹ごしらえの後、入山口方面行きのチキンバスに乗る。
サンマルコスの標高は2,400mほど。ここからバスはぐんぐん山を登り、1時間ほどで標高3,000mの入山口に到着(7Q)。入山口の目の前で降ろしてくれる。なんて楽なアプローチだ。
バスを降りると、意外にも他に登山者がいた。グアテマラ人の二人組。いつもと違ってちょっとホッとした。

彼らが出発した後しばらくして、12:10に歩き始める。
最初は石畳の道で、入山口の上にも3,100mくらいまで人が住んでいる。そこで石畳は途切れるが、3,300m付近まで車で入ることができ、そこで唐突に道が終わる。
左手方向の斜面に幾筋もトレールがあり、適当にトレールを追って高度を稼ぐ。
いつ雨が降り出してもおかしくない天気であったが、3,400m付近に差し掛かったときに降り出した。この先やみそうな気配はなく、諦めて上下ともカッパを着る。雨の山行ってのは実に久しぶり。
雨が強くなっては木の下で雨宿り、また強くなっては雨宿りを繰り返しながらのんびり高度を上げる。先行のグアテマラ人が雨宿り中に追いついたり、こっちが雨宿り中に抜かれたり。
二人組のうちの一人はガイドということであった。彼らは今日山頂に幕営するようである。
山中には幕営に適した場所が随所にあり、どこでも幕営可能といった感じ。明日の行動時間を考えればどこに幕営してもOKなのであるが、なんとなく森林限界のテン場まで上がろうってことになった。

中南米に来て以来、手元の高度計が必ず200mほどずれる。今回も例によってそうだったようで、「あと1時間くらいか」などと話していたら唐突にテン場に着いた。
尾根沿いに上がると、突然目の前に岩山が現れる。もしかしてアレが山頂???あっけない、あまりにあっけなさ過ぎる・・・。
時間は15:10。歩き始めてからここまでたったの3時間。思わず力が抜けた。これならがんばれば今日中に下山することも可能だ。
グアテマラ人の二人は休憩後に岩山に取り付いたが、自分らは4,000m強と思しき森林限界に幕営することに。
ここはツアー登山などでも使うテン場である。平坦地はいくつかある。いくつかあるが、どこもゴミ捨て場、もしくは焚き火場所となっている。何故だ?何故こんないい場所をゴミ捨て場や焚き火場所にするんだ、グアテマラ人よ。
ここはテン場というよりゴミ捨て場というに相応しい。平坦地はあるのだが、テントを張ろうと思える場所がない。
ここより200mほど下の鞍部は快適そうなテン場であった。が、雨の中今さら戻るのも億劫だ。背に腹は代えられん・・・ゴミの散乱する焚き火跡を適当に片付けてテントを張った。
これからタフムルコに登る人がいれば、テン場は4,000m付近の所謂キャンプ地ではなく、そこから200mほど下の鞍部の方が快適です。

夕方以降、雨はパラパラといった感じだった。
雨には降られるだろうと思っていながら特に防水もしていなかったので、装備もけっこう濡れてしまった。
今回の燃料はメキシコの山で散々使った残りもの。一泊ならギリギリ持つだろうってくらいの量しかないから、テントの中で豪快に焚くこともできない。
カッパもザックもまったく乾かねぇ・・・久々にテントの中が不快だ。

6jun2011 ガスって真っ白の入山口 6jun2011 3300m付近までは広い道
ガスって真っ白の入山口                 3,300m付近までは車の通れる広い道

6jun2011 標高4000m付近のテン場 山頂部はガスって見えない
4,000m付近のテン場・・・山頂部はガスって見えない

2011/6/7 火
日の出の時間がわからなかったが、なんとなくで4:00に起きてラーメンを食べる。
雨は降っていないが、星は見えないからどうやら曇っているらしい。
あまり早くに山頂に行っても暇だしなぁ・・・などと思いながら5:00前に外をのぞくと、既に明るくなり始めていた。
急いで準備して5:15にテントを出た。水以外手ぶら。
眼下に雲海が広がっていてなかなかキレイ。快晴とはいかないが、どうやらご来光は拝めそうだ。
ちょっと急ぎ足で山頂を目指す。ルートはいくつか錯綜しているが、明瞭。
5:40に登頂。それから5分もしないうちに日が昇った。グッド・タイミング。
いつ見ても日の出は神々しい。
タフムルコからの眺めはなかなか素晴らしかった。メキシコの山でスモッグばかり見てきた目には久々に新鮮な眺めだ。独立峰で周りに高い山がないから、360°見渡せる。360°の雲海。
しばらくするとその雲海にタフムルコの影が映る。影はキレイな三角形をしていた。実はタフムルコもキレイな形をしてたのね・・・。

山頂はけっこう広い。南側に幕営可能な平坦地があり、グアテマラ人の二人はそこに幕営していた。
二人が自分らを手招きしてくれて、テントでコーヒーをご馳走してくれた。ガイドの方はトット、もう一人はイブラヒムという名で、二人ともとても明るく親切だった。
「あれがサンタ・マリアだ」、トットが近くに見える三角錐のキレイな山の名を教えてくれた。彼らはタフムルコから下りたら、アティトラン湖まで3日かけて歩くそうだ。そんなのも面白そうだなぁ・・・。
一緒に写真を撮ったりアドレス交換した後、一足先にテントに下りる。下りは僅か20分。

8:00近くになると、早くも山頂には雲がかかり始める。
もうちょっとテントを乾かしたかったが、諦めて撤収。8:30に下山を始めた。
9:00過ぎだろうか、日向ぼっこしながらシリアルバーを食べているとき地震があった。山が揺れた・・・こんな経験もはじめて。
昨日は雨が降っていてよくわからなかったが、山にはいろいろな花が咲き乱れていた。赤や紫、黄色や白の小さな花々が緑の中に群生している・・・なんかこんなのも久しぶりな気がする。
ガスっていなければ途中の眺めもなかなか素晴らしかった。
10:15に入山口まで下山。3,100mほどからはすっかりガスの中で、辺りは真っ白。

道路脇でバスを待っていると、5分もしないでバスが来た。つくづくアプローチの楽な山だなぁ・・・。
バスで30分も走らないうちに雨となった。いやー下山中に降られないでよかった・・・登るのが今日じゃなくてよかった・・・。
サンマルコスでの乗り継ぎもスムーズで、サンマルコスに着くと既にシェラ行きのバスがスタンバっていた。

シェラに着いても雨は降り続いている。やっぱ雨は憂鬱だなぁ・・・思えば旅立ってから今日まで、各地でうまいこと雨季をかわしてきた。ここへ来てはじめて雨季に遭遇した感じだ。ま、もうすぐヨーロッパへ飛んじゃうけどね。
それはそうと、シェラの素晴らしいところは温泉がたくさんあること。なんたって周りは火山だらけだから、おそらく掘ればどこでも出てくる。
いやーやっぱ日本人と温泉は切り離せんわ。中でも自分らは無類の温泉好き。
タカ・ハウスから歩いて10分のところに早くも温泉がある。
チェックインして暫し寛いでからソッコー出掛けた。
温泉と言っても、欧米人の好きな水着を着て入る温泉プールじゃない。正真正銘の温泉。個室風呂に自分で湯を張って入るタイプで、ペルーのワラスで入ったのと同様だ。
ここは湯を沸かしているようであるが、温泉には違いないらしい。湯は熱々。
いやーたまらん。山から下りたら何はともあれまず温泉、日本の山の基本だ。
ワラスの温泉より浴室が広く体も洗えるし、洗面器も貸してくれる。やたらと部屋数のある施設で、パッと見どこか日本の田舎の温泉を思わせる。「千と千尋の神隠し」を彷彿とさせないこともない。
ちなみに一番小さい浴室が20Qで、時間無制限であった。
いやーホント素晴らしい。明日から村巡りと一緒に温泉のハシゴだな。

7jun2011 夜明け前の空 7jun2011 登頂後すぐに日が昇った
夜明け前の空                       登頂後すぐに日が昇った

7jun2011 タフムルコ(4220m)登頂 7jun2011 雲海に映る影
タフムルコ(4,220m)登頂                雲海に映るタフムルコ

7jun2011 グアテマラ人のトット、イブラヒムと 7jun2011 山には花が咲き乱れていた
グアテマラ人のトットとイブラヒム           山にはいろんな花が咲いていた

7jun2011 テン場から見る山頂部 7jun2011 下山後5分もしないうちにバスが来た
晴れていればテン場から頂上が望める       下山後5分もしないうちにバスが来た
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