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チリポ山(3,820m)

今回の山行は天候に恵まれた。二日とも快晴!山行中は結局一滴も雨に降られなかった。このあたりの気候を考えると奇跡的だ。
久々にご来光も拝めたし、大満足!もっとも山頂からの眺めは特筆すべきものでも何でもなかったけれど・・・。
チリポ山は標高3,820m、コスタリカの最高峰。
でも、山自体はとてもショボイ。何と言うか、これを言っちゃ元も子もないのだけれど、このあいだのバルー火山同様につまらん山容をしている。
山の塊がドーンと聳えているわけではなく、こんもりとした緑の山々がポコポコ連なっている中の一番高いところに登る、そんな感じ。榛名富士のような形をした頂上部の近くに来るまでどれがチリポなのかハッキリしない。
タイプ的にはハイキングで登れる山で、登山道の勾配が驚くほど緩やか。ここまで勾配の緩い山は日本にそうそうないのではあるまいか・・・。
気分はもう完全に日本の低山ハイク、富士山より高い山に登っているという感覚は最後の最後までまったくない。
登山道はちょっとやりすぎとも言えるほど整備されていて歩きやすい。そこかしこに標示があって道も明瞭だから、まず迷う心配はない。
特筆すべきはゴミ一つないこと。ホントに一つもない。こんな山は初めて。
特別チリポにだけマナーのいい外国人が訪れているというわけではないだろうから、要は地元の人が捨てないということであろう。このあいだのバルー火山に限らず、どこの山でもゴミを捨てているのはたいてい地元の人と思って間違いない。中にはマナーの悪い輩もいようが、わざわざ外国の山へやって来てゴミを捨てていく人などそうそういないと思われる。土地の人の意識を変えない限り、山に限らずゴミはなくならないのだ。
登山口から山頂までの標高差2,300m、距離は往復40km。体力のある人ならワンデイで登ることが可能だ。朝3:00とか4:00に出発すれば、十分明るいうちに下りてこられよう。
また、一泊(場合によって二泊)すれば通常の体力のある人なら誰でも登れる山である。その場合、入山前の山小屋の予約が核心だけどね~。
以下、山行の記録。

2011/3/4 金
Day 1
宿(1,300m):5:20 ~ 登山口(1,500m):6:00 ~ ジャノ・ボニート小屋(2,400m):9:00 ~ クレストネス小屋(3,393m):12:20

ピチャピチャと水の垂れる音が聞こえて嫌な予感がしたのだが、外に出てみると快晴!5:20に宿を出発。
登山口まで40分ほど。ちなみに、昨日の早朝一緒にレンジャー小屋に並んでた人の多くは登山口に最も近い宿、カーサ・マリポーサに宿泊していた。自分らの泊まった宿より若干高いけど、登山口までのアプローチを考えるとこっちに泊まった方がベターかも。その分、前日の朝はレンジャー小屋まで同じ距離を歩くことになるのだけれど・・・。
登山道はもうホント、ちょっとやりすぎなくらい整備されていて歩きやすい。おまけに昨日雨が降って地面が適度に湿っているため尚歩きやすい。
1kmおきに標示板が立っていて距離と標高が表示されている。
標高3,000mくらいまでは熱帯雲霧林の中で、鳥や木々を見つつのんびりと、それでも先行者をパスしながら歩く。どうやらスタートしたのは自分らがほとんどビリだったようである。5:30頃登山口をスタートしている人が多いみたい。
チリポの熱帯雲霧林では思ったほど鳥が見られなかった。特にハチドリをほとんど目にしない。「ブゥ~ン」という羽音も聞こえなかったし・・・。
バルー火山のあんな車の走る林道沿いにはやたらといたのに、不思議だ。花が少ないのだろうか・・・。
登山口から4km地点に国立公園のゲートがある。ゲートといっても無人で、ベンチが一つ置いてあるだけ。バルーの時のように入山者のチェックをしているのかと思ったら、さにあらず。これならたぶん、ワンデイなら黙って登っても問題なさそう。
標示板には、「キャンプ禁止」と一緒に「禁煙」とある。禁煙の山ってのは初めてだぞ!あんまりだ・・・。おそらく吸殻のポイ捨てを懸念しているのだろうと思うけど・・・当然ながら自分はいつも持ち帰っているというのに・・・あんまりだ!「吸殻は持ち帰ろう」では徹底できないのだろうなぁ・・・。
7km地点にジャノ・ボニート小屋がある。2階建ての大きくて立派な建物なのだが、ここに宿泊することはできない。標示板にしっかりと「宿泊禁止」の絵文字が描いてある。???・・・してこの小屋はいったい何のためにあるの???クリスマス休暇あたりのピーク時にだけ使うのだろうか?謎だ。
道は緩い勾配でだらだらと続く。
3,000mを越えると景色が一変する。森林限界、というか熱帯雲霧林限界らしい。3,000mより上にもそこそこ大きな木は生えているのだけれど、鬱蒼とした森はなくなって明るくなる。辺り一面に大木の立ち枯れた跡があって、一部炭になっているものもある。過去に山火事にでも見舞われたのであろうか・・・。
森林限界になった途端、トカゲがやたらと目につくようになる。人の足元にもチョロチョロ出てくるので、踏みそうで危ない。のんきなやつらで、なかなか愛嬌のある顔をしている。

14km地点を越えたなだらかなコル状のところにクレストネス小屋はあった。
標高3,393m、やたらと大きくて立派な建物だ。この巨大な建物の収容人員が何故にたったの60人なのか、まったくもって理解できん。しかも、登ってくるときすれ違った登山者はどう見ても30人弱しかいないし、代わりに今日登ってくる登山者も30人もいない。何故もっと臨機応変に入山させてくれないのだろう???
収容人員が60人なのは部屋に案内されてみて何となくわかった。部屋が全て4人部屋なのだ。広い部屋に二段ベッドが二つ置かれた贅沢な作り。
笑っちゃうのは(言葉を返すとショックなのは)、自分らが普段泊まっている安宿よりずっとキレイで快適だってことだ。
すごいぞ!この山小屋、インターネットまで使える・・・(一人15分までらしい)。トイレはもちろん水洗、(たぶん水だけど)シャワーもある。
キッチンにはガス・テーブルがあるではないか・・・が、聞いたらやはり個人山行の人は使えないという話。

午後はたっぷり時間がある。外のベンチに座って日向ぼっこしながら他の登山者とおしゃべり。
今回はメンバーに恵まれた、と言うかこれまでの経験からしてもこれが普通だと思うのだけれど・・・。ラテン馬鹿トリオの印象が強烈過ぎて、ちょっとトラウマになっていた。
ドイツ語圏の人が多い所為もあるかもしれないけれど、良識があって実に感じのいい人たちだった。
13:00前に、昨日レンジャー事務所で自分らの後ろに並んでいたスイス人の青年が帰ってきた。何と!もう既に山頂を往復してきたらしい。
話を聞くと、今朝5:30に出て小屋には10:00前に着いたとか。小屋まで4時間半・・・泊まりの装備を背負ってのことと考えるとかなり速い。彼など完全にワンデイ登山が可能な部類だ。
それにしても・・・特にドイツ語圏の人たちの言語力ってのはすごいね。ドイツ、スイス、オランダあたりの人たちは驚異的だ。こっちで英語で話してたと思ったらあっちでスペイン語、自分たちの間では当然ドイツ語で会話。いったいどういう頭の切り替えになってるんだ???
その話せるレベルってのがまたすごい。母国語以外もネイティブ並みに話すのだから、もうどうなってんの?って感じだ。

夕方、キッチンのテーブルで寂しい夕食。
でも、ガスを持ってないのは自分らだけではなかった。個人山行の人たちはほとんど全員、ガスを持っていなかった。あんなガス・カートリッジしか売ってないからってのもあるけど、皆さん軽量化も考えてのことみたい。
彼らは村の宿で自炊した弁当を持参していた。その手があったか!
まぁ弁当と言ってもピラフのような食べものだけだけれど・・・。あまり旨そうには見えないから、パンを食うのと大差ない。
唯一、オランダ人夫婦はガイドを頼んだようで、ガイドの調理した旨そうな料理を食べていた。温かいだけで羨ましい~。
それと、もう一人のスイス人とドイツ人のコンビはあらかじめ食事付きで小屋の予約をしてあったようで、旨そうなスパゲティーを食べていた。スパゲティーがこんなに旨そうに見えたのは久しぶりだ。羨ましい~。

宿の部屋はカナダ人のカップルと同室だった。
旅先で会うカナダ人はモントリオールの人が多いけど、自分の独断と偏見では、どの人も繊細で気配りのできる人たちだ。
二人だけで話すときは小声でひそひそ話をするし、驚いたのは夜中トイレに起きたとき、ランプを部屋の中で点けるのではなく廊下に出てから点けていたことだ。こちらが恐縮してしまうくらいの気配り・・・ラテン馬鹿トリオに爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。

午後は一時雲が湧いていたが、夕方以降はまた快晴になった。

4mar2011 登山口 4mar2011 国立公園入口
チリポ登山口(1,500m)                 国立公園入口(2,000m)

4mar2011 日本の初秋のような空 4mar2011 森林限界より上にいるトカゲ
森林限界は3,000mくらい                そこにたくさんいるトカゲ

4mar2011 整備された登山道をゆく 4mar2011 標高3393mにあるクレストネス小屋
登山道は最後までよく整備されている        クレストネス小屋(3,393m)

2011/3/5 土
Day 2
クレストネス小屋(3,393m):3:30 ~ チリポ山頂(3,820m):5:25-6:50 ~ クレストネス小屋(3,393m):8:40-9:30 ~ 登山口(1,500m):13:40 ~ 宿(1,300m):14:10

ダウンを着て寝ていたが、暑くて途中で脱いでしまった。
3:00に同室のカナダ人の彼の方だけ出発、彼女の方は行かないらしい。
3:30に小屋を出発。満天の星空!こいつは久々に期待が持てる。風もなく、さほど寒くもない。
月が沈んで辺りは真っ暗。久々にヘッドランプの明かりで歩く。
山頂で日の出を見ようと目論んで夜中に出発した人たちの中では、またまた自分らがビリだったようである。
先行者をパスしながら、星を見つつ暗い道を行く。霜柱が立っているから、一応気温は氷点下なのだろう。

どれがチリポなのか、どこを目指しているのかさっぱりわからん・・・。
「この右側のピークか?」「いやいや違う、道は奥に続いている・・・」
5:00近くになって空が白み出した。
「左前方のあの榛名富士みたいなやつか?冴えない山だけど・・・」「うぅぅむ、どうやらそうらしい。これかぁ・・・なんだかパッとせんなぁ・・・」
最後はポッコリした岩の小山を100mほど登る。階段状の岩を登るだけ。
地平線がオレンジに染まり、付近の山が影絵のように黒く浮かび上がる。山で久々に見る日の出までの壮大なショー。
日の出よりも日の出前のまだ暗い空、日没よりも日没後の暗くなりかけの空、むしろこれらの方がキレイであると自分は思う。

5:25に登頂。先行者はカナダ人の彼だけ。空はすっかり明るくなったが、まだ日は出ていない。間に合った~。
無風、快晴。山の付近こそ晴れているものの、遠くには雲がたなびいていて今回もとても海までは見えそうにない。バルーにしろチリポにしろ、山頂から海が見えることなんて果たして年に何回あるんだろう?
5:40日の出。結局登頂が間に合ったのは3人だけだった。
暫し山頂からの眺めを満喫、と言ってもそれほどたいした代物じゃない。遠くまで見渡せるわけでなし、近くに岩峰が聳えているわけでなし、眼下に雲海が広がっているわけでもなし・・・どうにもこうにも中途半端な眺めだ。
6:00を過ぎて後続の人たちがパラパラと到着。手を振って迎える。
最後に到着したオランダ人夫婦は感極まって奥さんの方が号泣、山頂で熱い抱擁と相成った。登るのに苦労した人ほど登頂の喜びは大きい。彼らは昨日の出だしから苦戦していたから、その感動はかなりのものだったに違いない。おめでとう!
6:50、カナダ人の彼に続いて一足先に小屋まで下山。昨日登りで一緒だったコスタリカ人の大パーティーを筆頭に、山頂へ向かう人たち数人とすれ違った。
外のベンチで軽く腹ごしらえをしてから荷物をまとめ、9:30に小屋を後にする。
依然として空は快晴、歩いていて実に気持ちがいい。天気といい周りの景色といい、どこか日本の初秋の山を歩いているような感じ。
勾配が緩く、道はキレイに整備されているから、すこぶる下りやすい。山頂から一気に駆け下ることも無理なく可能だ。
途中で今日登ってきた人たちとすれ違う。やはり人数は30人くらいだと思うのだが、ひょっとして人数制限の60人って二日合わせて60人ってことなの???だとするとかなり厳しい制限だ。小屋なんて毎日ガラガラだよ。
雲霧林の中に入ると涼しくて清々しい。
大木に着生するたくさんの植物たち。一本の木に200~300種類もの着生植物が見られるのだとか。完全に「もののけ姫」の世界だ。
姿は見えないけど、心を洗われるような美しい声でさえずっている鳥たち。特に美しいのが、「キキィーン」「キキィーン」と高音の乾いた金属音のように響き渡る声。パナマのピアニスタに登ったときから気になっているこの声、いったいどんな鳥の声なのだろうか。一度どこかで姿を見てみたいもんだ。
11:30に2,400mのジャノ・ボニート小屋を通過。さすがに誰もいなかった。
さらに下った国立公園入口のベンチに座って休んでいると、一人のドイツ人青年が登ってきた。ネイティブ張りのスペイン語で話しかけられたから、最初はコスタリカ人かと思った。
今日のところは下からここまで往復するだけらしいこのドイツ人がまた実にいいやつだった。ボランティアで3ヶ月ほどサン・ヘラルドに来ているらしい。ベンチの隣に座って小さな手作り弁当を食べてる姿が微笑ましい。
13:40に登山口に下山、そこから30分歩いて宿。運良く雨には降られなかった。昨日も全く降ってない様子で、行きはしっとり濡れていた道がカラカラに乾いていた。

16:00のバスで今日のうちにサン・イシドロまで下りられるが、面倒なのでサン・ヘラルドにもう一泊することにした。預けた荷物を引き取ってそのまま同じ部屋に入る。
宿のレストランで食べた夕飯がなんか実に旨かった~。

5mar2011 3時半に歩き始める 5mar2011 空が白み始める
3:30に歩き始める                     5:00近くになると空が白み始める

5mar2011 チリポ登頂 5mar2011 5時25分に登頂
チリポ(3,820m)登頂                   まだ日の出前

5mar2011 ご来光 5mar2011 山頂からの眺め
久々に見るご来光・・・神々しい             山頂からの眺めは特にこれと言って・・・

5mar2011 登頂したメンバーで記念撮影 5mar2011 チリポを見上げる
登頂したメンバーで記念撮影             チリポ山頂部・・・これでも富士山より高い

5mar2011 頂上からの下山途中、小屋方面を見下ろす 5mar2011 よく整備された登山道
小屋より上の地形はこんな感じ            小屋から下山・・・相変らずよく整備された登山道

5mar2011 気持ちのいい山歩き 5mr2011 ザ・日本の初秋の山
気持ちのいい山歩き                   これぞ日本の山歩き、といった感じ
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