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ウルス (5,495m)

2010/8/29 日
3:00起床。外は無風快晴、満天の星空!最高のアタック日和だ。
マルコスの沸かしてくれたお湯でコーヒーとパンの簡単な朝食を済ませ、4:00に出発。他パーティーは動く気配なし。
下部の急登が登りづらいから、ということでプラブーツは途中まで背負っていく。アックスもマルコスのアドバイスで1本だけ。
小屋の裏手から急登に取り付く。半月だが月明かりで十分明るくヘッドランプは必要ない。
マルコスは歩くのが速くとてもついてはいけないが、先行し途中で待ってくれている間の取り方が絶妙だ。
4,900m付近で急登を終え、ヘッドウォール下の岩場に出る。ここでプラブーツに履き替えてハーネスを装着。トレッキング・シューズはマルコスがまとめて岩の下にデポ。
ヘッドウォールを右に回りこむと雪が現れアイゼンを装着。ここからはザイルも結ぶ。オーダーはマルコスを先頭にマユミ、自分の順。
自分がザイルの末端をハーネスに結んでいるのをマルコスが興味深げに見つめ、「オチョ(8の字)か、一緒だ」とちょっと嬉しそう。コンテの間の取り方も余ったザイルの巻き方も自分がやってきた方法とほとんど一緒、やっぱ万国共通なんだねぇ。
岩場から右手の雪に移って暫く詰めると雪壁だ。斜度は60°くらい、スケールは100m弱といったところだろうか。特別な緊張感もなくコンテで登り始めるが・・・意外としょっぱい。
3cmほどの新雪の下は雪が氷化した硬いアルパインアイスで、雪壁というよりは氷壁に近い。横ツメのアイゼンではツメが簡単に外れてしまい、高度が増してくるとけっこう怖い思いをする。ウルスは岩主体で氷雪のパートはここくらいなのだが、アックスがもう一本あった方がよかったとちょっと後悔。
早くもマユミからは泣きが入り、「明日はやめようかなぁ」と言い出す始末。
氷雪壁を詰めた先にはクレバスがあり、渡れそうなところを求めて右にトラバース。一ヶ所あった!渡れそうなところが・・・かなり危ういスノーブリッジ。マルコスが慎重に状態を確認し四つん這いになって渡ってみるとどうにかOK。順番に渡ってヘッドウォールの基部に出る。
うぅぅむ、岩もけっこうしょっぱそう・・・。ベースから見えているヘッドウォールを右に回りこんだこちら側は斜度こそないが、スラブ状で弱点があまりない。ルートを探って左にトラバース。
アイゼンつけて登るのはちょっと厳しいかも・・・と思っていたところ、マルコスの指示でアイゼンとザックを基部にデポ。軽身で登りはじめる。
しょっぱい・・・スタンスがなく、プラブーツで登るのはけっこう怖い。広めのクラックに足を突っ込むとプラブーツが抜けなくなって、これまた怖い思いをする。
9:30過ぎに登頂!山頂は狭くて、他パーティーがいたら立てないところだ。
通常はもっと雪がついていて容易に登れるらしい・・・コンディションが悪すぎる、とマルコスが言っていた。
雲は多いが、山頂からの眺めはなかなか。これから登るイシンカ、トキヤラフもよく見える。北側にはコパ(6,188m)の巨体が立ち塞がっていて、その先にあるワスカランは見えない。
けっこうしょっぱいクライミングであったが、実はトキヤラフに向けての高所順化の意味合いが大きい。山頂に1時間ほど滞在して下山にかかる。
下りはマルコスが上から確保するため登りと逆のオーダー。自分が先頭でクライムダウンしていく。斜度がそれほどないためか、ルーファイの賜物か、意外にも登りの時ほど怖い思いをせずに済んだ。
デポしたザックを回収し、再びアイゼンをつけて氷雪壁の下降に入る。
氷雪壁の下降も、お日様のお陰で雪が緩んで登りの時ほど嫌らしくなかった。登りのトレースは無視してそのままルンゼ状の雪の斜面を下降する。
ほぼ下降を終えたところでアイゼンを外し、一本取る。マルコスが持っていたパンとソーセージでサンドウィッチを作ってくれた。こういう気遣いができるかどうかもガイドの評価に係ってくるんだろうなぁ。
自分は靴をデポしたところがすっかりわからなくなっていたが、さすがにマルコスはしっかり覚えていて無事に靴も回収。
トレッキングシューズに履き替えて急斜面を一目散に下った。14:00にベースキャンプ着。
マルコスは休む間もなくすぐにお湯を沸かしてくれる。ガイドってスゲーなぁ・・・。
しばらくすると急に天気が悪くなってきた。谷から吹き上げてくる風が冷たい。
15:00過ぎ、お茶を飲みながらアメリカ隊のガイドも交えて話をしているとBB弾大の雹が降ってきた。すぐにテントに避難。
テントの中でシュラフに包まって体を休めるが、雹は一向にやまない。日が暮れてから雨になったようだ。
19:00頃マルコスに夕飯ができたと呼ばれる。今日のマルコスは狭いテントの前室で調理していた。マルコスのテントの中で夕飯をいただく。
相変らずマルコスの作る食事は旨い!特にスープは絶品と言っていい。使い終わった食器をすぐに洗うこのマメさ、自分には絶対真似できん・・・。
食後に明日の話になった。イシンカはアプローチが長いため1:00に起床して2:00に出発する予定だが、こんな天気ならもちろん登れない。自分も半分諦めモード。とにかくいったん1:00に起きて様子を見ようということになった。
自分のテントに戻り、期待せず眠りについた。

夜明け前のウルスのヘッドウォール
夜明け前のウルスのヘッドウォール

29aug2010 ウルス 5495m 登頂
ウルス(5,495m)登頂

29aug2010 ヘッドウォール下の雪壁を下る
ヘッドウォール下の雪壁を下降中

29aug2010 雪壁の下降終了
雪壁の下降終了
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