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サグレス

2010/7/19 月
22:00過ぎまで明るいのでどうしても床に就くのが遅くなり、朝早く起きるのがとても辛い。
6:30に宿を出て、地下鉄でバス・ターミナルのあるハルディン・スーロジコ駅まで移動。バスのチケットは一昨日購入済みで、一人15.7E(学割)。サグレス行きのバスは定刻通り7:30に出発した。
サグレスは遠い。たいした距離ではないのだが、やたらと時間がかかる。途中から幹線道路を外れると、石畳の上にそのままアスファルトを被せた細い道となり、バスはのんびりと歩を進める。
車窓には延々と牧草地が広がり、実にのどかである。草は今の時季ほとんど枯れているんだけど、この辺りの草が青いのはいったいいつなのだろうか?春先だけなのだろうか・・・。
ポルトガルはのどかでキレイな国だ。途中に立ち寄る小さな町も実に感じがいい。
ちょうど5時間でサグレスに着く。インフォメーションの目の前に着いたのだが、残念ながら日曜と月曜は休みだった・・・。
バスから降りたら、ヨーロッパに来て初めて宿の客引きと思われるばあちゃんに声をかけられた。一泊25Eだと言う。インフォメーションも休みで、宿探しが難航しそうなところだったので助かった。
ばあちゃんについて行くと、着いたところはホテルのような正式な宿ではなく、要するにばあちゃんの家。ばあちゃんが趣味で旅行者を泊めているらしい。家はまだ新しそうで、明るくてとてもキレイ。部屋にある机や箪笥も新品だ。
要するにばあちゃんちに泊まるだけなので、チェックインも何もなし。自分らを部屋に案内してベッドにシーツを敷いてくれると、ばあちゃんはおもむろにどこかへ出掛けてしまった。出掛けに二泊したい旨伝えると、何日いてもかまわないから、という話。リスボンに引き続きいい宿を引き当てた。
ヨーロッパに入ってから急に年寄りが増えたのだけれど(特にアフリカは年寄りが極端に少なかった。それほど年をとる前に何らかの原因で死んでしまうのだろう)、ポルトガルは特に年寄りが多いような気がする。年寄りが多いことも、まったり、のんびりした空気を醸成するのに一役買っているように思う。
サグレスはもっと寒村だと勝手に思っていたのだが、想像していたよりは明るく開けた村だった。リゾート・ホテルのようなものも建っていて、多少リゾート地の香りもする。と言っても、訪れる人は極端に少ないのだけれど・・・。サーフィンが少々有名なようである。
サグレスからヨーロッパ最南西端のヴィセンテ岬までは6kmほど。近くのカフェで聞いたら、バスが一日二本往復している。今からだと14:30のバスに乗れるのだが、15:00のバスで帰ってこなければならない。まぁ帰りは歩いてもいいのだけれど・・・。どうしようか迷ったが、明日天気がいい保証もないのでとりあえず行ってみることに。
バス停にバスが来て、一日二本しかないことに納得・・・誰も乗ってる人もいなければ、サグレスから乗るのも自分ら二人だけだった。おまけに帰りも自分らの他は三人だけだった。
僅か10分ほどで岬に着く。運賃は片道1.7E。
雲ひとつない快晴で、岬からの眺めはすこぶる良い。年中風が強いと見え、海岸沿いには背の高い木はなく、ハイマツのようなものが茂っているだけ。自然環境は南米のパタゴニアに似ている(緯度的条件がパタゴニアほど厳しくはないが)。
ヴィセンテ岬には雲が湧いておらず、快晴の下で見る所為か海がとても澄んでいるように見える。明るいためか、ロカ岬ほど「この世の果て」といった感じはない。
ここはぜひ自転車で周って大西洋に沈む夕日を眺めたいところ。バスの車窓から貸し自転車を扱ってそうな店を見つけ、サグレスに帰って行ってみたら一日15EでMTBを借りられるとのこと。高い!けど、22:00までに返却すればいいとのことでこれなら岬で夕日を眺められる。明日は朝から自転車を借りて久々に付近をサイクリングをするつもり。
サグレスには何故かイタリア人観光客が多い。イタリア人もなかなか強くて、日本人をつかまえてイタリア語で普通に質問してくる。こちらの頭に「?」が浮かんでもお構いなし、めげずに話し続けるからすごい。バスの運ちゃんにもイタリア語で普通に質問していたが、やはり似た言語なのでお互い何となく話は通じるようである。

19jul2010 サグレスのばあちゃんち 19jul2010 ヴィセンテ岬1

19jul2010 ヴィセンテ岬2 19jul2010 夕暮れのサグレス

2010/7/20 火
今日も雲ひとつない快晴!朝一に昨日声をかけておいた店でMTBを借り、その足でインフォメーションへ。
久々に乗るスポーツ・バイクは快適だ。エジプトのルクソールで乗った中国製のママチャリとは違う。
インフォメーションでリスボン行きのバスのことを聞いたら奇跡的にサグレスからのダイレクト・バスが一日一本あったのだが、時間が16:00。これだとちょっと遅すぎるので、明日は一度ラゴスに出てからバスを乗り継ぐことにした。サグレスからでもラゴスからでも運賃は一緒なので少々もったいないのだけれど・・・。
今日はそのラゴスまで自転車で往復し、一度宿に帰ってから日暮れ時にヴィセンテ岬に出掛けた。
ヨーロッパの道は実に自転車に優しい。場所によっては自動車道と平行して自転車専用道が設けられているし、専用道がないところでも自転車用のレーンは軽く車一台分くらいの幅がある。車のことを気にせず走れるのが実にスバラシイ。さすが自転車先進国!後ろから大型トラックに抜かれてもまったく怖くない。
加えて車のドライバーも極めて自転車に優しく、こちらが街中のロータリーなどに止まっていたりすると必ず止まって通してくれる。まさに自転車天国だ。
ポルトガルの自然環境は実に素晴らしいのだが、自転車にとっては過酷である。今日もラゴスまで片道僅か30kmほどなのだが、アップダウンの連続する道と、そして何より強烈な西風に苦しめられて行きも帰りも2時間半以上かかってしまった。
ひっきりなしに吹いている西風はとにかく強烈だ。斜め前から吹かれただけで、下り坂なのにまったく進まない。何年か前に行ったパタゴニアと一緒だ。
風力発電の風車が西を向いてビュンビュン回っているが、これほど風力発電に向いた土地もないだろう。
天気は毎日すこぶる良い。この辺りの青空はちょっと有り得ない感じだ。乾燥している上に風が強いので、空の色は限りなく澄んだブルーだ。その澄んだブルーに、時折り流れてくる白い雲とオレンジの屋根瓦が実によく映える。
やはり自転車は素晴らしい。どんなに尻が痛くなろうとも(長い時間踏むのが久々だったので・・・)、ヨーロッパはぜひ自転車でキャンプをしながら周りたいものだ。
宿で夕飯を食べてから岬に出掛けたのだが、これも実にキツかった。距離は僅か6kmほどなのだけれど、終始強烈な向かい風でまったく前に進まない。
途中、昨日バスで行ったときにはできなかった寄り道をしながら岬に向かった。
夕日(と言っても太陽はまだずいぶん高いのだけれど・・・)に黄色くキラキラ輝く大西洋は実に厳しく、そして美しかった。ユーラシア大陸の西の果てにいることを実感する。海から吹きつける西風は強烈だけど、ただ海をボーっと眺めているのが実に心地いい。
日没まで1時間半ほど、西風に吹かれながら岬で海と空を眺めていた。日没は20:55。その頃になると岬にけっこうな人が集まっていて、後ろを振り返ると日没を待つ人垣ができていた。日が沈んだ瞬間、拍手が起こった。ヨーロッパでは飛行機が着陸に成功したときなども機内で拍手が起こったりするのだけれど、まぁヨーロッパの人でなくともこの光景を見たら拍手をしたくなるってもんだ。
その昔、沢木耕太郎の「深夜特急」を大沢たかお主演でドラマ化したことがあった。ドラマの中で大沢たかおがユーラシア大陸の西の果てに着いたとき、どこで眺めたのか場所ははっきりわからないが、やはり西日にキラキラと黄色く輝く大西洋を眺める印象的なシーンがあって、ずっと自分の頭の中に残っていた。夕日を眺めていて、頭の中にあるドラマのシーンと目の前の世界が完全に重なった。あぁぁ・・・生きててよかった!
日が沈むと皆一斉に帰り出すので、何もないサグレスへの一本道が渋滞しており、しばらく間をおいてから帰路に着いた。帰りは西風に乗って快適だ。
途中で振り返るとだいぶ雲が湧いていて、黒い雲と、薄暗い海と大地に挟まれた部分だけがオレンジ色に輝いていて実に幻想的だった。「あぁぁ・・・自分は今生きている」と実感した。

20jul2010 ラゴスへの道 ヴィラ・ド・ビスポに向かって下る 20jul2010 ラゴスからの帰り

20jul2010 ヴィセンテ岬に向かう途中 20hul2010 ヴィセンテ岬にて 西日に輝く大西洋

20jul2010 大西洋に沈む太陽 20jul2010 夕暮れのヴィセンテ岬2

20jul2010 夕暮れのヴィセンテ岬1 20jul2010 日没後 ヴィセンテ岬からの帰り道
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