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キリマンジャロ登山 Day4

2010/3/30 火

Mt. Kilimanjaro Day 4

23:30に起き出して出発の準備。

いよいよキリマンジャロの山頂を目指す。
昨日までは単なるアプローチで、今日が登山の本番である。
体調も申し分ない。

コーヒーとビスケットを流し込んで0:30に出発。
外は明るくてヘッドランプは不要だ。
砂地のような斜面をトレースに沿ってジグザグに登る、ポレポレと。


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満月


5,000mを超えるとさすがに息苦しく思えたが、それよりも何よりもとにかく寒い。
ポレポレとしか歩けないため体が全く温まらないためだ。
5,200mからはカッパの下にダウンジャケットを着込み、グローブもエージェントで借りたスキー用の厚手のものに替えた。

日本の山では、例え厳冬期でも行動中にダウンジャケットを着込むなど有り得なかった。
行動中の運動量で常に体が温まり汗ばむくらいだからだ。
高山というのは全く異質な世界であるらしい。

参考までに自分のウェア関係を列記しておくと、上はダウンジャケットの下に薄手のシャツ3枚。
下はタイツと普段はいてる化繊のズボンだけ。カッパは寒かったらはこうと思っていて結局はかなかった。ズボンの上からスパッツを装着。
頭はニット帽だけだったが、鼻や口の周りがかなり冷たかったので目出帽があるに越したことはない。

上部は多少岩っぽくなる。

4:30にギルマンズ・ポイントに登頂。
最高地点ではないが、ここも広い山頂の一部である。


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ギルマンズ・ポイントにて


まだ真っ暗・・・写真を撮って少し休んでから最高地点のウフル・ピークに向かう。

山頂は完全に雪山の世界だ。
トレースはしっかりしているが、本当はアイゼンとピッケルが必要なシチュエーションであろう。スニーカーで歩いてる人もいるけど・・・。
歩く斜面はなだらかだけど、雪面は硬くクラストしており、巨大な火口側の斜面はけっこう急なので風にでも吹かれたらひとたまりもない。火口はそれほど深くはないが、100mくらいは滑落しそうである。

高度障害のためゲーゲー吐いてる人はけっこういたが、自分らの登ったタイミングではここまで来てウフル・ピークに行かずに引き返す人は一人もいなかった。

幸い自分らはちょっと息苦しいくらいで、特に顕著な高度障害は現れなかった。

ウフル・ピークに向かってしばらく歩くと吹雪になった。
視界はあって空も見えているのだが、どうやら薄い雪雲の中に入ったらしい。
吹雪の中を歩くなんて実に久し振りだ。
目出帽もゴーグルもないので手で顔を覆いながら歩く。

6:00にウフル・ピークに登頂!
アフリカにこれ以上高い所はない。


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吹雪のウフル・ピーク


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ここにはタンザニア初代大統領の言葉が刻まれた銅板レリーフがあるはずだが・・・はて、そんなものは見当たらない。
雪にでも埋まってしまったんかいな?
エリアスに聞いても知らない風だった。
真っ暗だし、吹雪だし、周りの様子もよくわからない。
とにかく寒いので、写真だけ撮って、登頂の感激に浸る間もなくソッコー下る。


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月と氷河


ギルマンズ・ポイントに向かってしばらく戻ると雪雲から脱し、晴れ間が広がる。
途中の尾根上で日の出を迎えた。
素晴らしい・・・ちょっと雲が多いが、何はともあれ念願の日の出が見られて満足だ。

明るくなると周囲の氷河もよく見える。
氷河は想像を遥かに超える巨大なものだった。
キリマンジャロの氷河は年々小さくなっているらしいが、これを見る限りまだしばらくなくなることはなさそうだ。


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キリマンジャロの氷河


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アフリカの大地に日が昇る


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モルゲンロートに染まる山頂


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ギルマンズ・ポイントの手前で例のアメリカ人のオバちゃんとすれ違う。
ガイド二人に抱えられて今にも死にそうだが大丈夫だろうか?

そのままギルマンズ・ポイントをパスして下山に入る。
下る斜面はちょうど日が当たって暖かいのは有難いが、下りがまた長いこと・・・。
登るときには暗くてよくわからなかったが、単なる砂地に見えたところにはけっこう雪が混ざっていた。


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8:30にようやくキボ・ハットまで下りた。
空はまだ快晴である。

何はともあれ無事に登れてよかった。
結果から言うと、6,000mの高度では自分の体はどうにもならなかった。自分の高度限界はもっとずっと上のようだ。
いつかもっと高い山で見極めてみたいものである。
自分の高度限界がどこにあるのか、自分の体はどこまで順応できるのか、ぜひとも知りたい。

キボ・ハットでスープとパンとフルーツを食べて暫く横になる。

10:00過ぎに再び下山開始。
今日はその下のホロンボ・ハットまで下って一泊する。
この時間になると、既にキリマンジャロは雲に包まれて見えない。

途中、ちょうど雨の降り始めたところでホロンボ・ハットから登ってきたシンタロー君&リョーコさんとすれ違って言葉を交わす。
明日、無事に登れるといいね!

所々で激しい雨に遭い、12:40にホロンボ・ハットに着く頃にはパンツまでびしょ濡れだった。
小屋の中に濡れたものを干し、即シュラフに包まる。
今日は4人用の小屋を2人で使えるので広々だ。

そのままシュラフに包まっていると、外は雨のためエリアスとジョセフがコーヒーとビスケットを小屋まで持ってきてくれた。
ありがたい。

17:00頃、夕食をとるためダイニングに行く時には雨が上がっていた。

ダイニングのテーブルに座って外を眺めていると、ガイドに抱えられてアメリカ人のオバちゃんが下山してきた。
しばらくするとダイニングに姿を現したが、せっかく急いで給仕してくれたコックに対し、
「私は疲れて眠いのよ、こんなのいらないからもっと食べやすいスープみたいなのないの?それよりワインはどうしたのよ?」
と、悪態をついていた。なんて嫌なやつ!
しばらくするとヨイショの上手いガイドがワインを持って現れ、周囲の冷えた視線を尻目に大はしゃぎで乾杯していた・・・はしゃいでいるのも、こんな高度でワインなんぞ飲んでいるのも、当然アメリカ人のオバちゃん一人だけである。

さて、自分らの夕飯はというと、スープに始まりライスと野菜のトマト煮、フルーツのデザートといったところで、前半と比べると大分ひもじくはなったもののとても美味しくて今日も完食してしまった。


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4日目の夕食


生臭い話であるが、夕食後にエリアスからチップの話を持ちかけられた。
相場が上がっているのか、エリアスの言い値は当初考えていたものより幾分高いが、まぁ皆よく働いてくれたし、それだけの価値はあるかなとも思える。

明日の朝、出発前に全員集めてもらって直接本人たちに渡すことにして眠りについた。


(トイレのために外へ出たら、星と月がきれい。月明かりの下キリマンジャロがよく見える。少し眠ったら呼吸がずいぶん楽になったような気がする。そして登り始める。エリアスの後をゆっくりゆっくり登っていく。ガレたジグザグ道でそれほど急ではない。ペースがちょうど良くて、次第に呼吸が整ってくる。これなら行けそうだと思える。しかし徐々に急登になってきて、息が苦しくなってくる。早く着かないかな、と何度も何度も考えて先を見上げる。月が明るくて、その周りにはキレイな光の輪ができている。まるで月に向かって歩いているようだ。ペースが遅れてきた私の荷物をエリアスが持ってくれた。何度目かの休憩のとき、エリアスから「ギルマンズポイントまであと30分だ」と言われた。え?あと30分?もうそんなに近いのか。岩がゴツゴツとした最後の急坂は後ろからアシスタントガイドのジョセフが背中を押してくれた。なんかちょっと情けない。そして無事、ギルマンズポイント到着!ああ良かった。ホッとした。温かいお茶をもらって少し休憩。そしてウフルピークへと向かう。ここからは緩い登りで楽だろうと思っていたら、これが結構遠くていつまでも辿り着かない。ヘトヘトになってしまった。しかも山頂では吹雪。濃い雪雲がかかっているわけではないので、吹雪の中なのに月がおぼろに見えている。不思議な光景だ。しかし寒い。寒すぎる。せっかくの山頂だけど、浸る間もなくすぐに下山。すこし下りると晴れている。月明かりで見る氷河は青白く光っていて幻想的だった。そして、雲の中から現れる太陽はとても美しかった。なにはともあれ、無事登頂できて良かった。キリマンジャロは登山費用が有り得ないくらい高いため、登れなかったらどうしようという別のプレッシャーがかかる。こういう変なプレッシャーのかかる山は嫌だなぁ。 マユミ)


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