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ワディ・ハルファ

2010/5/18 火
朝起きると下痢だった。一日バス移動のため、ここで用心して空腹時に正露丸を飲んだのが悪かったのか・・・。
早朝にタクシーがすんなり捕まるかどうか不明だったので、早めに4:00過ぎに宿を出る。通りに出るとタクシーはすんなり捕まった。起きてた一人の運ちゃんと交渉して20SPでバス・ステーションまで行ってもらう。
バス・ステーションには既にたくさんの明かりのついたバスが止まっていた。早速自分らの乗るべきバスを教えてもらい、荷物を預けて乗り込む。バスの中はエアコンが適度に効いており、シートも広くて快適だ。のんびり寝ながら出発を待つ。
結局バスが出発したのは6:00過ぎ。しばらくしてから買っておいたパウンド・ケーキを食べたのだが、その直後から吐き気がしてきた。お決まりの下痢と吐き気のダブルパンチで最悪だ。昼前になんとランチ・ボックスが配られたがまったく食べられず。キンキンに冷えたペプシだけ美味しくいただいた。
バスは延々と砂漠の中を行く。砂漠と言っても一般に想像されるような砂丘ばかりが連なっているわけではなく、砂地のところもあれば岩がゴロゴロしたところもある。色も白や黄色っぽかったり、黒っぽかったりと色々。黒いのはおそらく鉄分だと思われる。外は信じられないくらい暑く、生命感のまったくない不毛地帯といったところだ。
下痢してることだし、検問やらでバスがちょっと止まった隙に用を足しに行くのだが、当然ながら身を隠すようなところはどこにもない。どこもバスから丸見えである。で、どうするのかと言うと、バスから距離を置くしかない。最初のときだけちょっと抵抗があったが、しゃがんでしまえばまったく恥ずかしくなくすぐに慣れてしまった。
エジプト人(の男)が皆バスに背を向けしゃがんで小便をするのが不思議で面白い光景だった。何故そうするのかは不明。小便が飛び散ったり、風で流れるのが嫌なのだろうか?
17:00過ぎにワディ・ハルファに到着。何だここは・・・有り得ない。体調不良なこともあり、バスから下りた瞬間に思った・・・自分の生存可能限界を越えている!カルツームなどまったく比較にならない。ここに比べたら避暑地のようなものである。ワディ・ハルファの暑さ(熱さ)ときたら、これまでまったく体験したことのない異次元ゾーン。風も熱くて吹かれるとかえって不快だ。
とにかく宿を探さねば・・・でも、見渡す限り宿っぽいところはどこにも見当たらない。死にそうになりながら、人に聞きつつ歩いてようやく辿り着いた一軒目の宿は何と満室だった。別の宿を求めて意識朦朧としながら彷徨っていると奇跡的に見つかった。あーもう横になれればどこでもいい。3人のドミ部屋で、1ベッドが7SP。二人で一部屋借り切って21SPと言われたが、もう一人誰か来てもいいからということで14SPにしてもらった。監獄のような宿だが、人が親切なのがせめてもの救いだ。冷水機といったものも当然なく、飲み水は瓶に溜めた水だ。あーもうなんでもいい・・・。
砂っぽいベッドに横になって完全にダウン。何でこんなことになってしまったんだか・・・これまでの人生で一番辛いと言っても過言ではない。何も食べてないから胃液しか出ないのに吐き気は止まらないし、水は飲んだそばから直通で体外に排出されていく。トイレに行くのも面倒なので出来れば水も飲みたくないのだが、脱水症状に陥るのでそうも言ってられない。無理にでも水分を摂らないと死んでしまう。
部屋には窓がないので、ドアを開けっ放しにしてもほとんど風が入ってこない。天井のファンも熱い空気を掻き回すだけだ。日が沈んでも気温は下がらずとにかく暑い、暑すぎる。おまけに天井は竹のようなもので出来ていて隙間だらけ、風が吹くたび隙間から砂がパラパラと降ってくる。あー不快、暑い上に不快すぎる。
他の人がどうしているのかと言うと、皆部屋からベッドを運び出してズラッと一列に並べ外で寝ている。確かにその方がちょっとでも涼しいのだが、どうにも落ち着かないので自分らは暑さと砂と格闘しながら部屋の中で寝ることにした。結局同部屋にもう一人来ることはなく貸切であった。
二時間おきくらいにトイレに立ち、結局一睡もできぬまま朝を迎えることになった。

18may2010 ワディ・ハルファ行きのバス

2010/5/19 水
朝になっても体調は変わらず。吐き気がして立ち上がることもままならない。とても20時間近いフェリーの移動に耐えられそうもないが、今日を逃すと次のフェリーは一週間後・・・ここに一週間も足止め・・・さらに考えられない。そんなことになったら冗談抜きで死にかねない。ここは這ってでもフェリーに乗るしかない。
マユミが外に冷たいものを買いに行った折り宿の人に聞いた話では、まず近くのイミグレに行かねばならないらしい。へ?そうなの?てっきりイミグレはフェリー乗り場にあるものと思っていたがそうではないらしい。
午後まで横になっていたかったのに、仕方なく死にそうな体に鞭打って11:00前にイミグレに出向く。外は有り得ない暑さ(熱さ)だ。こんなとこにいたら冗談抜きで死ぬんじゃなかろうか?こんなとこで生活している人たちはホントにすごいな。
このイミグレからずっと、スーダンのダメダメなシステムに打ちのめされることになる・・・。
オフィスは大勢の人でごった返していた。制服を着た係官に聞くと、まずは別の建物に行けと言う。別の人に案内されて行ってみると、どうやらフェリー会社のようだ。何故フェリー会社に???建物の中に入ってチケットを見せるとオフィスに手招きされてドアの外で待つように言われる。中で何やら手続きをして、返ってきたチケットを見るとスタンプが押されていた。何のための手続きなのかまったくもって不明。
そのチケットを持ってイミグレに戻ると、次に出国カードを渡されたので記入してパスポートと一緒に提出。座って待てと言われたが、待てど暮せど返って来ない・・・スタンプ押すだけにいったいどんだけ時間かかるんだよ~。どこの国でも入国はともかく出国手続きはいたってスムーズなものなのに、何にそんなに時間がかかるんだ?
1時間半ほどしてようやく返却された。見るとパスポートにスタンプが押されているわけではなく、出国カードに押されているだけ・・・やはりフェリーに乗る前にもう一度イミグレがあるということだ。うぅぅむ、何のための手続きなんだ?まったくもって意味不明。
別の窓口で一人21SPずつ払えと言う人もいたが、何のためだかわからないし、本当に払う必要があるかどうかも不明だったのでひとまず無視。一刻も早く横になるため宿に戻る。昨日聞いたところチェックアウト時間は12:00ということだったが、あまりうるさいことを言いそうな宿じゃないので多分休ませてくれるだろう。
ベッドに横になって30分もしないうちに宿の人が声をかけに来た。フェリーに乗るならちょうど乗り合いタクシーが出るからすぐに行け、と言う。追い出すためではなく親切心で言ってくれているのだ。人が集まった今なら一人3SPで行けるが、後で行くとなると高くなってしまうらしい。うぅぅむ、仕方ない。再び、吐き気がして死にそうな体に鞭打ってザックを背負う。何もかも砂まみれだ。
礼を言って宿の外に出ると、ピックアップ・トラックの乗り合いタクシーが待ってくれていた。「ホントに乗れるんかよ?」というくらい既にギッシリ人が乗っている。皆親切に席を詰めてくれ、どうにか乗り込んでフェリー乗り場へ。ピックアップの荷台でよかった!一応ビニール袋も用意しておいたが、風に当たって思いの外気持ち悪くならなかった。
フェリー乗り場の待合室らしきところに入ろうとすると、入口で何やらチェックしてる人がいる。パスポートとチケットを見せるが、どうやら先ほどの一人21SP払った領収書が必要らしい。出国税か何かだろうか?本当に必要だったようだ。持ってないと答えると、ここで21SP払えと言うのだが、あいにくスーダン・ポンドの手持ちがそんなにない。どこかで両替えできないか聞くと、別の一人が近くの建物に案内してくれた。確かに両替えはできるようだがレートを聞いてビックリ!$1=2.0SPってそりゃあんまりじゃありませんか・・・アホか?誰がそんなレートで両替えするか。
結局そこでは両替えはせずに外に出る。誰か一人くらい両替えしてくれる人がいるだろう、と思って待合室の方に戻ると、ワディ・ハルファまでのバスが一緒だったエジプト人のおっちゃんがいた。この人はホントに片言だが英語が話せる。両替えしたい旨話すと手当たり次第人に当たってくれ、しばらくするとどこかで両替えして戻ってきてくれた。しかも2.6という高レートだ。恩に着ます。
ようやく待合室に入れたが、スーダンのすごいところは次に何をすればよいのかまったく読めないところだ。どうやらまずはチケットを見せてまたパスポートを預けるらしい。パスポートは後で別の窓口で受け取れるらしいが、何をやっているのか返却までにやたらと時間がかかる。スタンプが押されて返ってくる訳でもなし、これも何のために預けるのかまったくもって意味不明だ。
先ほど書いた出国カードと似たような紙2枚にさらに記入し、待ちに待ってパスポートが戻ってきたところでようやくイミグレらしきところで出国のスタンプがもらえる。何で他の国のようにこれ一回で済まないのだろうか?
荷物検査を受けてようやく待合室の外に出ると、バスが止まっている。フェリーまではバスに乗って移動するようだ。このバスに乗るのがまた一苦労。皆しこたま荷物を持っていてバスに乗り込むのが一苦労。おばちゃんは図々しく割り込んでくるし、乗ってみたら荷物がいっぱいで立ってる場所もないし・・・。降りるときも立ってる人から降ろしてくれればいいものを、ここでもおばちゃんが我先に降りようとするから変に渋滞しちゃって埒が明かない。まったくもって効率悪いったらありゃしない。
はてさて、何はともあれようやくフェリーに乗り込むことが出来た。チケットに付属の荷物券は乗り込むときに回収され、代わりに引換券のようなものを渡されるのだが、荷物は全て客室持ち込みなのでこれも何のためなんだかまったくもって意味不明。
ちなみにパスポートも乗船時に預けたまま次の日の朝にならないと返ってこないのだが、これも意味不明だ。集めたパスポートは段ボール箱に無造作に入れておくだけなのでちょっと不安。
結構早めに乗り込んだ方だが、既に二等船室はあらかた人で埋まっている。まだまだたくさん人がいるのに、ホントに全員乗れるんかよ?と突っ込みたくなる。二等船室は女、子供用の部屋と男用の部屋に分かれている。女用の部屋は既に一分の隙もない状態だし、何よりおばちゃん連中と一緒の船室は嫌だ。男用の船室に行くと、親切な人たちがここに座れ、こっちに座れと親切に席を空けてくれて何とか席を確保。
それから2時間ほどして17:30過ぎにようやく出航と相成った。乗客はアラビア人とヌビア人が半々といったところか。外国人と言えば、一見したところ自分らの他にはオーバーランド・トラックの欧米人団体だけ。またまたいましたオーバーランド・トラック!スーダンからエジプトに向かっているということは南アフリカからアフリカを縦断してきたトラックのはずだが、参加者はアフリカを旅してきたとは思えないほど皆真っ白(笑)。ビクトリア・フォールズまで一緒だったフランソワさんが、オーバーランド・トラックの話をするたび「どこに行って来たの?」とお決まりの台詞で嘆いていたのも頷ける。さすがにフェリーも一等船室を確保してました。
二等船室はベンチ・シート、20時間近い移動に今の体が耐えられるのだろうか?通常なら屋上のデッキに出てかぶりつきで景色を眺めているところだが、今の自分にとてもそんな余裕はなくひたすら船室で寝続けた。
食事付きだったが、やはり何も食べられず・・・。あー何かあっさりしたものが食べたい。あっさりしたものなら食べられるかも。腹は減ってるのに食べられないこの辛さ。今一番食べたいものは熱々のご飯と納豆だなぁ・・・やっぱ日本食は偉大だ。
夜の早い時間は二等船室で映画をやっておりけっこうすし詰め状態で人が座っていてどうなることかと思ったが、映画も終わって寝る段になると、屋上のデッキで寝る人や船室の床に寝る人など適度にばらけて覚悟していたよりは快適だった。こういうところは特に争いもなくスムーズに収まるから不思議だ。

余談24 アラブのおばちゃん強し!
ムスリムと言うととかく男尊女卑の社会を想像しがちだが、アラブの地では、少なくともエジプトやスーダンではまったく逆だ。おばちゃん強し!その強さは日本のオバタリアン(死語か?)の比ではない。時々おっちゃんたちが哀れに見える。
およそ全てのことにわたってレディ・ファーストが徹底されている社会だ。そもそも身につけているものからしてみすぼらしい男どもに比べ、女たちの衣装は煌びやかだ。
性質が悪いのはそんな社会情勢を傘に着たおばちゃんたちの横暴ぶり。列に並ぶなどということはあり得ず割り込みし放題、むしろそれが当たり前といった顔で人の前に次々割り込んでくる。狭い船室の廊下で出会ってもおばちゃんの方が避けるということはまずあり得ない。避けようとする素振りすら見せずそこのけ、そこのけと廊下の真ん中を突き進んでくる。怖いですよ~。

余談25 エジプト人がウザイと言われる所以?
インドと肩を並べる世界三大ウザイ国と言われるエジプト。インド同様圧倒的に親切な人が多いのにそう思われてしまうのは何故なのだろう?
まずは顔立ち。アラブ人はとにかく造りのハッキリした濃い顔をしている。暑い気候とも相まってこれがウザイ、というか暑苦しい印象を与えるのだろうか。
それから、アラブ人はとにかく熱い。何と言うか、エネルギーが全身から滲み出てしまっているような感じで、すぐにそこかしこで口論を始める。だがムスリムのいいところは、どんなにエキサイトしても絶対に殴り合いには発展しないことだ。よく誤解されていることだが、ムスリムは決して攻撃的な人たちではない。ムスリムの人が暴力に訴えるのはよほどの事情があるときだ。身内を侮辱されたり、家族が危険に晒されたりといったやむにやまれぬ事情があった場合のみ彼らは立ち上がる。
うぅぅむ、こう特徴を並べてみるとインド人と共通するのね。つまりインド人とアラブ人はかなり特質が似ているってことか?

19may2010 監獄のような宿で死亡中 19may2010 アスワン行きフェリーのデッキ

19may2010 2等船室で死亡中
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