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ラリベラ

2010/5/1 土
4:00前に起きると、部屋を出て廊下を歩いた先の扉が閉まっている。どうやら外から施錠してあるらしい。同じフロアに泊まっているエチオピア人が外に向かって声をかけ、しばらく待っていると外から開けてくれた。エチオピアの朝は早い。もう大勢の人が外の大通りを歩いている。
4:30前に宿を出てバス・パークに行くと、大勢の人がゲートの前にたむろしている。まだゲートが閉まっているのかなと思ったのだが、開いていたので中に入る。ゲートの中にはあまり人がいない。バスも鍵がかかっていたが、少ししたら開けてくれたのでバスに乗り込む。
何故か今日は人の集まりが悪い。「今日は集まりが悪いねぇ」などと話してたら、5:00近くになって急にゲートの外から人がなだれ込んできた。目的のバスに向かって大勢の人が走っている。ん???もしかしてゲートの外で待ってたの?でもゲートは開いていたし、中に入っていた人もいたし・・・何でこういうことになるのかまったく不明。
あっという間にバスが満席になる。多くは昨日と同じ顔ぶれで席は指定なので特に混乱もない。荷物も昨日から屋根に積みっぱなしなので即出発の準備も整い、夜明け前の5:30に出発となった。
しばらく平坦な道を走った後で、目の前に延々と続く急峻な山肌が見えてきた。テーブル・マウンテンの側壁のようなものらしく、道はその台地の上に向かって続いている。道に導かれるまま台地の上に出ると標高は3,300m以上あり、高いところは3,400mも超えている。不慣れな人だと高山病の症状が出るに違いない。
道路の勾配は緩く舗装もキレイなので、自転車に乗りたい衝動に駆られる。今までこんな高いところでペダルを踏んだことはなく、自分がどこまで踏めるのかとても興味がある。
で、台地の上に出て驚いた。なだらかな土地が果てしなく広がっているではないか・・・3,300mの標高のところにこんな広い土地が現れようとは夢にも思っていなかった。なんか不思議な気分だ。「天空の土地」とでも言おうか、たくさんの人が牛や羊を放牧して生活している。やはりエチオピアは天国に一番近い国かもしれない。送電線もしっかりきている・・・エチオピアは意外に(と言ったら怒られそうだが)キチンとした国である。
早目の昼休憩の後、まだまだ続く広大な台地から一度下りて谷間の広い平地を行く。この辺りはとても乾燥している。目指すラリベラは別の台地の上にある。13:00過ぎにラリベラに到着、標高は2,500m近い。
バスの止まったところからほど近いBlue Lal Hotelにチェックイン。シャワー、トイレつきの部屋が一泊100B。通常150Bのところをディスカウントしてもらってこの値段。部屋は広く、テラスもあって快適だ。シャワー、トイレつきの部屋というのも実に久し振り。
昼食を食べた後で岩窟教会のあるエリアをぶらぶらしてみた。いや~ラリベラはのんびりしていて実にいいところだ。人はやはり丸くて親切だし、眺めはどこも絶景、何よりピースな空気がたまらなく心地いい。物価が若干高いけど、ここまで運ぶ手間を考えると致し方のないことか。
もしこれからエチオピアを旅する人がいたら、北部を回ることを断然お勧めする。行くのが大変だけど、それを補って余りある絶景に出会えることだろう。

余談21 エチオピアにないもの・・・
それは肥満である。エチオピアには肥満の人がまったくいない。ここまで肥満と無縁の国というのも今時珍しいのではなかろうか。南部アフリカとは正反対である。
言うまでもないが、食生活によるところが大きい。スナック菓子やファースト・フードと無縁のエチオピアに肥満などあろうはずがない、といったところだろうか。

1may2010 途中の村の女の子 1may2010 ラリベラでの葬式の様子

1may2010 アシェトン村の方角を望む

2010/5/2 日
昨日の日記に書いた台地とか谷間の広い平地というのはグレート・リフト・バレーのことである。グレート・リフト・バレー(大地溝帯)はエチオピアのど真ん中を北東から南西に貫いていて、ラリベラは正にその只中にある。グレート・リフト・バレーは幅35~60kmの正断層による陥没地帯で、総延長は7000kmにも及ぶ・・・壮大な眺めのはずだ。
エチオピアを貫いているのは東部地溝帯で、ここは人類発祥の地ともされている。350万年前の、直立二足歩行したアファール猿人の化石(ルーシー)がここで発見されたのだ。ラリベラの景観が神秘的に見えないはずがない。
エチオピアを旅するなら、ぜひともグレート・リフト・バレーを陸路で移動してみるべきだ。まさに巨大な地球の割れ目、人類発祥の地、その壮大すぎる景観にただただ圧倒されるしかない。人というのはあまりに壮大なものを目の当たりにすると、妙に落ち着いた気分になるものらしい・・・感慨深いような、一種開き直ったような、何とも言えない不思議な気分になる。
停電のため、久々にロウソクとヘッドランプの明かりで日記を書いている。
今日は世界遺産にもなっているラリベラの岩窟教会群を見に行ってきた。岩窟教会というのは地面の一枚岩を掘って造ったもので、所謂ラリベラの岩窟教会群というのは12の教会から成っている。これ以外にもエチオピア北部には岩窟教会がたくさんあり、ラリベラから数十キロのところにも点在している。何故地上に建てるのではなく地面を掘って造ったのかはわからないが、実際に目の当たりにすると、よく造ったものだと感心する他ない。一枚岩を掘って造っているので、教会の周囲の掘り下げた部分はクライミングできそうな垂壁になっている。
教会を見るには、チケット・オフィスで共通入場券を購入する必要がある。12の教会群のうち11の教会で使うことができ、購入日から5日間有効。300Bもするのがちょっと痛い。のんびり見ても、一日あれば11の教会全てを十分見て回れる。
ほとんどの教会が未だ現役として使われているもので、中に入ると司祭がいて色々説明してくれる。教会内に入るには靴を脱がねばならないが(靴下はOK)、教会内はダニの巣窟という話をよく聞くので、念のため靴下の上からスーパーのレジ袋を履いて入ったが、それほどダニがいそうな感じではなかった。
入口でレジ袋を履くのは最初ちょっと恥ずかしかったが、すぐに慣れた。司祭も教会に来ているエチオピア人もレジ袋を履いていても別に嫌な顔をすることもなく、中には「ぜひそのレジ袋をくれ」と言ってくるエチオピア人さえいた。
夕方再度訪れた教会にフランス人の団体観光客がいた。ウザイなぁと思いつつ後から教会内に入ると、一人のおっさんがマユミに「そのビニール袋は感心しないなぁ。エチオピアの教会では裸足が一番さ」みたいな能書きをたれていた。何勘違いしてんだか、このおっさんは・・・。ローカル・フードもろくに食えないくせに、ローカル・バスに乗ったこともないくせに、たかが裸足で教会に入ったくらいで地元に溶け込んだ気分になってんじゃねぇ、と言いたい。能書きをたれるなら、ローカル食堂で毎日インジェラを食ってからにしろ、と声を大にして言いたい。まったく勘違いも甚だしい。ちなみにこの団体、教会内では壁画をフラッシュ撮影して司祭に注意され、教会の外で靴を履く時にはエチオピア人ガイドに足を差し出して靴紐を結んでもらっていた・・・まったくどういう神経してんだか。単にこやつらは足の汚れが気にならないだけに過ぎないのだ。ダニの巣窟かもしれないところを裸足で歩いてそのまま靴を履いてしまうのだからある意味すごい。しこたまダニに食われて後悔しろ!
昼食後に行った聖ギオルギス教会は十字架の形をした有名な教会だが、行ったら閉まっていた。チケットをチェックする人の話では、どうやら司祭が昼食を食べに行っているらしい。英語があまり通じないが、もう少ししたら戻るからそこで待ってろみたいなことを言っている。しばらく待ったが戻ってきそうにないので、先に他を見るべくその人にそう告げて教会を離れると、石畳の通りの向こうからどこかで見た顔の人が歩いてくる。ガイドブックの写真に出ていた司祭だ、そう思って聞いてみると紛れもなく聖ギオルギス教会の司祭だった。妙に明るい司祭で、教会に来いと手招きしてくれるのでそのままついて行った。教会の中も見せてくれ、写真撮影にも快く応じてくれた。写真を撮る前に「フラッシュ使っても大丈夫?」と確認すると「OK!OK!」と言う。でも撮影が終わったら、「フラッシュが眩しかったら50B」ときた。面白すぎる・・・普段なら断るところだが、司祭のコミカルさに負けて素直に50B払った。50Bも取られたら普段なら相当悔しいと思うのだが、相手がこういう人だとまったく悔しくないから不思議だ。
ラリベラの子供も他のアフリカの国の子供と同じようにサッカーが大好き。皆それぞれ自分たちのチームを作ってサッカーをしているが、ボールは布を縫って作った手製のものだ。当然皆ちゃんとしたボールが欲しいのだが、ゴムのボールは200Bもするらしい。で、その旨のことを英語で書いた紙を持参していて、何かの折りに控え目に寄付を求める。実に健気だ。
夕方、教会で勝手にガイドを始めた子がいた。将来パイロットになりたいというその子は英語が上手で、教会のことも詳しく知っているなかなかの名ガイドだった。最後にやはりサッカーボールのことを書いたメッセージを見せてくれたので、ガイドのお礼に2Bあげたらとても喜んでくれた。「無事に旅が続けられますように」などと大人びた台詞も吐けるが、とても素直で控え目な可愛い子だった。

2may2010 第一教会群  穴の中の修行僧 2may2010 第二教会群

2may2010 聖ギオルギス教会の司祭 2may2010 聖ギオルギス教会

2010/5/3 月
歩いて近くにある山に登ってみた。アシェトンの聖マリア教会のある山だ。
眺めのいい山道を歩いていると、下から一人の青年が登ってきた。話をしてみると、上のアシェトン村に住む青年で、学校の試験が終わって家に帰るところだという。村まで色々話をしながら一緒に歩いた。山の上から見るグレート・リフト・バレーの眺めは何とも素晴らしい。
ラリベラにはプライマリースクールとハイスクールがあり、たくさんの子供たちが通っている。エチオピアの学校はどこも制服があって、子供たちは皆その地区独自の制服を着ている。生徒の数に比べ先生の数が少ないのと、全員に行き渡るほどの教科書がないため学校は3交代制になっている。朝の部の他に昼の部と夜の部がある。ちょうど今の時間は朝の部が終わって昼の部の生徒が上の村から通ってくるところだった。
1時間も歩かないうちにアシェトン村に着く。なんて美しい村だろう・・・下から見るとわからないのだが、山の中腹に平らな土地があり、ここに600人もの人が暮しているらしい。山の中腹にあって谷ではないのだが、ナウシカの「風の谷」を髣髴とさせる美しい村だ。村からの絶景は筆舌に尽くしがたい。まさに天空の村、天国に一番近い村といった感じだ。
青年の名はメレセといい、村に着くと自分の家のコーヒー・セレモニーに招いてくれた。木と土でできた可愛らしい家で、メレセの姪という可愛い女の子がやっていた仕事を中断してコーヒーを入れてくれた。
コーヒー・セレモニーの手順はこんな感じ・・・家の中は土間になっていて、細い薪で火を起こす。火が起きたら、チャパティーを焼くような平たい鉄板の上でコーヒー豆を煎る。生のコーヒー豆というのをはじめて見たが、白いとは知らなかった。豆を煎り始めるといい香りが漂ってくる。煎り終えたら、煎った豆を(おそらく真鍮製の)細い筒の中に移し鉄の棒で突いて細かく砕く。その間に土鍋のような材質の可愛らしいポットを火にかけて湯を沸かす。ちょうど豆を砕き終えた頃湯も沸いて、砕いた豆をポットの中に入れる。塩と砂糖を加え、しばらく沸かしてから火から下ろし、少し蒸らしたら完成。湯飲みのような小さなカップに注いでもらっていただく。
なんて旨いコーヒーなんだぁぁぁ・・・一杯目が飲み終わると再びポットに水を足して沸かし二杯目、そして三杯目と続く。一杯目と二杯目、そして三杯目ではそれぞれ風味が変わり、どれが美味しいとは甲乙つけがたい。
コーヒー・セレモニーとはなんて優雅な習慣なんだろう。エチオピアの一般の家庭では、朝、昼、晩の一日三回、食後にコーヒーを飲むらしい。アディスアベバのような大きな町のカフェにはエスプレッソ・マシーンのようなものがあり、これで入れるコーヒーも実に旨いのだが、手間暇かけて入れたコーヒーはまた格別だ。
コーヒーと一緒にインジェラを出してくれたのだが、メレセの家のインジェラは絶品だった。小麦で作ったインジェラとのことで見た目も白く、酸味がそれほどなくてパンのようにインジェラだけで美味しく食べられる。
コーヒー・セレモニーの後、メレセに村の中を案内してもらった。聖マリア教会にもここから30分も歩かないで行けるのだが、あまりに美しい村の眺めに満足してしまい教会に行くまでもないような気がしてきたのだ。教会を見るには入場料も払わねばならないが、その分をメレセへのお礼にまわした方がいいような気もした。
それにしても美しい村だ。こんなに美しい村をこれまで見たことがない。もしラリベラに来る人がいたら、例え岩窟教会を見ずともアシェトン村だけはぜひ見た方がいい。心が洗われるようだ。
メレセは帰りも下まで送ってくれた。
夕方、雨のぱらつく中バス・パークまで明日のチケットを取りに行った。毎日デシエから昼過ぎにバスが着きそのまま翌日デシエに戻るのだが、バスの運ちゃんが昼食を取ったり休んだりするのでチケットを売り出すのは夕方17:00過ぎだとメレセが教えてくれた。
バスはその日運行している人によって当たりはずれがある。ラリベラに来たときのバスは当たりだったが、今回のバスははずれのようだ。どことなくヤクザな感じ。料金が来たときより高い。アディスアベバまで150Bだという。途中のウォルディアまでのチケットを取ろうとしたら100Bもするという。距離的に見たらせいぜい70Bくらいではなかろうかと思うのだが・・・。
バスは一日一本しかないので運行している側は強気だ。「このバスに乗らなきゃ明日ウォルディアに行くことはできない」と言われると確かにその通りなので、悔しいけど従うしかない。今日のうちに取っておかないと明日になったら満席で取れないかもしれないとメレセも言っていたので一人100B払ってウォルディア行きのチケットを取った。来たときと違い今回は自由席ということだ。別にチップを払えばいい席を確保しといてくれるということだが、そいつは断った。明日はまた5:00前にバス・パークに行かなければならない。
昨日からの停電は夜になっても回復せず、結局この日はまったく電気を使えなかった。

3may2010 グレート・リフト・バレー 3may2010 コーヒー・セレモニー_ 豆を煎ってるところ

3may2010 コーヒー豆を煎る 3may2010 コーヒーを注ぐ

3may2010 アシェトン村 3may2010 アシェトン村からの眺め


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